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2025年10月24日 一般-参考書

数学基礎問題精講のレベルは?いつまでに終わらせる?おすすめの使い方を解説

 

数学基礎問題精講のレベルは?いつまでに終わらせる?おすすめの使い方を解説

「数学の参考書が多すぎて選べない」「チャート式で挫折してしまった」「効率よく入試の基礎を固めたい」…。そんな悩める大学受験生に向けて、今回は多くの合格者に愛用されてきた『数学 基礎問題精講』(通称:基礎問)シリーズを徹底的に深掘り分析します。

この記事では、基礎問のレベル感、効果的な使い方、そして「黄チャート」などのライバル書との違いを、データと指導経験に基づいて解説します。

 

古文単語315

この記事を監修した人

慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!

『基礎問題精講』シリーズ(数学)の概要

基本情報

まずは『基礎問題精講』シリーズの基本的な情報を確認しましょう。(※五訂版の情報を記載しています)

書名 『数学I・A 基礎問題精講 五訂版』
『数学II・B+ベクトル 基礎問題精講 六訂版』
『数学III・C 基礎問題精講 六訂版』
著者 上園 信武
出版社 旺文社
対象レベル 教科書修了レベル ~ 入試基礎・標準レベル
値段 各1,320~1,650円(税込) ※執筆時点
公式リンク 旺文社 基礎問題精講 シリーズ 公式サイト

『基礎問題精講』の問題数と特徴

基礎問の最大の特徴は、そのシンプルな構成と厳選された問題数にあります。

構成(見開き完結型):

1. 問題(例題): 入試で頻出の典型問題。
2. 精講: その問題を解くための「考え方」「解法のカギ」となる重要事項。
3. 解答: 丁寧な解答プロセス。
4. ポイント: 解答のまとめや、覚えるべき公式。
5. 演習問題: 例題で学んだことを確認するための類題。

問題数は、I・A(146問)、II・B(172問)、III・C(135問)と、3冊合計でも約450問(例題のみ)に絞り込まれています。これは、一般的な網羅系参考書(チャート式など)の例題数と比較して、半分かそれ以下です。

【塾講師のコメント】

この「精講」こそが本書の特徴です。多くの受験生は、問題を見てすぐに解こうとしますが、基礎問は「まず精講を読んで、解法の武器を確認してから問題に挑む」という使い方を推奨しています。これにより、数学が苦手な人でも「何を考えれば解けるのか」という指針を持って取り組むことができます。

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『基礎問題精講』(数学)のレベル感と難易度

『基礎問題精講』という名前から「教科書レベル」と誤解されがちですが、実際のレベルはそれより一段階上です。

レベル:教科書レベル修了 ~ 入試基礎・標準
具体的には、学校の教科書に載っている章末問題レベルから、大学入試における「これは解けないとマズイ」とされる典型問題をカバーしています。

偏差値帯の目安:
偏差値45~55の受験生が、偏差値60の土台を作るために最適です。

志望校レベルの目安:

・日東駒専・産近甲龍レベル(本書を完璧にすれば十分戦える)
・GMARCH・関関同立・地方国公立レベル(本書は必須の土台。この後に標準レベルの問題集や過去問演習が必要)

『基礎問題精講』(数学)で得られる学力とおすすめな人

得られる学力

基礎問を(演習問題も含めて)完璧に仕上げることで、「大学入試で出題される数学の典型問題の解法パターン」を、ほぼ網羅的にインプットできます。共通テストレベルから、私立大学の標準的な入試問題、国公立大学の二次試験の(比較的易しめな)大問に対応できる「数学的体力」が身につきます。

こんな受験生におすすめ!

1. 時間がない現役生・部活生:
分厚い網羅系参考書をやる時間がない人にとって、最小限の問題数で基礎を固められる本書は最適です。

2. 網羅系参考書で挫折した人:
「チャート式を買ったけど、厚すぎて終わらなかった…」という経験がある人に、”やり遂げる”成功体験を与えてくれます。

3. 数学が苦手で、何から手をつければいいか分からない人:
「これだけやればいい」という明確なゴールが見えるため、数学アレルギーの人でも取り組みやすいです。

『基礎問題精講』はいつから?どのくらいのペースで解く?

