LINEで資料請求 無料体験に申し込む

コラム

HOME > 一般-その他 > 化学基礎と化学の難易度・範囲・勉強すべき人の違いを解説
2025年08月22日 一般-その他

化学基礎と化学の難易度・範囲・勉強すべき人の違いを解説

化学基礎と化学の難易度・範囲・勉強すべき人の違いを解説

この記事は、大学受験を控える主に高校1年生が、「化学基礎」と「化学」の違いと履修すべきか、疑問を解決するサポートをします。

この記事を書いた人

自己紹介画像

慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!

化学基礎と化学の比較項目

本分析では、あなたの進路選択と学習負担を考慮し、以下の4つの主要な比較軸を設定します。これらの軸に沿って、両科目の特性を客観的に評価します。

① 対象者と大学受験における必要性:主にどのような進路を目指す生徒が対象か、特に文系志望者にとっての必要性を分析します。

② 学習範囲と内容の深度:履修する単元と、各単元で求められる理解の深さを比較します。

③ 難易度と学習負荷:暗記量、計算の複雑さ、概念の抽象度から、学習に必要な時間と労力を見積もります。

④ 他科目との関連性:数学や物理、生物といった他の科目との関連性の強さを評価します。

勉強のこと気軽にご相談してください!

スタディコーチは、東大・旧帝大・早慶生のコーチが
学習管理をして合格に導く塾です!

LINE追加で学習計画表と東大式勉強攻略ガイドを無料配布中!

化学基礎と化学の範囲と難易度、必要な人

比較軸 化学基礎 化学
① 対象者と必要性 文系・理系問わず多くの生徒が履修。特に国公立大学の文系志望者は、大学入学共通テストで理科基礎2科目の選択が必須となる場合が多い。 主に理系生徒が対象。理学部、工学部、医学部、薬学部、農学部など、多くの理系学部で二次試験の必須または選択科目となる。
② 学習範囲と深度 化学の根幹をなす基礎的な概念(物質の構成、化学結合、物質量、酸と塩基、酸化還元など)を学ぶ。内容は広く浅い。 「化学基礎」の範囲に加え、より専門的な分野(物質の状態と平衡、化学反応とエネルギー、無機化学、有機化学など)を深く掘り下げる。
③ 難易度と学習負荷 基本的な暗記と簡単な計算が中心。概念を正しく理解すれば高得点を狙いやすい。学習難易度は比較的低い。 暗記量が大幅に増加し、計算も複雑化。論理的思考力や応用力が求められる。学習難易度は非常に高い。
④ 他科目との関連性 物質量の計算で数学Ⅰの知識を若干使用する程度。他科目との直接的な関連は薄く、独立して学習しやすい。 気体の状態方程式などで物理の知識、平衡定数などで数学Ⅱ・Ⅲの知識(対数など)が役立つ場面がある。他理系科目との連携が重要。

化学基礎と化学の範囲と項目の違い

両科目の学習範囲の差をより具体的に理解するため、学習する単元を一覧で比較します。「化学」は「化学基礎」の内容を完全に含んだ上で、さらに広範かつ専門的な分野へと展開していく構造になっています。

化学基礎 化学
【物質の構成】

  • 物質の探究
  • 物質の構成粒子
  • 化学結合

【物質の変化】

  • 物質量と化学反応式
  • 酸と塩基の反応
  • 酸化還元反応
【理論化学】

  • (化学基礎の全範囲)
  • 物質の状態と平衡(気体, 溶液)
  • 化学反応の速さ
  • 化学平衡
  • 化学反応と熱・光・電気

【無機化学】

  • 非金属元素の性質
  • 金属元素の性質

【有機化学】

  • 有機化合物の特徴と構造
  • 炭化水素
  • 官能基をもつ化合物

【高分子化学】

  • 高分子化合物の性質
  • 天然高分子化合物
  • 合成高分子化合物

さらに詳しい解説

4.1. 対象者と大学受験における必要性

最大の違いは、あなたの志望学部の系統です。

文系学部を目指す場合、あなたの主な戦場は大学入学共通テストになります。多くの国公立大学では、理科について「物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2科目選択」を課しています。「化学基礎」は暗記と計算のバランスが良く、他科目との関連も薄いため、文系の生徒にとって選択しやすい科目の一つとされています。私立文系では理科が不要な場合も多いですが、共通テスト利用入試を視野に入れるなら履修価値は十分にあります。

