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高校選びは、将来を左右する重要な決断です。今回は、神奈川県内でも屈指の人気と実力を誇る私立、山手学院高等学校について分析していきます。この記事が、あなたの「納得のいく高校選び」の一助となれば幸いです。

慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
まずは、山手学院高校の基本的な情報を確認しましょう。
| 所在地 | 〒247-0013 神奈川県横浜市栄区上郷町460 |
| 設立年度 | 1966年 |
| アクセス | JR根岸線「港南台駅」よりバス約10分 京浜急行「金沢八景駅」よりバス約20分 JR東海道線「大船駅」よりバス約25分 |
| 公式サイト | https://www.yamate-gakuin.ac.jp/ |
山手学院高校には、目標進路に応じた2つのコースが設置されています。それぞれの偏差値と、県内の競合校との比較を見ていきましょう。
| コース名 | 偏差値目安 |
|---|---|
| 特別進学コース | 70 |
| 進学コース | 66 |
※偏差値は2025年9月時点の複数の大手教育情報サイトのデータを基にした参考値です。
| 学校名 | 偏差値帯 | 所在地 |
|---|---|---|
| 山手学院高等学校 | 66 – 70 | 横浜市栄区 |
| 法政大学第二高等学校 | 69 | 川崎市中原区 |
| 桐光学園高等学校 (SA) | 70 | 川崎市麻生区 |
| 日本大学高等学校 | 66 | 横浜市港北区 |
| 中央大学附属横浜高等学校 | 68 | 横浜市都筑区 |
【塾講師からのコメント】
偏差値は、神奈川県の私立高校の中でもトップクラスに位置します。特に、県立トップ校である横浜翠嵐、湘南、柏陽、緑ケ丘などを第一志望とする受験生が併願校として選択するケースが非常に多いのが特徴です。入学者の学力レベルは総じて高く、互いに切磋琢磨できる環境と言えるでしょう。「特別進学コース」は、難関国公立大学への現役合格を強く意識したカリキュラムが組まれており、高い目標を持つ生徒が集まります。
高校の教育力を測る重要な指標である大学進学実績です。ここでは、難関大学を中心に2024年春の合格者数(既卒生含む)を見ていきます。
※情報は2024年春時点の学校公式発表に基づきます。合格者数は延べ人数です。
| 大学名 | 合格者数 | 大学名 | 合格者数 |
|---|---|---|---|
| 東京大学 | 1 | 京都大学 | 2 |
| 一橋大学 | 3 | 東京科学大学 | 3 |
| 東北大学 | 8 | 北海道大学 | 4 |
| 横浜国立大学 | 20 | 横浜市立大学 | 9 |
| 筑波大学 | 4 | 千葉大学 | 4 |
| 東京都立大学 | 3 | 東京農工大学 | 3 |
| 大学群 | 大学名 | 合格者数 |
|---|---|---|
| 早慶 | 早稲田大学 | 62 |
| 慶應義塾大学 | 39 | |
| 上理 | 上智大学 | 40 |
| 東京理科大学 | 72 | |
| GMARCH | 明治大学 | 194 |
| 青山学院大学 | 78 | |
| 立教大学 | 95 | |
| 中央大学 | 61 | |
| 法政大学 | 111 | |
| 学習院大学 | 28 |
【塾講師からのコメント】
国公立から早慶上理、GMARCHまで、非常にバランスの取れた高い合格実績を誇ります。特に地元の横浜国立大学や横浜市立大学への合格者が多い点は、地域からの信頼の厚さを示しています。また、国公立大学の医学部医学科にも複数名の合格者を輩出しており、理系教育のレベルの高さも伺えます。
ただし、これらの数字は既卒生を含んだ延べ人数である点に注意が必要です。現役での進学率や、一人ひとりがどの大学に進学したかという「実進学先」を意識して、数字を多角的に見ることが重要です。
偏差値や進学実績だけでは分からない、山手学院の「生きた姿」を見ていきましょう。教育方針として「3本の柱」を掲げています。
国公立大学や難関私立大学への進学を強力にサポートするカリキュラムが特徴です。1年次から「特別進学コース」と「進学コース」に分かれ、目標に応じた効率的な学習を進めます。長期休暇中の講習や土曜講座も充実しており、学力向上への意欲が高い生徒に応える体制が整っています。