基礎問で失敗する人の多くは「ペース」と「使い方」を間違えています。ペルソナ(悩める受験生)に合わせた具体的な進め方を提案します。

ステップ1:まず「例題」だけを完璧にする

演習問題には手を出さず、まずは例題(「問題」)だけを進めます。

1. 「精講」を熟読する: まず解法の武器をインプットします。
2. 「問題」を解く: 5分考えて分からなければ、すぐに「解答」を見ます。
3. 「解答」を理解する: なぜ「精講」の考え方で解けるのか、プロセスを理解します。
4. 解答を再現する: 何も見ずに、自力で解答を書き上げられるか試します。

ステップ2:具体的な学習ペース

ペルソナの「どのペースで進めればよいか困っている」という悩みに答えます。

推奨ペース:1日10問(例題のみ)
このペースなら、『I・A』(146問)は約15日、『II・B』(172問)は約18日で1周目が終わります。

受験学年(文系)の場合: 夏休み前までにI・A、II・Bの例題を2周(完璧に)する。
受験学年(理系)の場合: 夏休み前までにI・A、II・Bを、夏休み中にIII・Cの例題を2周する。

大切なのは「1周の速さ」ではなく、「完璧に解ける問題の数」です。2周目、3周目は解けなかった問題だけを潰していきましょう。

ステップ3:「演習問題」で定着度チェック

例題が9割以上スラスラ解けるようになったら、初めて「演習問題」に挑戦します。これは「例題の解法が本当に身についているか」を確認するテストです。解けなければ、該当する例題に戻ってください。

【塾講師のコメント】

多くの受験生が「1周したのに成績が上がらない」と嘆きますが、それは「解答を理解しただけ」で「自力で解ける」ようになっていないからです。基礎問の真価は「反復」にあります。薄いからこそ、5周でも10周でも反復しやすい。ボロボロになるまで使い倒す覚悟で臨んでください。

『基礎問題精講』(数学)の他の参考書と比べた強み

基礎問が他の参考書と一線を画す強みは、以下の2点に集約されます。

 圧倒的な「薄さ」による継続のしやすさ
最大の強みは、そのコンパクトさです。分厚い参考書が持つ「威圧感」がなく、「これなら終わらせられそうだ」という心理的ハードルの低さが、挫折を防ぎます。

「精講」による解法アプローチの明確化
問題を解く「前」に読むべき「精講」が、解法の羅針盤となります。これにより、初見の問題に対しても「あの精講のパターンが使えないか?」と考えるクセがつき、応用力が養われます。

基礎問題精講と黄チャート・初めから始める数学を徹底比較

ここでは、基礎問とよく比較される2冊のライバル参考書と、どの受験生がどれを選ぶべきかを明確にします。

比較項目 基礎問題精講 黄チャート 初めから始める数学
コンセプト 厳選・反復 (入試の核を最速で) 網羅・辞書 (基礎を幅広く) 講義・理解 (超基礎から丁寧に)
問題数 (例題) (I・A+II・Bで約320問) (I・A+II・Bで約600問) 中 (講義がメイン)
解説の詳しさ 簡潔 (要点がまとまっている) 丁寧 (網羅系の中では標準) 非常に丁寧 (語り口調)
到達レベル 入試基礎・標準 入試基礎・標準 教科書レベル~入試基礎
推奨ペルソナ 効率重視/挫折経験者 時間があり網羅したい人 教科書レベルから不安な人

【塾講師のコメント】

「黄チャートと基礎問、どちらが良いですか?」は本当によくある質問です。私の答えは「あなたの性格と残り時間によります」です。
もしあなたが学校の授業についていけていて、コツコツやるのが得意なら「黄チャート」で網羅性を高めるのが良いでしょう。一方で、もしあなたが「数学が苦手」「教科書を読んでも分からない」と感じるなら、「初めから始める数学」で理解を深めてから「基礎問」に進むのが最強のルートです。そして「時間がない!」「チャートは挫折した!」という人は、迷わず「基礎問」を選んでください。

