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今回は、多くの受験生から支持を集める『関正生の英語リスニング プラチナルール』について、その実力を徹底的に深掘り分析します。「なんとなく聞いている」状態から脱却し、戦略的にリスニングを得点源にしたいと考えている高校生の皆さん、必見です。

慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
『関正生の英語リスニング プラチナルール』は、スタディサプリの人気講師である関正生先生が執筆した、大学受験リスニング対策の参考書です。多くのリスニング教材が問題演習を中心に構成されているのに対し、本書は「どうすれば英語が聞き取れるようになるのか」という根本的な「ルール」に焦点を当てているのが最大の特徴です。音声変化の法則や、設問の先読みテクニックなど、科学的なアプローチでリスニング力を向上させることを目的としています。
【塾講師のコメント】
リスニングの勉強というと、ひたすら多くの英語を聞く「耳ならし」をイメージする生徒さんが多いですが、それではスコアは安定しません。本書は、英語の音の仕組みや問題の解き方を「ルール」として言語化してくれるので、「なぜ聞き取れなかったのか」が明確になります。センスや慣れに頼らない、再現性の高い学習ができるのが素晴らしい点ですね。
| 書名 | 関正生の英語リスニング プラチナルール |
| 著者 | 関 正生 |
| 出版社 | KADOKAWA |
| 対象レベル | 高校基礎〜共通テスト・中堅私大レベル |
| 値段 | 1,650円(税込) ※2025年10月時点 |
| 公式リンク | KADOKAWAの公式サイト |
本書は大きく分けて「聞き取りのルール」と「解き方のルール」の2部構成になっています。
Part 1:プラチナルール【聞き取り編】
「リエゾン(連結)」「リダクション(脱落)」といった、日本人が苦手とする音声変化のルールを体系的に解説しています。ネイティブが話す自然な英語が、なぜ学校で習う発音と違って聞こえるのか、そのメカニズムを豊富な例とともに学ぶことができます。
Part 2:プラチナルール【解き方編】
共通テストをはじめとするリスニング問題で、いかに効率よく正解を導き出すかに焦点を当てています。「設問の先読み」の具体的な方法や、消去法をうまく使うコツなど、より実戦的なテクニックが紹介されています。
各ルールには練習問題が付いており、学んだ知識をすぐにアウトプットできる構成になっています。
本書の対象レベルは、高校基礎レベルから共通テスト、そして日東駒専・産近甲龍レベルまでをカバーしています。リスニングの学習をこれから本格的に始めたい高校生や、共通テストで6〜7割程度は取れるものの、そこから伸び悩んでいる受験生に最適です。ただし、基本的な英単語や英文法の知識が不足していると、ルールの説明を理解するのが難しい場合があるため、注意が必要です。
この参考書をやり込むことで、以下のような学力が身につきます。
・得られる学力
– 音声変化のルールを理解し、自然なスピードの英語が聞き取れる力
– 設問から解答のポイントを予測し、戦略的に音声を聞く力
– リスニング問題における時間管理能力と正答率の安定
・おすすめな人
– リスニングの勉強法がわからず、何から手をつければいいか悩んでいる人
– たくさん聞いているのに、一向にリスニングの成績が上がらない人
– 共通テストのリスニングで、安定して高得点を取りたい人
– センスではなく、論理的な解法を身につけたい人
本書の効果を最大化するためには、以下のステップで学習を進めることを推奨します。
Step 1:ルールの熟読と理解
まずは解説をじっくり読み、各ルールを頭でしっかり理解します。なぜそうなるのか、という理屈を掴むことが重要です。
Step 2:音声を聞きながらルールを確認
付属の音声を聞き、解説されていた音声変化が実際に起きていることを自分の耳で確認します。テキストの英文と音声を照らし合わせましょう。
Step 3:オーバーラッピングとシャドーイング
スクリプトを見ながら音声と同時に発音する「オーバーラッピング」や、少し遅れて影(シャドー)のように追いかけて発音する「シャドーイング」を繰り返します。これにより、聞き取った音を正しく処理する能力が向上します。
