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「早慶」という大きな目標を前に、どちらの大学が自分により適しているのか、判断に迷っている方は多いのでしょうか。伝統、学風、そして未来の可能性、その魅力は多岐にわたり、一つに絞ることは容易ではありません。
この記事は、早慶を徹底的に比較し、よりよい志望校選択をサポートします。
今回は、早稲田大学と慶應義塾大学を、以下の5つの比較軸で徹底的に分析します。
① 学風と文化:学生の気質や大学が持つ雰囲気の違い
② 学部構成と強み:学問分野におけるそれぞれの得意領域
③ キャンパスライフと立地:学生生活の拠点となる環境
④ 就職実績とネットワーク:卒業後のキャリア形成における影響力
⑤ 入試の傾向と対策:合格を掴むための戦略的な視点

慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
まず、両大学の全体像を把握するため、分析結果を以下の比較表(マトリクス)に集約します。各項目における優位性・劣位性を視覚的にご確認ください。
| 比較軸 | 早稲田大学 | 慶應義塾大学 | 塾講師のコメント |
|---|---|---|---|
| ① 学風と文化 | 「在野の精神」。多様性、自由闊達、個性的。良くも悪くも「雑多」なエネルギーに満ちる。 | 「実学の精神」。エリート意識、スマート、組織的。同質性が高く、洗練された雰囲気。 | 「多様性・個性」を重視するか、「組織・洗練」を重視するかの違いが鮮明。 |
| ② 学部構成と強み | 政治経済学部を筆頭に、法学、文学、国際教養など文系分野に伝統的な強みを持つ。学部数が多く学問の幅が広い。 | 経済学部、商学部、法学部、医学部が看板。特に経済・商学分野と医学部は国内トップクラス。 | 伝統の「文の早稲田」、実学の「経済・医の慶應」という構図は今も健在。 |
| ③ キャンパスライフと立地 | 高田馬場・早稲田エリアに広がる「学生街」。活気があり、学生向けの安価な飲食店も多い。 | 三田(都心ビジネス街)、日吉(閑静な住宅街)などキャンパスが洗練されている。お洒落なイメージ。 | 「ザ・学生街」での活気を求めるなら早稲田、「都会的」な環境を好むなら慶應。 |
| ④ 就職実績とネットワーク | マスコミ、出版、政界、官界などに強固な実績。OB会「稲門会」は規模が大きいが、結束は比較的緩やか。 | 金融、コンサル、大手商社など財界に圧倒的な影響力。OB会「三田会」は日本最強とも言われる強固な結束力。 | キャリアへの影響力は共に絶大。特に「財界での成功」を志向するなら慶應のネットワークは強力。 |
| ⑤ 入試の傾向と対策 | 国語や地歴公民で思考力を問う難問・奇問が出題される傾向。総合的な学力が試される。 | 英語の配点・難易度が非常に高い。多くの学部で「小論文」が課され、論理的思考力と表現力が問われる。 | 「総合力・思考力の早稲田」か、「英語・論理力の慶應」か。得意科目との相性が合否を分ける。 |
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早稲田大学の魅力は、その「多様性」にあります。全国から多種多様な背景を持つ学生が集まり、互いに刺激し合う環境は「人の坩堝(るつぼ)」と形容されます。創設者・大隈重信の「在野の精神」は、権力に媚びず、自由な探求と思考を重んじる学風として今も息づいています。一方、慶應義塾大学は福澤諭吉の「実学の精神」を礎とし、社会で即戦力となるための合理性と実用性を重視します。学生にはスマートで洗練されたイメージがあり、強い連帯感を持つエリート集団という側面があります。
両大学ともに日本を代表する総合大学ですが、その強みには明確な違いが見られます。早稲田は「政治経済学部」を看板に、ジャーナリストや政治家を数多く輩出してきました。文学部や法学部といった伝統的な文系分野での評価は非常に高いものがあります。対照的に、慶應は「経済学部」が私学の雄として君臨し、日本の経済界に絶大な影響力を持っています。また、私立大学で最難関とされる医学部の存在も、慶應のブランドを確固たるものにしています。
学生生活のイメージは、キャンパスの立地に大きく左右されます。早稲田大学の周辺は、まさに「学生街」です。安くてボリュームのある飲食店や古書店が軒を連ね、常に学生の熱気に満ちています。サークル活動も活発で、大学全体が一つのコミュニティのような一体感があります。一方の慶應は、三田キャンパスが東京タワーを望むビジネス街に、日吉キャンパスが落ち着いた住宅街に位置するなど、より都会的で洗練された環境です。自分のペースで学問や活動に打ち込みたい学生にとっては、魅力的な環境と言えるでしょう。
卒業後のキャリアにおいて、両大学のブランド力は計り知れない価値を持ちます。早稲田はマスメディアや出版業界、政界・官界に多くの卒業生を送り込んでおり、そのネットワークは広範です。OB・OG会である「稲門会」は全国・全世界に支部を持ちますが、その繋がりは比較的緩やかで自由なものです。対して、慶應の「三田会」は日本最強の学閥と称され、特に金融、コンサルティング、大手総合商社といった財界において、非常に強固で組織的なネットワークを形成しています。これは、就職活動において極めて強力なアドバンテージとなり得ます。
受験生にとって最も重要なのが、入試問題との相性です。早稲田大学の入試問題は、特に国語や社会(地歴公民)において、単なる暗記では太刀打ちできない、深い思考力や知識の応用力を問う問題が多く見られます。一方、慶應義塾大学は、ほとんどの文系学部で国語(古文・漢文)を課さない代わりに、極めて難易度の高い英語と「小論文」を課します。この小論文は、与えられた課題に対して論理的に思考し、的確に文章化する能力を測るもので、慶應合格のための鍵となります。自身の得意・不得意を冷静に分析することが不可欠です。
結局のところ、「どちらが上」ということはあるのでしょうか?
ありません。これが本レポートの結論です。両大学は評価の「軸」が異なるだけで、総合的な優劣をつけることは不可能です。例えば「財界への影響力」という軸では慶應に、「政治・ジャーナリズムへの影響力」という軸では早稲田に、それぞれ優位性があります。重要なのは、世間的な評価ではなく、あなた自身の価値観という「軸」で判断することです。
将来やりたいことが明確に決まっていません。その場合はどう選べば良いですか?
素晴らしい問いです。その場合、「入学後の選択肢の広さ」を重視すると良いでしょう。学部数の多い早稲田は、他学部の授業を受けられるオープン科目制度も充実しており、入学後に興味の対象を見つけやすい環境です。一方で慶應は、良い意味で同質性の高い仲間と切磋琢磨する中で、将来の目標が明確化されていくケースも多く見られます。「多様性の中で探す」早稲田か、「洗練された環境で定める」慶應か、という観点でご検討ください。
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この記事で提示した分析は、あくまで志望校選択を支援するための材料です。最終的な判断は、あなた自身の価値観と優先順位でよく考えてください。以下を参考に、ご自身の考えを整理してみてください。
どちらの道を選んでも、そこで得られる経験はあなたの人生にとってかけがえのない財産となります。この記事が、あなたの後悔のない志望校選択のサポートとなることを願っています。