『基礎問題精講』(数学)の注意点と必要な前提知識

必要な前提知識

基礎問を始めるには、「教科書レベルの公式や定義(例:二次関数とは何か、三角関数の定義とは何か)を一応は知っている」状態が望ましいです。学校の授業を全く聞いていなかったり、教科書レベルでつまずいている場合は、前述の『初めから始める数学』シリーズなど、より簡単な講義系参考書から始めることを推奨します。

『基礎問題精講』の注意点

1. 解説が「コンパクトすぎる」と感じる場合がある
問題数が厳選されている反面、解説はややコンパクトです。「なぜ、その式変形になるのか」といった細かい計算過程が省略されていることもあります。理解できない部分は、教科書や学校の先生、塾講師に必ず質問してください。

2. 網羅性への不安
「こんなに少なくて大丈夫か?」と不安になる受験生がいますが、心配無用です。入試の合否を分けるのは、奇問・難問ではなく、基礎問に載っているような「誰もが解けてくる典型問題」を確実に正解することです。まずはこの一冊を完璧にすることを信じてください。

3. これだけで最難関大学は厳しい
基礎問はあくまで「基礎」です。東大・京大・医学部や、早慶の上位学部を目指す場合、基礎問を終えた後に『標準問題精講』や『1対1対応の演習』など、よりハイレベルな問題集に進む必要があります。

『基礎問題精講』を使っている人の声

“高3の夏まで部活で、数学は絶望的でした。チャートは無理だと判断し、基礎問I・A・II・Bを2ヶ月で3周しました。結果、GMARCHレベルの数学で足を引っ張らなくなりました。薄いからやり切れた!”

“理系です。青チャートで挫折しましたが、基礎問(I~III)に切り替えてから、「精講」を読むことで解法が頭にスッキリ入ってくるようになりました。これを完璧にしてから過去問に入ったら、地方国公立の二次試験でも半分以上解けるように。”

“解説がシンプルすぎて、数学が本当に苦手な自分には厳しかった。特にII・Bの式と証明あたりは、なぜそうなるのか分からず、結局『初めから始める数学』に戻りました。”

“問題数が少ないのは良いが、やはり網羅性に不安が残る。共通テストでは見たことのないタイプの問題が出ると対応できないかも。”

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よくある質問(Q&A)

Q.

『基礎問題精講』と『標準問題精講』はどのくらいレベルが違いますか?

A.

全くの別物と考えた方が良いです。『基礎問題精講』が入試基礎~標準(GMARCHレベルの土台)であるのに対し、『標準問題精講』は入試標準~応用(GMARCH・関関同立の合否を分けるレベル~早慶・旧帝大レベル)です。間に大きなレベルギャップがあるため、基礎問の次が標問だと難しいと感じる人が多いです。その場合は、間に『文系の数学 重要事項完全習得編』などを挟むとスムーズに移行できます。

Q.

本当にこのペース(1日10問)で間に合いますか?

A.

ペース自体はあくまで目安です。大切なのは「今日やった10問は、明日テストされても満点が取れる」状態にすることです。1周目は時間がかかっても構いません。2周目、3周目と反復するうちに、1日の復習スピードは劇的に上がります。I・AとII・Bの例題(約320問)を完璧に解けるようになれば、共通テストレベルの模試では確実に結果が出始めます。

まとめとおすすめする受験生

『数学 基礎問題精講』シリーズは、「入試の土台となる典型解法を、最小限の努力で、最速でマスターする」ために極めて優秀な参考書です。

その薄さゆえに網羅性や解説の詳しさが犠牲になっている面もありますが、それを補って余りある「反復のしやすさ」「継続のしやすさ」が、多くの受験生を逆転合格へと導いてきました。

【こんな受験生におすすめ】

✔ 部活や学校行事で忙しく、効率よく基礎を固めたい現役生
✔ チャート式などの分厚い網羅系参考書で挫折した経験のある人
✔ 数学に苦手意識があり、まずは「1冊を完璧にする」成功体験が欲しい人
✔ 日東駒専~GMARCH、産近甲龍~関関同立レベルの入試基礎力を確実に身につけたい人

どの参考書を使うか迷っている時間は、非常にもったいないです。もしあなたが上記のいずれかに当てはまるなら、今すぐ『基礎問題精講』を手に取り、まずは1日10問から始めてみてください。1ヶ月後、数学に対する景色が変わっているはずです。

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