こんにちは、スタディコーチ岐阜校のひろぽんです。
私が以前、新宿の英国風パブ「HUB」で出会ったスコットランド出身の英語教師アンディは、高校時代に愛知県一宮市へホームステイした経験があると言っていました。私は当時「一宮には目立った観光地も産業もない」と思い込んでいたため、なぜ一宮を選んだのか不思議に思い尋ねてみたのです。
彼の答えは意外でした。スコットランドの故郷はツイードやタータンで有名であり、一宮や岐阜西濃の地域も服地の産地として世界的に評価されている――その共通点に惹かれたのではないかというのです。
尾州(びしゅう)地域は「世界三大毛織物産地」
実は、尾張西部から岐阜県西濃にまたがる“尾州”地域は、イタリアのビエラやイギリスのハダースフィールドと並ぶ世界三大毛織物産地の一つとして知られています。
この地域の存在感は、映画「BISHU 世界でいちばん優しい服」の公開で再注目されました。地元に住みながら、その誇り高き産業を知らなかった自分に気づかされる――まさに灯台下暗しでした。
映画「BISHU」ポスター
岐阜の織物の歴史と現在
岐阜県の織物史は古く、江戸時代から続く縮緬織物の「岐阜縮緬」や、綿を紡いで手機で織る「美濃縞」などが代表的です。かつては農業の副業として栄えた木綿織物が基盤となり、明治期の動力化・輸出拡大を経て、戦後は服地やインテリア向けの多様な織物へと発展しました。
現在も美濃織物工業協同組合を中心に、伝統を守りつつ新しい素材や技術へ挑戦し続ける動きが見られます。
岐阜県羽島市「山庄織物」の製品
地元の産業が世界で通用することを知れば、進路選びの視野が広がります。大学で学ぶこと、または地元企業で働くこと――どちらも将来への道です。今の勉強はその基礎になります。自分の住む地域が誇れることを励みに、残りの時間を大切にしてください。
地場産業への関心は、進学や就職の選択肢を豊かにします。毛織物に限らず、地域の強みを知ることは未来を考える第一歩です。


