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こんにちは! 今回の記事では、東進ブックスから出版されている『共通テスト英語リーディング レベル別問題集』(初級・中級・上級)シリーズについて、徹底的に深掘り分析します。
「英語リーディングが苦手だけど、共通テストで高得点を取りたい」そんなあなたに、この参考書が本当に必要なのか、どう使えば効果が出るのかを、客観的なデータと多くの合格者の声をもとに解説していきます。
この記事を監修した人
慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
| 書名 | 共通テスト英語リーディング レベル別問題集 1 初級編 共通テスト英語リーディング レベル別問題集 2 中級編 共通テスト英語リーディング レベル別問題集 3 上級編 |
| 著者 | 安河内 哲也, 大岩 秀樹 |
| 対象レベル | 初級編:共通テスト5割目標 中級編:共通テスト7割目標 上級編:共通テスト8割〜満点目標 |
| 値段 | 990円~1,100円(税込) (2025年11月時点) |
| 公式リンク | 東進Web書店 |
このシリーズの最大の強みは、その名の通り「レベル別」にスモールステップで共通テスト対策を進められる点です。
1. 圧倒的なスモールステップ設計
初級編、中級編、上級編と明確にレベルが分かれています。英語が苦手な受験生が、いきなり過去問や実戦模試集に取り組んで挫折するのを防ぎます。「初級編ならなんとか解ける」という成功体験を積みながら、徐々に難易度を上げていけるため、モチベーションを維持しやすいのが特徴です。
2. 共通テストの「形式」への特化
共通テストのリーディングは、単に英文が読めるだけでなく、膨大な量の英文から素早く情報を処理する「情報処理能力」が問われます。この問題集は、グラフの読み取り、複数テキストの比較、広告の読解など、共通テスト特有の問題形式に特化して構成されています。
3. 丁寧すぎるほどの解説
東進の有名講師陣による著書だけあり、解説が非常に手厚いです。特に「なぜその選択肢が正解で、他が不正解なのか」という根拠が明確に示されています。また、本文の全訳だけでなく、一文一文の構文解説(SVOC)が丁寧に記載されているため、自学自習でも復習しやすい設計になっています。
多くの強みがある一方、使い方を間違えると効果が出にくい弱点も存在します。
1. 基礎力(単語・文法)は身につかない
これは「演習書」です。したがって、英文を読むための土台となる英単語や英文法、英文解釈の基礎が固まっていない人が使っても、効果は半減します。解説を読んでも「そもそも単語の意味が分からない」「なぜそのSVOCになるのか理解できない」という状態では、先に進めません。
2. 上級編までやっても「演習量」は不足気味
共通テストで9割以上の高得点や満点を狙う場合、このシリーズ3冊だけでは、絶対的な演習量は不足します。あくまで「形式に慣れ、解き方を学ぶ」ための教材であり、最終的には過去問や他の実戦問題集で、さらに多くの演習を積む必要があります。
3. 合わない人
・中学レベルの英単語や文法も怪しい人(まずは基礎固めを優先すべき)
・既に模試で8割以上安定して取れており、演習量だけを稼ぎたい人(実戦問題集の方が効率的)
「基礎が不安…」一人でやりきれるか不安な方へ
「そもそも自分の今のレベルで、この参考書を使っていいか分からない…」
「単語や文法の基礎が抜けている気がする…」
そんな不安を抱えたまま演習しても、成績は上がりません。 私たちプロのコーチが、あなたの現状をヒアリングし、何から始めるべきか明確にします。
このシリーズは、各レベル(初級・中級・上級)ともに「全12回」の演習問題で構成されています。 各回は、共通テストの大問(A問題またはB問題)を模した形式になっており、実際の試験よりもやや短め(あるいは易しめ)の問題からスタートし、徐々に本番のレベル・分量に近づいていく設計です。
構成(各回):
1. 問題: 共通テスト形式のオリジナル問題。
2. 解答・解説: 非常に詳しい解説。正解の根拠、不正解の理由が明確。
3. 重要語句リスト: 問題文中の重要単語や熟語がまとめられています。
4. 構文解説: 読むのが難しいと感じる文を中心に、SVOCを振った構文解説が掲載されています。
問題数は各冊12回分と、演習書としては標準的ですが、一題一題の解説が手厚いため、1冊を完璧に仕上げるには相応の時間がかかります。
初級編 (1):
共通テスト5割(40〜50点)目標レベル。 英語が苦手な人が、まず共通テストの「形」に触れるのに最適です。高校基礎レベルの単語・文法を終えた人が取り組むべきレベルです。
中級編 (2):
共通テスト7割(60〜70点)目標レベル。 ここがボリュームゾーンです。多くの受験生が、このレベルの問題を安定して解けるようになることを目指します。日東駒専・産近甲龍レベルの読解問題にも対応できる力がつき始めます。
上級編 (3):
共通テスト8割以上〜満点目標レベル。 かなり難易度の高い問題も含まれます。GMARCH・関関同立、そして国公立大学を目指す受験生が、高得点勝負で勝ち切るための演習書です。
このシリーズを(特に上級編まで)通して得られるのは、「共通テスト形式のリーディング問題の解き方を習得し、時間内に情報を処理する力」です。
おすすめする人:
・まさに「英語リーディングが苦手だが、共通テストで高得点を目指したい」受験生!