Step 4:問題演習
ルールを意識しながら、練習問題を解きます。間違えた問題は、なぜ間違えたのかをルールに立ち返って分析することが不可欠です。
【塾講師のコメント】
特にシャドーイングは効果絶大です。自分で正しく発音できない音は、聞き取ることも難しいからです。最初はうまくできなくても、毎日少しずつ続けることで、リスニング力は飛躍的に向上します。本書のルールを意識しながら取り組むことで、その効果はさらに高まりますよ。
本書の最大の強みは、「リスニングの『なぜ?』を解決してくれること」に尽きます。多くの教材が問題演習とその解説に終始する中、本書は「聞き取り」と「解き方」の両面から、受験生が抱く根本的な疑問に答える「方法論」を提示しています。この明確な「ルール」の存在が、学習者に迷いを与えず、着実にステップアップさせてくれる点で、他の参考書と一線を画しています。
ここでは、本書と同じく共通テストレベルを対象とする代表的なリスニング参考書と比較してみましょう。今回は、演習量で定評のある『全レベル問題集』と、共通テスト対策に特化した『集中講義』を選びました。
| 比較項目 | 本書 | 全レベル問題集 英語リスニング 2 | 共通テスト 英語リスニング 集中講義 |
|---|---|---|---|
| コンセプト | 聞き方・解き方の「ルール」習得 | レベル別の多読・多聴による演習 | 共通テスト形式に特化した短期集中演習 |
| 解説の詳しさ | ◎ (音声変化の法則から解説) | ○ (問題ごとの解説が中心) | ○ (解法のテクニックが中心) |
| 問題量 | △ (ルール確認が主目的) | ◎ (豊富な演習量) | ○ (模試形式で実践的) |
| おすすめな使い方 | リスニング学習の1冊目。まずこれを固める。 | 本書の後に、演習量を確保するために使用。 | 共通テスト直前期の対策として使用。 |
本書に取り組む上で、いくつか注意すべき点があります。
・基礎的な語彙・文法力は必須
本書はあくまで「聞き方」「解き方」の参考書です。そもそも英文の意味が理解できなければ、聞き取れても意味がありません。高校レベルの基本的な英単語帳(『システム英単語』や『ターゲット1900』の序盤など)や、英文法を一通り終えていることが望ましいです。
・演習量は別途確保する必要がある
本書に掲載されている問題は、あくまでルールを理解・定着させるためのものです。実践的な問題演習の量は十分とは言えません。本書を終えた後は、先ほどの比較表で挙げたような問題集や、共通テストの過去問などで演習を積む必要があります。
実際に本書を使用した受験生からは、様々な声が寄せられています。
「今までごちゃごちゃに聞こえていた英語が、ルールを学んだことでクリアに聞こえるようになりました。特にリエゾンの解説が目からウロコでした。」
「設問の先読みで、何を聞き取るべきかポイントを絞れるようになった結果、共通テストの点数が20点以上アップしました。本当に感謝しています。」
「ルールをインプットするのがメインなので、これだけだと問題演習が足りないと感じました。別の問題集と併用するのが前提だと思います。」
「音声のスピードが自分には少し速く感じました。ある程度リスニングに慣れていないと、ついていくのが大変かもしれません。」
『関正生の英語リスニング プラチナルール』は、単なる問題集ではなく、リスニングという技能を根本から理解し、科学的に攻略するための「指南書」です。感覚に頼った学習から脱却し、論理的なアプローチで安定した得点力を身につけたいと考えるすべての高校生にとって、強力な味方となる一冊です。
【この一冊が特におすすめの受験生】
– リスニング学習の「正しいやり方」を知りたい高校1〜3年生
– 共通テストでリスニングのスコアを安定させ、8割以上を目指したい受験生
– 英語は読めるのに、聞くのが極端に苦手だと感じている受験生
【塾講師のコメント】
リスニングは、正しい方法でトレーニングすれば、誰でも必ず得意にできる分野です。この参考書はその「正しい方法」を指し示してくれます。ぜひ本書を羅針盤として、リスニングを得点源に変えていってください。応援しています!