目次
高校選びは、皆さんの未来を左右する大きな決断です。今回は、神奈川県の進学校として名高い「光陵高等学校」について、中立的な立場から深く、そして多角的に分析していきます。

慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
まずは、学校の基本的な情報を確認しましょう。特に、毎日の通学に関わるアクセスは重要なポイントです。
| 学校名 | 神奈川県立光陵高等学校 |
|---|---|
| 所在地 | 〒240-0026 神奈川県横浜市保土ケ谷区権太坂1-7-1 |
| 設立 | 1966年(昭和41年) |
| アクセス | JR「東戸塚駅」よりバス約10分「境木中学校前」下車 徒歩約5分 JR「保土ケ谷駅」よりバス約15分「権太坂」下車 徒歩約8分 |
| 公式サイト | https://www.pen-kanagawa.ed.jp/koryo-h/ |
【塾講師からのコメント】
光陵高校の最大の物理的な特徴は、その名の通り「坂の上」にあることです。有名な「権太坂」の途中に位置しており、最寄りのバス停からも坂道を上る必要があります。これは日々の体力づくりには繋がりますが、特に夏場や雨の日は大変に感じる生徒もいるでしょう。オープンスクールなどに参加する際は、実際の通学経路を体験し、自分にとって許容範囲かどうかを確認することを強くお勧めします。この「坂」を乗り越えてでも通いたいと思える魅力が、この学校にあるのかを見極めることが第一歩です。
次に、受験生が最も気になる学力レベルについて見ていきましょう。偏差値は高校の難易度を測る一つの客観的な指標です。
| 偏差値 | 65 – 67 |
|---|---|
| 県内公立順位 | トップ10前後に位置 |
| 主な併願校(私立) | 山手学院、法政大学第二、桐蔭学園、日本大学(特進)など |
| 主な競合校(公立) | 横浜緑ヶ丘高校、柏陽高校、希望ケ丘高校など |
※偏差値は2025年9月時点の複数の大手教育情報サイトのデータを参考にしています。模試によって数値は変動します。
【塾講師からのコメント】
偏差値60台後半は、神奈川県の公立高校の中でも上位層に位置します。単に暗記が得意というだけでは合格は難しく、思考力や応用力が問われるレベルです。内申点もしっかりと確保した上で、学力検査で高得点を取る必要があります。競合となる柏陽高校が理数系に強いイメージがあるのに対し、光陵高校は国公立大学をバランス良く目指す生徒が集まる印象です。併願校選びも重要で、同レベル帯の私立高校の情報を早期から集めておくことが、安心して本番に臨むための鍵となります。
高校選びにおいて、3年後の出口である大学進学実績は非常に重要です。ここでは近年の主な合格実績を紹介します。
| 大学群 | 主な合格大学 |
|---|---|
| 国公立大学 | 横浜国立大学、横浜市立大学、東京都立大学、筑波大学、千葉大学、東北大学など |
| 早慶上理 | 早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学 |
| GMARCH | 明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学、学習院大学 |
※上記は近年の合格実績の傾向を示すものであり、正確な年度別人数は公式サイトをご確認ください。
【塾講師からのコメント】
光陵高校の進学実績の最大の特徴は、国公立大学への高い意識と実績です。特に、地元の横浜国立大学や横浜市立大学への進学者が多いのは、学校の指導方針と生徒の志望が見事に合致している結果と言えるでしょう。これは、特定の私立大学への推薦枠に頼るのではなく、共通テストを含めた5教科7科目を最後までやり抜く生徒が多いことを示唆しています。難関私立大学にも多数の合格者を輩出しており、総合的な学力の高さがうかがえます。「国公立大学を第一志望に、私立大学も視野に入れて幅広く受験したい」と考える生徒にとって、理想的な環境が整っていると言えます。
データだけでは見えない、学校の「空気感」も重要です。光陵高校の校風と教育の特色を3つのポイントにまとめました。
1. 落ち着いた雰囲気と「文武両道」の実践
多くの在校生や卒業生が口を揃えるのが「穏やかで真面目な生徒が多い」という点です。派手さはありませんが、落ち着いた環境でじっくりと学問に取り組みたい生徒には最適な環境です。また、部活動や学校行事にも真剣に取り組む「文武両道」の精神が根付いており、「やるときはやる、楽しむときは楽しむ」というメリハリのある高校生活を送ることができます。
2. 「探究活動」と横浜国立大学との連携
光陵高校は、単なる知識の詰め込みではなく、「探究する力」の育成に力を入れています。特に、設立の経緯から連携が深い横浜国立大学との協力を活かしたプログラムは大きな魅力です。大学教授による講義や研究室訪問などを通じて、早い段階から学問の面白さに触れ、主体的な学習意欲を高める工夫がなされています。
3. 生徒の自主性を重んじる校風
校則は県立高校としては標準的で、生徒の自主性を尊重する雰囲気が特徴です。体育祭や文化祭(光陵祭)などの学校行事は、生徒が主体となって企画・運営します。これらの経験を通じて、リーダーシップや協調性を育むことができるのも、光陵高校の教育の大きな柱です。
ここでは、実際に通う生徒や保護者から聞かれる、より具体的な評判を「良い点」と「気になる点」に分けて紹介します。
【ポジティブな評判】
【気になる点・注意すべき点】
【塾講師からのコメント】
評判を総合すると、光陵高校は「学習環境と人間関係の良さ」を求める生徒にとって非常に満足度の高い学校である一方、「立地と施設の古さ」が物理的なハードルとなり得る学校だと言えます。特に「坂」に関するコメントは頻繁に見られますが、これは裏を返せば、その坂を上ってでも通いたいという意欲の高い生徒が集まっている証拠でもあります。人間関係の良さは、落ち着いた学習環境に直結する重要な要素です。この点を重視するご家庭にとっては、多少の通学の不便さを補って余りある魅力があるでしょう。
Q1. 塾に通っている生徒は多いですか?
A1. はい、多いです。特に大学受験を意識し始める2年生の後半からは、多くの生徒が塾や予備校を利用しています。ただし、学校の授業や補習も充実しているため、学校の勉強を中心に難関大学に合格する生徒もいます。
Q2. 食堂はありますか?
A2. はい、食堂があり、多くの生徒が利用しています。パンや弁当の販売もあり、昼食の選択肢は豊富です。
Q3. 指定校推薦はどのような大学がありますか?
A3. 早稲田大学、慶應義塾大学をはじめ、多くの有名私立大学からの指定校推薦枠があります。しかし、光陵高校の生徒の多くは一般選抜での国公立大学進学を目指す傾向が強いため、推薦枠の利用は本人の希望と成績次第です。
これまでの情報を踏まえ、光陵高校の特徴と、どのような生徒におすすめできるかをまとめます。
【結論として、光陵高校はこんな生徒におすすめします】
「難関国公立大学への進学を真剣に目指し、かつ、落ち着いた環境で充実した学校行事や部活動にも打ち込みたい、バランス感覚に優れた生徒」
高校選びは、偏差値だけで決めるものではありません。その学校が持つ独自の文化や環境が、自分に合うかどうかを見極めることが何よりも大切です。この分析記事が、あなたの最高の3年間を選ぶための一助となれば幸いです。