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『大学入試ステップアップ古文』シリーズ(増進堂・受験研究社)は、「薄さ」と「安さ」、そして「段階的なレベル設定」が特徴のドリル形式の問題集です。 「基礎」「標準」「完成」の3段階で構成されており、短期間で古文読解の場数を踏みたい受験生から支持されています。特に、分厚い解説書を読むのが苦手で、まずは手を動かして演習量を確保したい層に最適です!
この記事を監修した人
慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
| 書名 | 大学入試 ステップアップ 古文(基礎 / 標準 / 完成) |
| 著者 | 大学入試問題研究会 編 |
| 対象レベル | 【基礎】高校基礎~日東駒専 【標準】共通テスト~GMARCH・国公立 【完成※】早慶上理・旧帝大(※後述) |
| 値段 | 各 770円(税込) |
| 公式リンク | 増進堂・受験研究社 公式サイト |
最大の強みは、「圧倒的なコストパフォーマンスと周回のしやすさ」です。
1冊あたり88ページ程度と非常に薄く、1日1題進めれば2週間~1ヶ月で1冊を完了できます。挫折しやすい古文演習において、「1冊やりきった」という達成感を早期に得られる設計は秀逸です。また、問題選定が「頻出の良問」に絞られており、無駄なく重要単語や文法事項を確認できる点も評価できます。
「解説のあっさり感」が最大の弱点です。
『古文ポラリス』のような「本文の構造分析」や「手取り足取りの解法プロセス」までは掲載されていません。そのため、「品詞分解が自力で全くできないレベルの古文初心者」や「解説を読み込んで深く理解したいタイプ」の受験生には不向きです。あくまで「演習用」と割り切り、文法書や単語帳を辞書代わりに使える人向けと言えます。
各巻とも、入試頻出の出典からバランスよく選定されています。
【基礎】:説話や比較的読みやすい物語を中心に、文法知識の確認を重視した構成。
【標準】:共通テストや中堅私大レベルの、やや長めの文章や和歌を含む問題を収録。
・基礎: 偏差値40~50(日東駒専レベルの基礎固め)
・標準: 偏差値50~58(共通テスト・GMARCH・国公立標準)
・完成(応用): 偏差値60以上(早慶上理・旧帝大)
※「完成」レベルを目指す場合、本書の「標準」を完璧にした後、過去問演習やより高難度の問題集へ接続する必要があります。
「古文に慣れる力」と「基礎知識を実戦で使いこなす力」が得られます。
おすすめする人:
・古文演習を始めたいが、分厚い本は嫌な人
・文法・単語はある程度覚えたので、とにかく問題を解きたい人
・塾の授業の補助教材として、自習用ドリルを探している人
【日東駒専志望】 高3の夏休み前までに「基礎」を完了。
【GMARCH・国公立志望】 高3の夏休み中に「標準」を完了。
【早慶上理・旧帝大志望】 高3の1学期中に「標準」を終え、夏以降は「完成」や過去問、さらにはライバル参考書である『ポラリス3』などの高難度演習へ移行。
前提として、助動詞の活用・接続・意味、基本的な敬語法、古文単語300語程度は頭に入っている必要があります。これらが未定着のまま取り組むと、解説があっさりしているため消化不良になります。必ず『ステップアップノート30古典文法基礎ドリル』や『富井の古典文法』などで文法を固めてから挑みましょう。
1. 時間を計って問題を解く(1題20分程度)。
2. 答え合わせをし、間違えた問題の解説を読む。
3. 【重要】 解説に載っていない部分でも、分からない単語や文法は必ず辞書や参考書で調べる。
4. 全訳と照らし合わせながら、本文を最低3回は音読する。
何と言っても「学校の副教材的な真面目さ」と「安さ」です。派手な装丁や語り口調の解説はありませんが、その分、純粋に問題演習に没頭できます。「余計な解説はいらないから問題をくれ」という層には、これ以上ない選択肢となります。
| 比較項目 | 本書(ステップアップ) | 古文ポラリスシリーズ | 全レベル問題集 古文 |
|---|---|---|---|
| コンセプト | 短期間で基礎・標準を固める演習ドリル | 詳しい解説で「読み方」そのものを学ぶ | レベル細分化で志望校に直結させる |
| 到達レベル | 基礎~MARCH・中堅国公立 | 日大~早慶上理(巻による) | 基礎~難関国公立(4レベル) |
| 解説の詳しさ | あっさり(必要十分) | 非常に詳しい(講義調) | 普通(標準的) |
| 問題数・網羅性 | 少なめ(サクッと周回用) | 厳選された少数の良問 | レベルごとに適量 |
| 前提レベル | 文法一通り完了後 | 基礎知識があればOK | レベル1は初学者可 |
| おすすめ度 | ★★★☆☆ (質より量、自学できる人向け) |
★★★★★ (苦手な難関志望者に最適) |
★★★★☆ (細かくレベルを選びたい人) |
古文が苦手な難関大受験生の場合、正直に申し上げると『古文ポラリス』の方が解説の手厚さにおいて安心感があります。
しかし、『ステップアップ古文』の真価は「薄さ」にあります。「ポラリス1」や「ポラリス2」をやる前のウォーミングアップとして、あるいはポラリスで学んだ読み方を試す「実戦演習用」として、この『ステップアップ(基礎・標準)』を挟む使い方が非常に効果的です。
日東駒専レベルなら『基礎』、MARCH・国公立レベルなら『標準』をサクッと解き、早慶・旧帝大を目指すなら、そこから『ポラリス3』や『得点奪取』へ接続するのが黄金ルートと言えるでしょう。
P.S. どの参考書を選ぶべきか、または具体的な進め方で迷っている場合は、私たち東大・早慶コーチが個別の学習計画を一緒に作成します。
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“安くて薄いので気軽に始められました。部活が忙しかったけれど、これなら隙間時間で1冊終わらせることができ、古文への抵抗感がなくなりました。”
“解説があっさりしすぎていて、なぜその答えになるのか分からない箇所がありました。文法書を自分で調べられないと厳しいかも。”
『完成』はどのような受験生におすすめですか?
「標準」レベルをマスターして、さらに高度な古文読解に取り組みたい人向けです!ただ、書店によっては在庫がない場合や、改訂によりラインナップが「基礎」「標準」に集約されている場合があります。難関大(完成レベル)を目指す方は、『標準』を終えた後に『古文上達 読解と演習56』や『極める古文』などの上級問題集へ進むことも同時におすすめします!
『大学入試ステップアップ古文』シリーズは、丁寧な解説よりも「演習の場数」を優先したい受験生にとっての良きパートナーです。 古文が苦手だけれど難関大を目指すあなたは、まずこの「基礎・標準」でアレルギーを克服し、読解の体力をつけてください。そこから本格的な難関大対策へステップアップすることで、無理なく合格力を養うことができます。
『大学入試ステップアップ古文』の
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