一方、理系学部を目指すのであれば、「化学」の履修はほぼ必須と考えてください。国公立・私立を問わず、多くの大学の個別学力検査(二次試験)で「化学」が課されます。「化学基礎」は「化学」の導入部分であり、「化学」を履修すれば「化学基礎」の範囲は完全に内包されるため、理系志望者は「化学」を選択することになります。

4.2. 学習範囲と難易度の関係

「化学基礎」が化学の世界への入り口だとすれば、「化学」はその奥深くを探求する旅です。

「化学基礎」では、すべての物質の基本である原子・分子の構造、化学反応の基本的な量関係(モル計算)、身近な酸・塩基といった、化学の共通言語を学びます。内容は断片的で、各単元の独立性が比較的高いため、一つで躓いても他でカバーしやすい側面があります。

対照的に、「化学」ではこれらの基礎知識を前提として、理論化学(平衡、反応速度など)、無機化学(各元素の性質)、有機化学(膨大な種類の化合物の構造と反応)へと範囲が大きく広がります。各分野が複雑に絡み合っており、体系的な理解が不可欠です。特に有機化学は暗記量が多く、多くの受験生が苦戦するポイントとなります。学習負荷は「化学基礎」の数倍に達すると見積もるべきです。

勉強のこと気軽にご相談してください!

スタディコーチは、東大・旧帝大・早慶生のコーチが
学習管理をして合格に導く塾です!

LINE追加で学習計画表と東大式勉強攻略ガイドを無料配布中!

化学基礎と化学についてよくある質問(Q&A)

Q.

文系志望ですが、「化学」まで勉強する必要はありますか?


A.

結論から言うと、大学受験という観点ではその必要性は極めて低いです。文系学部で「化学」が必須となるケースはほぼありません。共通テスト対策として「化学基礎」を確実に習得し、その分の学習時間を英語、数学、国語、社会といった主要科目に充てる方が、総合的な戦略としては合理的です。

Q.

まだ文理選択に迷っています。どうすれば良いでしょうか?


A.

まずは「化学基礎」の学習にしっかりと取り組むことを推奨します。「化学基礎」は「化学」の土台であり、文系・理系どちらに進むにしても無駄にはなりません。その学習を通じて、あなたが化学という学問に興味を持てるか、あるいは負担に感じるかを見極めることが、将来の文理選択、ひいては科目選択における重要な判断材料となります。

この記事のまとめ

これまでの内容をもとに、あなたが化学基礎・化学を履修すべきかどうかをまとめます。(分離選択前の主に高校1年生を対象としています。)

化学基礎・化学が必要な人まとめ

もし、あなたが…

  • 国公立大学の文系学部を第一志望とするなら、「化学基礎」は共通テストで有力な選択肢の一つです。生物基礎や地学基礎と比較し、あなたの得意・不得意(計算か暗記か)を考慮して最終決定を下してください。
  • 理学部・工学部・医学部・薬学部など明確な理系学部を志望しているなら、迷わず「化学」を選択すべきです。これは必須の投資であり、早期から計画的な学習が求められます。
  • 高校1年生で、まだ文理選択を決めかねているのなら、まずは「化学基礎」の学習に集中し、自身の興味と適性を見極めましょう。理系に進む可能性を閉ざさないためにも、基礎の理解を疎かにしてはいけません。
無料体験はこちら