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今回は、人気講師・関正生先生による英単語帳『Stock4500』を、本格的な受験対策を始めたいと考えているあなたのために徹底分析します。

慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
『Stock4500』は、「丸暗記からの解放」をコンセプトに掲げる英単語帳です。単に単語と訳を1対1で覚えるのではなく、各単語が持つ「中核的な意味」や「なぜその意味になるのか」という理屈・背景を重視しているのが最大の特徴。これにより、忘れにくく、応用力の効く語彙力の習得を目指します。
| 書名 | 英単語Stock4500 |
| 著者 | 関 正生 |
| 出版社 | 文英堂 |
| 対象レベル | 高校標準〜難関私大・国公立2次 |
| 値段 | 1,100円(税込) |
| 公式リンク | 文英堂公式サイトへ |
本書の構成は、単なる頻度順ではありません。「入試でどう問われるか」という観点から、以下の3部構成になっています。
Part 1: 文法×単語
動詞と文型、時制、前置詞など、文法問題で問われやすい単語をまとめています。
Part 2: 読解×単語
長文のテーマや文脈で重要になる単語、特に多義語などを重点的に扱います。
Part 3: 4技能×単語
発音・アクセントや、スピーキング・ライティングで使える表現などを収録しています。
そして、各単語の横には「記憶ブースター」という解説コーナーが設けられており、語源、豆知識、ネイティブの感覚などが書かれています。これが本書の心臓部と言えるでしょう。
【塾講師のコメント】
この構成は、単語学習と他の英語分野(文法、読解)の連携を意識させてくれる点で非常に優れています。「この単語は文法問題でこう出る」「この単語は長文でこういう文脈で使われる」と意識しながら覚えることで、知識が断片的にならず、実戦で使える力になります。特に偏差値50台から抜け出すには、こうした「知識の連結」が不可欠です。
この参考書をマスターすることで、共通テストで安定して8割以上を目指せる語彙力はもちろん、日東駒専〜GMARCH・関関同立レベルの長文読解や英作文に対応できる力が身につきます。
特におすすめなのは、以下のような受験生です。
・英語の偏差値が50台で、もう一段階レベルアップしたい人
・単純な丸暗記が苦手で、理屈で理解したい人
・単語を覚えても長文が読めるようにならないと感じている人
・多義語の攻略に苦戦している人
ステップ1: まずは見出し語と赤字の訳を覚える
最初は完璧を目指さず、1単語1秒のペースで高速で周回し、見出し語と最も重要な訳(赤字)を覚えることに集中します。
ステップ2: 「記憶ブースター」を読み込む
2周目以降、なかなか覚えられない単語や、意味がしっくりこない単語を中心に「記憶ブースター」を熟読します。「なるほど!」という発見が、記憶を強固にしてくれます。
ステップ3: 音声データを活用する
無料ダウンロードできる音声を聞きながら、単語の発音と意味が瞬時に結びつくようにトレーニングします。通学中などのスキマ時間を有効活用しましょう。
ステップ4: 派生語やフレーズにも目を通す
語彙をさらに広げるために、派生語や関連フレーズも確認します。ただし、最初は欲張らず、見出し語が完璧になってからで十分です。
『Stock4500』の最大の強みは、「納得感」にあります。多くの単語帳が「これはこうだから覚えなさい」というスタイルなのに対し、本書は「実はこういう理屈・背景があるから、この意味になるんだよ」と語りかけてくれます。この学習体験は、単なる暗記作業を「知的な探求」に変えてくれる可能性があり、モチベーション維持に大きく貢献します。
ここでは、同じく受験生に人気の『システム英単語』と『ターゲット1900』を競合として比較分析します。
| 比較項目 | 本書 (Stock4500) | (システム英単語) | (ターゲット1900) |
|---|---|---|---|
| コンセプト | 理屈・語源で理解 | 短い頻出フレーズで覚える | 一語一義で高速暗記 |
| 単語の選定基準 | 「どう出るか」という出題形式 | 最新入試の頻出度 | 長年のデータに基づく頻出度 |
| 多義語への対応 | 中核イメージからの解説で強い | 頻出フレーズで文脈別に掲載 | 最重要の意味から覚える方針 |
| レイアウト | 情報量が多い、カラーで解説 | シンプル、フレーズが目立つ | 非常にシンプル、1ページの情報量が少ない |
| おすすめの学習者 | 丸暗記が苦手、探求心がある人 | 実践的・効率的に覚えたい人 | テンポ良く、反復練習で覚えたい人 |
【塾講師のコメント】
偏差値50台の受験生にとって、この3冊はどれも良い選択肢です。その上で、「なぜ?」を考えながら勉強するのが好きなタイプなら『Stock4500』、単語と使い方のセットで効率よく覚えたいなら『システム英単語』、とにかくシンプルに、高速で周回して基礎を固めたいなら『ターゲット1900』が向いているでしょう。自分の性格に合ったものを選ぶのが継続のコツです。
本書は、中学レベル〜高校基礎レベルの英単語(約1000〜1500語)はある程度身についていることが前提となっています。もし、中学英単語に不安がある場合は、姉妹編の『Stock3000』や、より基礎的な単語帳から始めることを強く推奨します。いきなり本書から入ると、知らない単語が多すぎて挫折してしまう可能性があります。
“「記憶ブースター」が読み物として面白くて、勉強が苦にならない。語源を知ると本当に忘れにくくなるのを実感した。”
“多義語のページが神。コアイメージを掴むという考え方が、長文読解で知らない意味が出てきても推測するのに役立った。”
“情報量が多いので、人によってはゴチャゴチャして見えるかも。シンプルなレイアウトが好きな人には合わないかもしれない。”
“基礎単語は載っていないので、英語が本当に苦手な状態で始めると大変。自分は『Stock3000』からやって正解だった。”
この一冊だけで早慶レベルまで対応できますか?
GMARCHや関関同立レベルまでは十分対応可能です。早慶レベルを目指す場合、本書を完璧にした上で、さらに上級者向けの単語帳(『鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁』など)や、過去問で出会った未知の単語を追加で覚えていく必要があります。
1周終えるのに、どれくらいの期間がかかりますか?
学習ペースによりますが、1日100語のペースで進めれば、約1ヶ月半で見出し語を1周できます。重要なのは1周で終わりにせず、何度も高速で反復することです。最初の1周は意味が覚えられなくても当然と考え、まずは全体像を掴むことを目標にしましょう。
『Stock4500』は、単なる暗記作業に終始しない、理解を伴った語彙力増強を目指す画期的な単語帳です。特に、英語の偏差値が50台で、「なぜ?」と考えながら学習を進めたい知的好奇心のある受験生にとっては、これ以上ない単語帳となるでしょう。
長文読解の壁にぶつかっている人、多義語に悩まされている人は、本書の「中核イメージ」や「記憶ブースター」が突破口になる可能性を秘めています。あなたの受験勉強に、「納得感」という強力な武器を加えてみてはいかがでしょうか。