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『英作文のトレーニング』シリーズは、Z会が出版する本格的な英作文対策のロングセラーです。「はじめる編」「必修編」「実戦編」「自由英作文編」の4冊からなり、学習者のレベルや目的に応じて選択可能です。
特に本シリーズは、「日本語を英語にしやすい日本語に変換する(和文和訳)」という思考プロセスを重視しており、単なる暗記ではない「書くための論理的思考力」を養成することに特化しています。MARCH以上のいわゆる「難関大学」志望者にとって、避けては通れない「減点されない英語」を書くためのバイブル的存在です。
この記事を監修した人
慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
| 書名 | 英作文のトレーニング シリーズ(はじめる編・必修編・実戦編・自由英作文編) |
| 著者 | ユ・ミソン / 中村 正寿 / 礒田 貴道 / 吉岡 友治 など(巻により異なる) |
| 対象レベル | 基礎~超難関大(東大・京大・医学部) |
| 値段 | 各 1,300円〜1,500円前後(税込) |
| 公式リンク | Z会オフィシャルサイト等 |
最大の強みは、「回答に至るまでのプロセス解説」が圧倒的に詳しいことです。多くの参考書が「正解の例文」と「文法事項」の解説に終始する中、本書は「なぜその表現を選ぶのか」「なぜ直訳してはいけないのか」という思考の道筋を言語化しています。
また、別解が豊富である点も評価できます。一つの日本語に対して複数のアプローチ(難しい単語を使う場合、簡単な中学英語で乗り切る場合など)が示されており、自分の語彙力に合わせた「逃げ方」も学べます。
硬派な参考書であるため、レイアウトは文字中心で「堅い」印象を与えます。視覚的な分かりやすさを求める受験生には、少し取っ付きにくい可能性があります。
また、今回のペルソナのように「英作文が苦手」な場合、シリーズの中核である『必修編』から始めると挫折するリスクがあります。『必修編』はある程度の文法力が完成していることを前提としているため、苦手意識が強い場合は『はじめる編』から入るか、後述するより易しい競合書を経由する必要があります。
シリーズの各巻によって構成は異なりますが、基本的には「例題」→「解説(思考プロセス)」→「練習問題」という流れです。
【シリーズ各巻の特徴】
・はじめる編:文法項目別に、基礎的な短文を作る練習。英作文入門に最適。
・必修編:シリーズの中核。和文和訳の技術と、受験頻出の文法ポイントを網羅。MARCH・国公立標準レベル。
・実戦編:長文の和文英訳や、より高度な表現力が求められる最難関大向け。
・自由英作文編:エッセイライティングの構成や論理展開に特化。
はじめる編:偏差値45〜55(日東駒専・地方国公立)
必修編:偏差値55〜65(MARCH・関関同立・中堅〜難関国公立)
実戦編:偏差値65〜(早慶・旧帝大・医学部)
日本語のニュアンスを正確に汲み取り、英語として自然な形に落とし込む「翻訳力」が身につきます。単にフレーズを覚えるだけでなく、どんなお題が出ても対応できる応用力が養われます。「MARCH以上を狙っているが、今のままでは合格点に届くか不安」「単語は覚えたのに、文章になると書けない」という人に強くおすすめします!
難関大志望の場合、高校3年生の夏休み終わりまでに『必修編』の例題を一通りマスターするのが理想です。秋以降は志望校の過去問演習と並行して、復習や『自由英作文編』(出題される場合)に取り組みます。
『必修編』以上を使う場合、高校レベルの英文法(仮定法、関係詞、比較など)が一通り頭に入っていることが必須条件です。文法用語の解説はそこまで詳しくないため、文法に不安がある状態で挑むと消化不良を起こします。
1. 自力で書く:辞書を使わずに、今の実力で答案を作成する。
2. 解説を熟読:自分の答案と模範解答を比べるだけでなく、「日本語をどう解釈したか」の解説部分を読み込む。
3. 書き直し:解説を踏まえて、もう一度正しい英文を書く。
4. 暗唱:模範解答(または自分が納得した別解)をスラスラ言えるまで音読・暗唱する。
「Z会の添削指導」のノウハウが詰まっており、受験生が犯しやすいミス(誤答例)の分析が非常に鋭いです。「なぜこれがダメなのか」が明確に示されているため、独学でも添削を受けているような効果が得られます。
| 比較項目 | 本書(必修編) | 英作文ハイパートレーニング 和文英訳編 | ドラゴン・イングリッシュ基本英文100 |
|---|---|---|---|
| コンセプト | 思考プロセス重視の演習書 | 文法項目別の丁寧なドリル | 基本例文の暗記特化 |
| 到達レベル | MARCH・上位国公立 | 日東駒専・中堅国公立 | 共通テスト〜難関大の基礎 |
| 解説の詳しさ | 非常に詳しい(誤答分析あり) | 超詳しい(初心者向け) | ポイント解説のみ |
| 問題数と網羅性 | 100題+練習問題(網羅性高) | 66テーマ(基礎重視) | 100例文(瞬発力重視) |
| 前提レベル | 文法理解済み | 文法が苦手でもOK | 文法用語がわかればOK |
| 【ペルソナ視点】 おすすめ度 |
★★★★☆ (実力養成に最適だが少し硬い) |
★★★★★ (苦手ならここから入るべき) |
★★★☆☆ (書くための”ネタ”帳として併用推奨) |
難関大志望だけど「英作文が苦手」なキミの場合、いきなり『必修編』に行くと「難しすぎて進まない…」となる可能性があります。
おすすめの戦略は、まず『英作文ハイパートレーニング和文英訳編』または本シリーズの『はじめる編』を1ヶ月で短期集中で仕上げること。ここで「文法を使って文を作る」自信をつけてから、『必修編』に入ると驚くほどスムーズに進みます。逆に、文法はある程度自信があるなら、『必修編』からスタートして、解説を読み込むことで一気に偏差値を引き上げましょう。
P.S. どの参考書を選ぶべきか、または具体的な進め方で迷っている場合は、私たち東大・早慶コーチが個別の学習計画を一緒に作成します。
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“『必修編』の解説がとにかく詳しい。直訳ではなく、どうやって英語らしい表現にするかの頭の使い方がわかった。おかげでMARCHの試験で英作文が得点源になった。”
“文字が小さくて詰め込まれている感じで、開くのが億劫になった。内容はいいけど、もっと余白があって書き込めるレイアウトの方が自分には合っていたかも。”
『はじめる編』と『必修編』、どちらを買うべきですか?
共通テストレベルの文法問題で8割取れていない、またはSVOC等の文型判断が怪しいなら『はじめる編』です。ある程度文法はわかるが「書く」のが苦手な場合は、『必修編』に挑戦してOKです。
『英作文のトレーニング』シリーズは、小手先のテクニックではなく、本質的な英語力を養成してくれる名著です。特に『必修編』は、MARCH以上のいわゆる「難関大」を目指す上で、合格答案を作成するための「思考の型」を授けてくれます。
英作文が苦手だからこそ、感覚で書くのをやめて、この本で「論理」を学んでください。苦手を武器に変えるポテンシャルを秘めた一冊です!
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