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高校3年生にとって10月は、受験勉強の分水嶺です。
基礎固めを終え、いよいよ実戦的な演習へと移行する「戦略的な転換期」。ここでの学び方が、冬以降の伸びを大きく左右します。
多くの受験生がこの時期に伸び悩むのは、基礎から実戦への移行が中途半端になるからです。
基礎が不十分なまま過去問演習に突入すれば、問題の難易度に圧倒されて効果が半減します。逆に、基礎固めに固執しすぎると、本番の形式や時間配分に慣れるタイミングを逃してしまう。
したがって10月は、「基礎の最終確認」と「応用力強化」を同時進行させることが重要です。
この月をどう過ごすかで、12月以降の“伸びしろ”が決まります。
10月の学習方針は、共通テスト対策と二次試験(個別試験)対策を「別々に行う」のではなく、互いを補完し合う形で“同期”させることが鍵です。
この時期の戦略的フォーカスは、次の3点に整理できます。
共通テスト対策では、苦手科目の立て直しを最優先に。
基礎が不安定なまま応用問題に挑んでも非効率です。英語・国語のように短期間で伸びにくい科目は、毎日触れる習慣を確立して、読解力・語彙力を維持しましょう。
10月は、大学ごとの出題傾向を意識し始める時期です。
理系なら数学IIIや理科の応用・論述問題、文系なら記述型の論理的思考を鍛える演習を優先的に行いましょう。過去問の初挑戦もここからが理想です。
模試結果をもとに現状を分析し、12月以降の「直前期」へ向けて無理のない計画を再構築します。
10〜11月で基礎と応用の融合を仕上げ、12月以降は実戦力とスピード調整に専念できるよう、今のうちにスケジュールを明確化しておくことが大切です。
過去問演習の目的は「点を取る練習」ではありません。
本番環境をシミュレーションし、時間・緊張・出題形式の中で自分の知識をどう引き出すかを確認する“実戦訓練”です。
志望校の過去問は、10月中旬〜下旬には本格的にスタートしましょう。
制限時間を測って解くことで、各大学の出題傾向や解答スピードの感覚を掴めます。
目標得点は、合格ボーダーより少し上7〜8割を目安に設定すると安心です。
また、第一志望だけでなく併願校の形式も10月中に確認しておきましょう。
形式の違いを早期に把握することで、直前期の無駄な焦りを防げます。
過去問で最も重要なのは“復習”です。解いた後の時間こそが成績を左右します。
ステップ① 戦略設計(予習)
解く前に、出題傾向・制限時間・配点を把握し、「どこで点を取るか」を明確にします。目的を持った演習こそが効果を生みます。
ステップ② 本番演習(実戦)
制限時間を厳守し、辞書や解説を見ずに本番さながらの環境で挑戦します。集中力・時間感覚の訓練にもなります。
ステップ③ 復習(分析)
採点後、間違えた理由を「知識不足」「理解不足」「時間不足」「ケアレスミス」などに分類。原因を明確化して、学習計画へ反映させます。
このとき、新しい教材に手を出すよりも、既存の参考書を徹底的に復習するほうが短期間で成果を出せます。
読解力や語彙力は、一朝一夕で伸びるものではありません。
毎日一定時間を確保し、英文読解・現代文読解・古文単語・漢文句法など、基礎を継続的に鍛え続けましょう。
特に英語長文は、内容を日本語で要約する練習を取り入れると効果的です。
まずは模試の復習で基礎の穴を徹底的に確認。その上で、数学IIIなど応用範囲の演習に移行します。
難問ばかりに偏らず、「標準問題を確実に落とさない力」を意識的に磨くことが重要です。
10月は「暗記から活用」へシフトする時期です。
単なる知識の詰め込みではなく、実際にどのように問われるかを過去問や実践問題で確認し、知識の使い方を体に染み込ませましょう。
二次試験で比重が高い科目(物理・化学・日本史など)は優先的に強化を。
勉強量と同じくらい重要なのが、体調とメンタルの安定です。
10月は季節の変わり目で体調を崩しやすく、また過去問中心の孤独な勉強でストレスも増します。ここでは、学習効率を維持するための「健康戦略」を紹介します。
睡眠不足は集中力の低下、記憶定着の阻害、免疫力の低下を招きます。
毎日決まった時間に寝起きし、睡眠の質を確保することが最優先です。
午後以降のカフェインは控え、就寝前はスマホを見ずに軽いストレッチや読書で脳をリセットしましょう。
ビタミンB群:脳のエネルギー源。肉・卵・魚・玄米などをバランスよく摂取。
鉄分:不足すると集中力が低下。赤身肉や海藻類で補給。
ビタミンC:ストレスに強くなる栄養素。果物やブロッコリーを意識して摂取。
また、秋は乾燥が進む時期です。常温の水や麦茶をこまめに飲み、脱水と集中力低下を防ぎましょう。
10月以降は自宅学習中心となり、孤独感や焦りが生まれやすくなります。
効果的なリフレッシュ法としては、15〜30分程度のウォーキングが最適です。自然の中を歩く“グリーンエクササイズ”は、セロトニン分泌を促し、ストレスを短時間で和らげます。
また、「自分は努力できている」と声に出して肯定するポジティブ自己対話も有効です。
家族や友人と会話をしたり、オンライン勉強会で仲間と励まし合うことも、心を支える力になります。
高校3年生の10月は、基礎から実戦へとシフトする「戦略の転換点」です。
この時期にやるべきことは、
学習戦略の最終調整
過去問を軸にした自己分析
安定した体調・メンタル管理
という三本柱の確立に尽きます。
過去問を“点取り練習”ではなく“成長のツール”として扱い、体調管理を“勉強戦略の一部”として組み込むことで、冬以降に真の実力が花開きます。
焦らず、しかし確実に、自分のペースで積み重ねていきましょう。

多くの受験生がつまずくのは、「何をすべきかは分かっているのに、計画を継続できない」という点です。
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生徒1人につき担当コーチと担任が1名ずつつき、週間計画を明確化。
「今日何をすればいいか」が一目で分かる学習プランを作成し、毎日の進捗を丁寧に管理します。
学習の方向性を迷うことなく、受験まで最短距離で走り抜けられる環境がここにあります。