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受験生の皆さんこんにちは!本記事では、『出口汪 現代文講義の実況中継』シリーズについて塾講師が独自の視点で徹底解説します!本シリーズは、現代文参考書界のレジェンド、出口汪先生によるロングセラー講義本です。「現代文はセンスではなく論理である」という明確な主張のもと、一貫した「論理的読解法(出口式)」を基礎から難関大レベルまで体系的に学べるのが最大の特徴です。
多くの受験生が抱える「なんとなく読んで、なんとなく解く」という悪癖を矯正し、数学のように誰が解いても同じ答えになる「再現性のある解法」を身につけるためのバイブル的存在です。①(基礎)、②(標準)、③(難関)の3部構成となっており、自分のレベルに合わせて階段を登るように実力を養成できます。
この記事を監修した人
慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
| 書名 | 出口汪 現代文講義の実況中継①・②・③ |
| 著者 | 出口 汪 |
| 対象レベル | 基礎〜早慶・旧帝大レベル |
| 値段 | 巻別 1,320円~1,540円(税込) |
| 公式リンク | 語学春秋社公式サイト |
最大の強みは、「論理」という武器を徹底的に叩き込まれることです!
「筆者の主張はどこにあるのか」「具体例とまとめの関係はどうなっているのか」といった文章の構造を把握する力が劇的に向上します。また、講義形式(話し言葉)で書かれているため、まるで予備校の授業を受けているかのような臨場感で読み進めることができます。
さらに、シリーズを通して一貫した解法が用いられているため、レベルが上がっても「新しいやり方を覚える」必要がなく、基礎で培った力をそのまま応用・難関レベルへと接続できる点も大きなメリットです!
一方で、弱点としては「文章量の多さと、解説の硬さ」が挙げられます。
話し言葉とはいえ、解説の文章自体が非常にボリューミーであるため、そもそも「活字を読むこと自体が苦痛」というレベルの現代文アレルギーを持つ生徒には、挫折の原因になりかねません。
また、出口先生独自の用語(「他者意識」「A=A’」など)や独特の節回しがあるため、生理的に「この語り口が合わない」と感じる人も一定数います。ビジュアルや図解ですっきりと理解したいタイプの人には、後述する『船口』などの方が適している場合があります。
各巻ともに、別冊の問題編と、本冊の講義(解説)編で構成されています。
・第1巻:基礎固め。「現代文とはどういう科目か」から始まり、基本的な論理のルールを学びます。問題数は少なめですが、一問一問を深く掘り下げます。
・第2巻:標準レベル。センター試験(共通テスト)や中堅私大の良問を使い、実戦的な解法を学びます。
・第3巻:難関レベル。記述問題や難関私大特有の抽象度の高い文章に挑みます。
前提として、どの大学を目指すにしても「第1巻」からのスタートを強くおすすめします。現代文が苦手な場合、いきなり上の巻に手を出すと「論理」の基礎が抜けたままになり、効果が半減します。
このシリーズを通して得られるのは、「初見の文章でも動じずに、本文中の根拠だけを使って解答を導き出す力」です。
「現代文の点数が安定しない」「なんとなく読んでいる自覚がある」という人には特におすすめです。逆に、「すでに感覚で高得点が取れている天才肌の人」や「とにかく手っ取り早くテクニックだけ知りたい人」には、まどろっこしく感じるかもしれません。
難関大を目指す高3生であれば、夏休み前(7月末)までに第2巻までは終わらせたいところです。早慶志望なら夏休み中に第3巻まで完了させ、秋以降の過去問演習に備えましょう。
高1・2年生であれば、まずは第1巻をじっくり1〜2ヶ月かけて読み込み、現代文の「読み方」の土台を作っておくと、受験学年になった時に圧倒的なアドバンテージになります。
特別な前提知識は不要ですが、漢字や語彙力(キーワード)が極端に不足していると、解説を読んでも意味が分からないことがあります。『入試現代文のアクセス』などで語彙を並行して強化することをお勧めします。
