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こんにちは!東大経済学部の住田です。
「もっと頭が良くなりたいな…」高校生のあなたも、勉強や将来のことを考える中で、一度はこう思ったことがあるかもしれません。私自身も、就職活動を始める中で「論理的思考力」や「地頭の良さ」といった言葉に触れる機会が増え、「本当に頭が良いってどういうことだろう?」と考えることが多くなりました。
特に、周りの優秀な友人を見て「自分には特別な才能なんてない…」と感じてしまったり、何でもそつなくこなそうとして、結局どれも中途半端になってしまったり。これは、多くの高校生が陥りがちな「よくある失敗例」です。
そこで今回は、「頭を良くするにはどうすればいいのか」という大きなテーマについて、付け焼き刃のテクニックではない、本質的な考え方と具体的な行動を徹底解説します。
まず、頭の良さに関する大前提としてお伝えしたいことがあります。それは、「思考が求められるどんな状況においても常に最高のパフォーマンスを発揮する人」には、ほとんど出会ったことがない、ということです。
ある場面ですごく優秀に見える人でも、別の場面では「これはあまり得意ではないのかな?」と感じることがほとんどです。これは勉強でも同じ。受験という狭い世界ですら、全ての科目が得意な人はごく少数です。
だからこそ、個人的には「幅広く満遍なく能力が高い状態を目指すよりも、まず自分が得意な分野を特定し、その能力を徹底的に伸ばす」という方針のほうが、あなた自身の価値を大きく高めてくれると考えています。無理に苦手なことを平均点にしようとするより、好きなことや得意なことで突き抜ける方が、結果的に「頭が良い」と評価される近道になるのです。
それでは、具体的に「頭が良い人」はどのような思考や行動をしているのでしょうか。私がこれまで見てきた、自分の能力を上手く伸ばしている人たちの共通点を紹介します。
頭が良い人は、「選択と集中」の意識が非常に強いです。自分のエネルギーや時間が有限であることを理解しているため、完璧主義を捨て、目的を達成するために「今、本当にやるべきことは何か」を常に見極めています。
例えば、テスト勉強でも全範囲を同じ熱量でやろうとせず、配点が高い分野や自分の苦手な分野に時間を集中させます。また、質の高い勉強時間を確保するために睡眠時間を絶対に削らなかったり、友人と過ごす時間と一人で集中する時間を明確に使い分けたりと、常に目的意識を持った行動をしています。
次に、自分の状況を定期的に再確認し、目標との距離を正確に測るのが上手いという特徴があります。これを「メタ認知能力」とも言います。
例えば、模試の結果を見て一喜一憂するだけでなく、「なぜこの問題を間違えたのか」「今の勉強法は本当に効率的なのか」と冷静に分析し、軌道修正できる力です。自分一人で考えるだけでなく、先生や友人の意見をバランスよく取り入れながら、より効率的に自分を見つめ直すことができます。
そして最も重要なのが、彼らは自分の強みや得意な分野を見つけるための行動を続けている、ということです。「得意な分野を伸ばそう」と言われても、そもそも「自分には得意なことなんて無い」と感じる人も多いでしょう。頭が良い人は、そうした状態から抜け出すための具体的なアクションを知っているのです。
「自分の得意なことって何だろう?」「将来は何をしたいんだろう?」そんな悩みを抱えるあなたに、自分の強みや好きなことを見つけるための具体的な方法を2ステップで紹介します。
STEP1: 日常の中に『小さな変化』を取り入れる
高校生活のほとんどは、勉強・部活・学校行事で構成されていると思います。もし今の生活に何か物足りなさを感じているなら、意識的に毎日少しずつ変化を生み出してみてください。とにかく新しいことを試す回数を増やし、「自分が何に興味を持つのか」をしらみつぶしに探していくのです。
(具体例)
・学校の帰り道に、今まで入ったことのない本屋やカフェに寄ってみる。
・クラスで話したことはないけど、少し気になっている同級生に勇気を出して声をかけてみる。
・興味のあるテーマ(プログラミング、歴史、心理学など)の入門書を図書館で借りて読んでみる。
試してみて「面白い!」と感じたら続ければいいし、「あまり響かなかったな」と思えば、また別の新しいことを試せばいいだけです。この試行錯誤の数が、あなたの強みを見つけるヒントになります。
STEP2: 客観的なツールで自分を分析する
自分の主観的な判断だけでなく、客観的なツールを使って得意なことを探す方法も非常に有効です。世の中には多くの自己分析ツールがありますが、特におすすめなのが「ストレングスファインダー」です。
これは書籍『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』についているコードで受けられる診断で、自分の「強み」の源泉となる才能を34の資質の中から見つけてくれます。自分では当たり前だと思っていたことが、実は他人にはない特別な才能だった、という発見があるかもしれません。
ストレングスファインダーのような診断は、あくまで「自己理解を深めるためのきっかけ」として活用しましょう。結果に縛られすぎる必要はありません。「自分にはこんな側面もあるのか」という新しい視点を得て、次の行動(STEP1で紹介した小さな変化)に繋げることが最も重要です。
最後に、この記事の内容を踏まえて、皆さんが抱きそうな疑問にQ&A形式でお答えします。
見つかった「得意なこと」が、勉強や受験に全く関係ないことでした。それでも追求していいのでしょうか?
全く問題ありません。むしろ素晴らしい発見です。例えば「人と話すのが得意」なら、それは将来の学部選び(商学部、社会学部など)や、大学でのグループワーク、さらには社会に出てからのコミュニケーション能力に直結します。「ゲームの戦略を考えるのが好き」なら、それは論理的思考力や計画実行能力の現れです。一見無関係に見えることでも、その根底にある能力を分析することで、勉強や進路選択に必ず活かすことができます。
色々と試しているのですが、なかなか「これだ!」という得意なことが見つかりません。どうすればいいですか?
焦る必要は全くありません。強みや得意なことは、すぐに見つかるものではないからです。大切なのは、「見つからないから自分には何もない」と諦めるのではなく、「小さな変化」の行動を続けることです。行動を記録する習慣をつけてみましょう。「今日は〇〇を試した。面白さは△くらいだった」という簡単なメモでも構いません。続けていくうちに、自分の興味の方向性が少しずつ見えてくるはずです。
今回は、「頭を良くするにはどうすればいいか」というテーマについて、万能を目指すのではなく自分の得意な分野を伸ばすことの重要性と、そのための具体的な方法について解説しました。
頭を良くするということは、単にテストの点数を上げることだけではありません。自分自身を深く理解し、目標達成のために何をすべきか考え、行動し続ける力のことです。ぜひ今日から、あなたの日常に「小さな変化」を取り入れてみてください。その一歩が、あなたの可能性を大きく広げるきっかけになるはずです。