山手学院の最大の特色とも言えるのが、活発な国際交流プログラムです。高校2年次に全員が参加する北米研修(アメリカ・カナダ)では、ホームステイを通じて異文化を体験し、語学力だけでなく、自主性や国際感覚を養います。他にも、ニュージーランドへのターム留学など、多彩なプログラムが用意されています。
「賢明な自由」を意味する「Wise Freedom」を教育の中心に据え、生徒の自主性を尊重する校風です。校則は私立としては比較的緩やかとされ、生徒一人ひとりが自らを律し、責任ある行動を取ることが求められます。この自由な雰囲気の中で、生徒たちはのびのびと学校生活を送っています。
客観的な視点を保つため、様々な口コミサイトから良い評判と気になる点を両論併記でまとめました。
・学習意欲の高い友人に囲まれる
「公立トップ校の併願者が多く、真面目で勉強熱心な生徒が多い。授業のレベルも高く、自然と勉強する習慣がつく。」
・国際交流プログラムが充実
「北米研修は一生の思い出になった。英語を話す度胸がついたし、視野が大きく広がった。」
・自由で楽しい校風
「校則が厳しすぎず、自分で考えて行動できる。文化祭(山手祭)などの行事も生徒主体で盛り上がる。」
・良くも悪くも「自主性任せ」
「先生からの手厚いサポートというよりは、自分で勉強できる生徒が伸びる学校。難関大を目指すなら塾は必須と感じる人も多い。」
・交通の便が良くない
「駅からバスなので、朝のラッシュ時は時間がかかる。天候が悪い日は特に大変。」
【塾講師からのコメント】
評判を総合すると、「自由な環境で、高いレベルの仲間と切磋琢磨しながら、自律的に学んでいきたい」という生徒に最適な学校と言えそうです。特に、海外に興味があったり、将来グローバルな舞台で活躍したいと考えていたりする生徒にとって、国際交流プログラムは非常に価値ある経験となるでしょう。一方で、「手取り足取り指導してほしい」というタイプの生徒は、自主性を重んじる校風に戸惑う可能性も考慮すべきです。
「特別進学コース」と「進学コース」の違いは何ですか?
「特別進学コース」は主に最難関国公立大学・私立大学を目指すコースで、よりハイレベルで演習中心の授業が展開されます。入学試験の段階でコース別の募集があり、合格基準も異なります。進級時に成績によってコース変更の機会もあります。
部活動は盛んですか?
非常に盛んです。運動部・文化部ともに種類が豊富で、全国大会レベルで活躍する部もあります。多くの生徒が部活動に加入し、勉強と両立しながら充実した学校生活を送っています。
塾や予備校に通っている生徒は多いですか?
はい、多い傾向にあります。特に難関大学を目指す生徒は、学校の授業に加えて塾や予備校を活用し、受験対策を万全にしているケースが一般的です。学校側も講習などでサポートしていますが、より専門的な対策を求めて通塾する生徒が多いようです。
1. 高い学力と進学実績
神奈川県トップクラスの偏差値を持ち、国公立・難関私大への安定した合格実績は大きな魅力。レベルの高い環境で学びたい生徒に最適。
2. グローバル教育の機会
全員参加の北米研修をはじめとする国際交流プログラムは、語学力だけでなく人間的な成長を促す貴重な機会となる。
3. 自主性を重んじる自由な校風
生徒の自主性を尊重する「Wise Freedom」の精神が根付いており、自ら目標を設定し、計画的に行動できる生徒が最も成長できる環境。
「高いレベルの仲間と切磋琢磨しながら、大学進学という目標を達成したい生徒」、そして特に「海外や異文化に強い関心を持ち、グローバルな視野を身につけたい生徒」に強く推奨できる学校です。また、管理されるのではなく、ある程度の自由の中で自律的に学校生活を設計したいという希望を持つ生徒にとっても、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
高校選びは、偏差値だけでなく、校風や教育方針がお子様の性格に合うかどうかが極めて重要です。ぜひ一度、学校説明会や文化祭に足を運び、ご自身の目で山手学院の雰囲気を感じてみてください。
【塾講師からのコメント】
山手学院の立地は、最寄り駅からバスを利用する必要があり、「駅近」ではありません。しかし、広大な敷地を持ち、緑豊かな落ち着いた環境で学べる点は大きな魅力です。スクールバスも運行されており、通学の負担は見た目以上に少ないかもしれません。オープンスクールなどに参加する際は、実際の通学時間を体感してみることを強くお勧めします。