また、解説を読む際は「正解したかどうか」よりも「出口先生と同じプロセスで正解を導けたか」を重視してください。たまたま当たった正解に価値はありません。
1. まずは別冊の問題を自力で解く: 時間制限は気にせず、自分なりの根拠を持って解答を出します。
2. 講義部分を熟読する: まるで授業を受けているつもりで読み進めます。重要な部分には線を引きます。
3. 自分の思考プロセスと照らし合わせる: 「なぜ自分は間違えたのか」「どこで論理を読み違えたのか」を確認します。
4. 再現する: 数日後、もう一度同じ問題を解き、出口先生の解説通りに頭を動かせるか確認します。
多くの参考書が「解き方(How)」に終始しがちな中で、出口シリーズは「読み方(What)」、つまり筆者の思考回路そのものをトレースすることに重きを置いています。これにより、小手先のテクニックではなく、一生使える論理的思考力が身につく点が唯一無二の価値です。
| 比較項目 | 本書(実況中継) | 船口のゼロから読み解く | ゼロから覚醒 はじめよう現代文 |
|---|---|---|---|
| コンセプト | 再現性のある「論理」重視 | 視覚的な「図解」重視 | 超基礎からの「ルール」重視 |
| 到達レベル | 基礎〜超難関(全3巻) | 基礎〜中堅私大 | 高校入門〜基礎 |
| 解説の詳しさ | 非常に詳しい(文章中心) | 詳しい(図解中心) | 簡潔で分かりやすい |
| 問題数と網羅性 | 少なめだが解説が深い | 少なめ・パターン学習 | ドリル形式でサクサク |
| 前提レベル | 高1・2レベル〜 | 高1・2レベル〜 | 中学生レベル〜 |
| おすすめ度 | 4.0(合う合わない有) | 4.5(ビジュアルで理解) | 5.0(挫折しにくい) |
現代文が「本当に苦手で、何が書いてあるかさっぱり分からない」というレベルであれば、まずは『ゼロから覚醒』でアレルギーを克服するのが良いでしょう。また、文章を読むのが辛いなら、図解が豊富な『船口のゼロから読み解く』が救世主になります。
しかし、あなたの志望校がMARCHや早慶・旧帝大といった難関大で、「今は苦手だが、最終的には難解な文章と格闘できる力をつけたい」のであれば、多少のハードルはあっても『出口の実況中継』に挑戦する価値は大いにあります。特に「なぜそうなるのか」を理屈で納得したい理系タイプや、粘り強く思考できる生徒には、出口先生の「論理」が最強の武器になります。
まずは書店でパラパラと見て、出口先生の独特の語り口が「生理的に無理」でなければ、①から始めてみてください!
P.S. どの参考書を選ぶべきか、または具体的な進め方で迷っている場合は、私たち東大・早慶コーチが個別の学習計画を一緒に作成します。
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“現役時代、感覚で解いて失敗したけれど、浪人してこの本に出会い『現代文にはルールがある』と知って目から鱗が落ちた。早稲田の現代文も自信を持って解けるようになった。”
“解説がくどいと感じることがあった。文章を読むのが遅い自分には、解説を読むだけで時間がかかりすぎてしまい、途中で『船口』に浮気してしまった。”
第1巻をやらずに、いきなり第2巻や第3巻から始めてもいいですか?
原則としておすすめしません。出口式は「基礎ルール」の積み上げで成り立っています。たとえ偏差値が高くても、出口式が初めてなら第1巻で「思考のフォーム」を固めるべきです。急がば回れ、ですよ。
『出口汪 現代文講義の実況中継』シリーズは、現代文を「なんとなく」から「確信を持って」解けるように変えてくれる強力なツールです。特に、難関大を目指しながらも現代文に苦手意識を持つ受験生にとっては、救世主となり得ます!
・日東駒専志望:①を徹底的に。
・MARCH志望:①→②をマスター。
・早慶・旧帝大志望:①→②→③まで完走。
このルートを基本に、自分の適性を見極めながら進めてみてください。現代文は、正しい読み方さえ手に入れれば、最も安定して高得点が狙える科目になります。頑張りましょう!
皆さんの現代文ライフが良いものとなりますように!
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