・単語や文法の基礎は一通り終えたが、長文演習にどう入っていいか分からない人。
・いきなり過去問を解いて挫折した経験がある人。
・独学で進めるため、解説が詳しい参考書を求めている人。
志望校のレベルと、現在の学力によって理想的なペースは異なります。
国公立・私大共テ利用(8割以上目標)の受験生:
英語が苦手な場合、他の科目の兼ね合いもありますが、遅くとも高校3年生の夏休み明け(9月)までには中級編までを終わらせたいところです。 そして、秋(10月〜11月)で上級編と過去問演習を並行して進め、12月以降は実戦問題集で最終調整、というのが理想的な流れです。
高2生の場合:
高2の冬(1月)までに基礎を固め、高2の3月までに初級編、高3の夏休み前までに中級編を終わらせられると、非常に余裕を持った受験勉強が可能になります。
必要な前提知識:
・英単語: 『システム英単語Basic』『ターゲット1400』レベルの単語帳を1冊、最低でも8割以上は覚えている状態。
・英文法: 『大岩のいちばんはじめの英文法』『高校英文法をひとつひとつわかりやすく。』など、基礎的な文法講義系の参考書を1周し、基本的な文法事項(5文型、時制、不定詞、分詞など)が理解できている状態。
使用上の注意点:
・絶対に時間を計って解く: 共通テストは時間との戦いです。演習時から「制限時間」を意識して解く癖をつけましょう。
・復習を徹底する: 解きっぱなしが一番危険です。なぜ間違えたのか、正解の根拠は本文のどこにあったのかを、解説を熟読して完璧に理解してください。
・音読を取り入れる: 復習の際、構文が理解できた英文を何度も音読すること(またはシャドーイング)は、速読力とリスニング力の両方に絶大な効果があります。
1. 前提知識の確認: 上記の「必要な前提知識」が不足している場合は、迷わず基礎固めに戻ってください。
2. 時間を計って解く: まずは制限時間(各回に目安時間が設定されています)を意識して、自力で解き切ります。
3. 丸付けと分析: 解き終わったらすぐに丸付けをします。
4. 徹底的な復習(精読): ここが最重要です。 ・解説を読み、正解・不正解の根拠を明確にします。 ・知らなかった単語、曖昧だった構文を、構文解説ページを見て完璧に理解します。 ・(推奨)和訳を見ずに、もう一度自力で本文を正確に訳せるか確認します。
5. 音読: 完璧に理解できた英文を、CDやダウンロード音声(ある場合)を使ってオーバーラッピングやシャドーイング、最低でも音読を5〜10回行い、英文を「頭から」理解する感覚を養います。
このサイクルで1冊(12回分)を完璧に仕上げてください。
あなた専用の「最強の学習計画(ルート)」を作ります
「使い方は分かったけど、いつから始めて、1日何題やれば間に合うの?」
「この参考書の後は、何の参考書をやればいい?」
志望校と現在の学力によって、最適な計画は一人ひとり異なります。 東大・早慶コーチが、あなただけの合格ルートを一緒に作成します。
他の多くの参考書との最大の違いは、「共通テスト特化」でありながら「レベル別」であることです。 『ポラリス』のような一般的な読解書は、読解の「質」を高めますが、必ずしも共テ特有の「情報処理」に最適化されていません。 一方、『駿台の実戦問題集』のような共テ特化型は、既に仕上がった受験生向けの「実戦演習」であり、苦手な人にはハードルが高すぎます。
この『レベル別問題集』は、その両方の「良いとこ取り」をした、「英語が苦手な人が、共通テストの形式に慣れながらステップアップするための、唯一無二の導入書」であると言えます。
今回は、人気の読解演習書『関正生の英語リーディング ポラリス』と、同じく共テ対策の定番『共通テスト英語リーディング 実戦対策問題集(駿台)』と比較します。
| 比較項目 | 本書(レベル別問題集) | ポラリス(1, 2) | 駿台 実戦対策問題集 |
|---|---|---|---|
| コンセプト | 共テ形式に特化し、レベル別で徐々に慣れる | 良質な長文で「精読」の力を鍛える(2次・私大向け) | 本番形式の「実戦演習」で時間配分と場慣れ |
| 到達レベル(目標偏差値/大学) | 共テ8割〜満点(上級編まで) | GMARCH〜早慶(ポラリス2) | 共テ8割〜満点(本番レベル) |
| 解説の詳しさ(自学自習向きか) | ◎ (非常に詳しい。構文解説も手厚い) | ◎ (非常に詳しい。読解プロセス重視) | ◯ (解答の根拠は明確だが、基礎解説は少なめ) |
