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大学受験の英語学習において、文法書の選定は合否を左右する重要な要素です。今回は、数ある英文法書の中でも特に評価の高い『ロイヤル英文法』について、その中身を徹底的に分析します。この記事が、あなたの参考書選びの一助となれば幸いです。
慶應義塾大学経済学部経済学科３年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生～大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています！
『ロイヤル英文法』は、旺文社から出版されている網羅系の英文法参考書です。その圧倒的な情報量と解説の詳しさから「英文法のバイブル」とも称され、難関大学を目指す受験生から英語を専門とする大学生、社会人、さらには英語指導者まで、幅広い層から絶大な信頼を得ています。単なる暗記に留まらない、英文法の「なぜ」を深く理解するために作られた一冊です。
| 書名 | 改訂新版 ロイヤル英文法 ―徹底例解 |
| 著者 | 綿貫 陽, 宮川 幸久, 高松 尚弘, 須貝猛敏 |
| 対象レベル | 高校基礎 〜 超難関大学・社会人レベル |
| 値段 | 1,980円（税込） ※2025年10月時点 |
| 公式リンク | [公式サイトへ] |
本書の最大の特徴は、英文法を体系的に、かつ深く掘り下げて解説している点にあります。全27章で構成され、品詞から構文、談話に至るまで、英文法の全範囲を網羅しています。各項目では、基本ルールの説明に加えて、そのルールが生まれた背景やネイティブの感覚、さらには例外的な用法まで詳述されています。例文も豊富で、古典的な文学作品から現代の用例まで幅広く収録されており、生きた英語の中で文法を理解することができます。
【塾講師のコメント】
この本の構成は、学習者が「なぜそうなるのか？」という疑問を持ったときに、その答えが必ず見つかるように設計されています。他の参考書では「これはルールだから覚えよう」で終わってしまうような項目も、本書は語源や歴史的背景にまで踏み込んで解説してくれます。この「納得感」が、忘れにくく応用力の高い知識に繋がるのです。
『ロイヤル英文法』を使いこなすことで、表層的ではない、英文法の「本質」を理解することができます。これにより、難解な英文構造を正確に読解する力や、ニュアンスまで考慮した精度の高い英作文を書く力が身につきます。
特におすすめなのは、以下のような受験生です。
・最難関大学（旧帝大、早慶上智、医学部など）を目指す受験生
・文法問題で満点を目指したい、盤石な知識を身につけたい受験生
・将来、英語を専門的に学びたいと考えている高校生
・知的好奇心が旺盛で、物事を根本から理解したいタイプの学習者
本書はその情報量から、1ページ目から順番に読んでいく「通読」には向いていません。最も効果的な使い方は「辞書引き」です。普段使っている問題集や別の参考書で分からない文法事項や、曖昧な知識が出てきた際に、本書の該当箇所を読んで理解を深めるという使い方です。目次や索引が非常に充実しているため、目的の項目を素早く見つけることができます。
【塾講師のコメント】
私が指導する生徒には、「問題演習用の参考書」とセットで『ロイヤル英文法』を机に置くことを推奨しています。問題演習で間違えた箇所を、本書で徹底的に調べる。そして、調べたページに付箋を貼り、自分だけの「弱点ノート」にしていくのです。この地道な作業が、本番で揺るがない本物の実力を養成します。
『ロイヤル英文法』の最大の強みは、その「信頼性」と「網羅性」にあります。大学受験レベルで問われる英文法で、この本に載っていないことはほぼ無いと言っても過言ではありません。学習中に生じたあらゆる文法的な疑問に対して、最終的な判断を下せる「アンカー」のような存在です。情報が溢れる現代において、この信頼性の高さは学習の効率と精神的な安定に大きく貢献します。
ここでは、同じ網羅系英文法書として人気の高い『総合英語Evergreen』と、伝統的な名著である『英文法解説』と比較分析します。
| 比較項目 | 本書（ロイヤル英文法） | 総合英語Evergreen | 英文法解説 |
|---|---|---|---|
| コンセプト | 英文法の「最高峰」を目指す、究極の参照型文法書 | 「わかる」を「できる」に変える、学習者に寄り添う体系的文法書 | 学術的視点から英文法を論理的に解き明かす、孤高の解説書 |
| 解説の詳しさ | ★★★★★ (圧倒的) | ★★★★☆ (丁寧) | ★★★★★ (学術的) |
| レイアウトの見やすさ | ★★★☆☆ (文字中心) | ★★★★★ (図解・カラー) | ★★☆☆☆ (非常にシンプル) |
| 学習の始めやすさ | ★★☆☆☆ (上級者向け) | ★★★★★ (初学者から) | ★☆☆☆☆ (かなり硬派) |
| おすすめユーザー | 探求心の強い上位層、英語のプロを目指す人 | 幅広い層の高校生、視覚的に理解したい人 | 論理的思考が得意な受験生、文法の理屈を追いたい人 |
本書を効果的に活用するためには、中学レベル〜高校基礎レベルの英文法を一通り終えていることが望ましいです。全くの初学者がこの本から始めると、情報量の多さに圧倒され、挫折してしまう可能性があります。まずは基本的な文法書を一冊仕上げた上で、2冊目の「参照用」として導入するのが最も安全で効果的なルートです。また、本書はあくまでインプット用の参考書であるため、これ一冊で受験対策が完結するわけではありません。必ず問題演習（アウトプット）用の教材と並行して学習を進める必要があります。
“疑問に思ったことは大抵載っている安心感がすごい。受験会場に持っていきたいくらい信頼している一冊です。”
“解説が非常に丁寧で、なぜこの文法が使われるのかという背景までわかるので、記憶に定着しやすい。”
“分厚くて重いので、持ち運びには全く向いていません。完全に自宅での学習用です。”
“文字がぎっしり詰まっていて、人によっては読みにくいと感じるかもしれません。図やイラストはほとんどないです。”
この一冊を完璧にすれば、どんな大学の文法問題も解けるようになりますか？
知識（インプット）としては十分すぎるほどですが、それだけでは問題は解けません。本書で得た知識を使いこなすための問題演習（アウトプット）が不可欠です。文法問題集や長文読解など、実践的な演習と組み合わせることで初めて得点力が身につきます。
『総合英語Evergreen』とどちらを買うか迷っています。
もしあなたが初めて網羅系参考書を手にするのであれば、図解が多くとっつきやすい『Evergreen』から始めることをお勧めします。一方で、すでにある程度の文法知識があり、より深い理解を求めるならば『ロイヤル英文法』が最適です。目的と現在の学力レベルに応じて選ぶのが良いでしょう。両方を持ち、普段は『Evergreen』、より深く知りたくなったら『ロイヤル英文法』で調べるという使い方も非常に強力です。
『ロイヤル英文法』は、単なる受験対策用の参考書ではなく、英語という言語の構造を本質から理解するための「事典」です。その圧倒的な情報量と信頼性は、あなたの英語学習における最高の羅針盤となるでしょう。
【こんな受験生に強くおすすめします】
✓ 英語を得点源にしたい、最難関大学の志望者
✓ 曖昧な知識をなくし、文法に絶対的な自信を持ちたい学習者
✓ 受験後も長く使える、一生モノの文法書を求めている人
この一冊を使いこなすことができれば、大学受験はもちろん、その先の英語学習においても揺るぎない土台を築くことができます。あなたの挑戦を心から応援しています。