| 問題数と網羅性 | 各12題。共テ形式を網羅。 | 各12題。様々なテーマの読解問題。 | オリジナル模試 5回分。演習量は多い。 |
| 前提レベル(いつから使えるか) | 基礎文法・単語終了後(初級編) | 基礎文法・単語終了後(ポラリス1) | 共テ模試で7割程度取れるようになってから |
| 【ペルソナ視点】おすすめ度 | ★★★★★ (5.0) | ★★★☆☆ (3.5) | ★★☆☆☆ (2.0) |
「英語が苦手だが、共通テストで高得点を目指したい受験生」にとって、ファーストチョイスは間違いなく『レベル別問題集』シリーズです。
『ポラリス』は非常に優れた読解書ですが、今回のペルソナが求めている「共テ形式への対応力」を直接鍛えるものではありません。国公立2次や私大で記述や難解な読解が必要な場合、本書と並行して使うのはアリですが、優先順位は本書が上です。
『駿台の実戦対策問題集』は、演習の「仕上げ」に使う教材です。英語が苦手な方がいきなり手を出すと、難しすぎて心が折れてしまいます。『レベル別問題集(初級・中級)』を終え、過去問で6〜7割が見えてきた段階で、次のステップとして導入するのが最適です。
結論として、まずは『レベル別問題集』の初級編、または中級編からスタートし、共テ形式に慣れながら読解力を養い、秋以降に『上級編』や『駿台』で演習量を確保する、というルートが最も堅実かつ効果的でしょう。
P.S. どの参考書を選ぶべきか、または具体的な進め方で迷っている場合は、私たち東大・早慶コーチが個別の学習計画を一緒に作成します。
» まずはLINEで気軽に相談してみる
“高2の冬から英語をやり直そうと思い、初級編から始めました。解説が本当に丁寧で、SVOCも振ってあるので、なぜそう読むのかがよく分かりました。挫折せずに中級編まで進めて、模試の点数が40点台から60点台まで上がりました。”(高3・私大志望)
“上級編はかなり歯ごたえがあった。これを時間内に解けるようになれば、本番でも焦らないと思う。情報処理の練習に最適だった。”(高3・国公立志望)
“初級編でも、単語や文法があやふやだと難しく感じた。結局、中学レベルのドリルに戻ってからやり直したら、スムーズに進められた。”(高3・浪人生)
“3冊全部やりましたが、これだけだと演習量が足りないと感じ、結局Z会の緑のパック(実戦模試)を5冊くらいやりました。導入としては良かったです。”(既卒・共テ利用)
初級・中級・上級、全部やる必要はありますか?
その必要はありません。あなたの現在のレベルに合わせてください。
模試で安定して6割取れるなら、中級編から始めても良いでしょう。逆に、中級編が難しすぎると感じたら、プライドを捨てて初級編に戻る勇気が大切です。最終的に8割以上を目指すなら、上級編まで取り組むことを推奨します。
この参考書と過去問は、どちらを先にやるべきですか?
英語が苦手な受験生は、この参考書(特に初級・中級)を先にやるべきです。
いきなり過去問(本番レベル)を解いても、「難しすぎて解けない」「時間が全く足りない」と自信を失うだけです。まずはこの問題集で「解き方」と「形式」に慣れ、体力をつけてから過去問に挑戦しましょう。
リスニング版の『レベル別問題集』もやった方がいいですか?
はい、共通テストはリーディングとリスニングが1:1の配点(100点・100点)です。リーディングだけ対策しても、合計点は伸びません。
リスニング版も同様にスモールステップで演習できる良書ですので、リーディングと並行して対策を進めることを強く推奨します。
『共通テスト英語リーディング レベル別問題集』シリーズは、「英語が苦手だが、共通テストで高得点を目指したい」という、まさに今回のペルソナのような受験生にとって、最適な「最初の演習書」です。
おすすめする受験生:
・基礎(単語・文法)は終えたが、長文演習で挫折したくない人。
・スモールステップで着実にレベルアップしたい人。
・共通テスト特有の情報処理問題に、早い段階から慣れておきたい人。
この参考書を「解き方」と「精読」の練習台として徹底的に使いこなし、自信を持って過去問や実戦問題集に進みましょう。正しい時期に正しい使い方をすれば、あなたのリーディング力を確実に引き上げてくれるはずです。
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