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理系の大学選びで、国公立大学や早慶上理を目指しつつ、併願校としてどこを選べば良いか悩んでいませんか?そんな受験生にとって、絶対に知っておくべき大学群が「四工大(よんこうだい)」です。
四工大は、首都圏に位置する伝統と実績のある4つの私立工科大学を指す総称です。単なる「滑り止め」ではなく、専門性と実践力を武器に、社会で活躍するための確かな実力を養える「実学の府」として、極めて高い評価を得ています。この記事では、四工大の全体像から各大学の個性までを深く掘り下げ、あなたの志望校選びの確かな羅針盤となる情報を提供します。

慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
「四工大」とは、以下の4つの私立大学の頭文字や名称から取られた総称です。いずれも工業・技術系の専門大学として長い歴史を持ちます。
大学群を理解するために、他のグループと比較してみましょう。例えば、文系・理系を幅広く揃える総合大学群「MARCH」を「デパート」に例えるなら、四工大は「特定の分野の逸品だけを集めた専門店街」や「高度な技術を持つ職人集団」と言えます。
デパートには何でも揃っていますが、本当に専門的な道具や部品が欲しい時、あなたはその道の専門店に行くでしょう。同様に、工学の特定分野を深く学び、社会で即戦力となる技術を身につけたいと考えるなら、工学教育に特化してきた四工大は非常に魅力的な選択肢となるのです。そこには、長年の経験で培われたノウハウと、産業界との太いパイプがあります。
この「専門性」と「実践力」こそが、四工大が受験生や企業から高い評価を受け続ける理由の核心です。
同じグループでも、各大学には独自のカラーがあります。自分の興味や学びたい分野と照らし合わせてみましょう。
四工大の中でも頭一つ抜けた存在と評価されることが多い大学です。特に機械工学や建築学分野で高い評価を得ています。スーパーグローバル大学創成支援事業にも採択されており、留学制度や英語での授業が充実しているため、世界で活躍したい理系学生に最適です。
130年以上の歴史を誇り、特に建築学部は日本の草分け的存在として有名です。近年は情報学部にも力を入れており、先進的な学びが可能です。新宿駅至近のキャンパスはアクセス抜群で、アクティブな大学生活を送りたい学生に人気です。
「実学尊重」を理念に掲げ、実験や実習を重視した教育が特徴です。電気電子工学、情報通信工学、ロボット・メカトロニクス分野などで高い実績を誇ります。ものづくりが好きで、手を動かしながら学びたい学生に絶好の環境です。
旧武蔵工業大学としての高い知名度と実績を引き継いでいます。機械、電気、建築といった伝統的な工学分野に加え、環境学や情報科学、さらには児童学まで備える幅広い学問領域が魅力です。東急グループの一員である強みも随所に活かされています。
受験における立ち位置を把握するため、他の主要な大学群と比較してみましょう。
| 大学群 | 特徴 | 四工大との関係性 |
|---|---|---|
| MARCH (明治, 青山学院, 立教, 中央, 法政) |
首都圏の難関私立総合大学。文系学部のイメージが強いが、理系学部も持つ。 | 理系学部同士で比較されることが多いライバル。MARCHは総合大学としてのブランド力、四工大は工学分野での専門性と就職実績で勝負します。 |
| 日東駒専 (日本, 東洋, 駒澤, 専修) |
首都圏の準難関私立総合大学。 | 一般的に、四工大は日東駒専よりも理系分野での難易度・評価が高いとされています。理系志望者の併願校としては、日東駒専の理工系学部より四工大が選ばれやすい傾向にあります。 |
| 電農名繊 (電気通信, 東京農工, 名古屋工業, 京都工芸繊維) |
特色ある分野で高い専門性を持つ、難関の国立大学群。 | 理系国公立大学の併願先として、四工大は最も有力な選択肢の一つです。学力レベルが近く、研究内容や専門性で共通点を見出しやすい大学群です。 |
四工大に共通するのは、そのルーツが明治から大正にかけて設立された私学の「工業学校」や「高等工業学校」にある点です。日本の近代化や産業発展が急務であった時代に、それを支える高度な技術者を育成する目的で創設されました。
この歴史的背景が、現代に至るまで続く「実学尊重」の精神や、産業界との強い結びつきの礎となっています。卒業生は技術者として日本のものづくりを支え、各業界で厚い信頼を勝ち得てきました。この伝統こそが、四工大の揺るぎないブランドと高い就職率の源泉なのです。
四工大の中で、序列や一番良い大学はありますか?
結論から言うと、偏差値や一般的な評価では芝浦工業大学がリードしていると見なされることが多いです。しかし、最も重要なのは「あなたにとって一番良い大学」を選ぶことです。
例えば、建築を深く学びたいなら工学院大学、ロボット開発に情熱を燃やすなら東京電機大学というように、大学ごとに強みとする分野は異なります。偏差値だけでなく、各大学の学部・学科の研究内容、教授陣、キャンパスの雰囲気、そして取得したい技術などを総合的に比較し、「自分の学びたいこと」に最も合致する大学を選ぶのが最良の選択です。
MARCHの理工系学部と四工大、どちらが良いですか?
これは非常に良い質問で、多くの受験生が悩むポイントです。選択はあなたの価値観によって決まります。
MARCHの魅力は、総合大学としての知名度やブランド力、文系学生との交流による多様な価値観に触れられる点です。一方、四工大の魅力は、工学に特化した教育環境、充実した研究設備、そして産業界との太いパイプによる高い専門性と就職実績です。「大学の総合的なブランド」を重視するならMARCH、「専門分野での実力とキャリア」を重視するなら四工大、という視点で考えてみると良いでしょう。
四工大は、理系受験生にとって非常に魅力的で、将来に繋がる「賢い選択肢」です。
確かな専門性: 工学分野に特化しており、深く専門的な知識と技術を学べる。
高い就職実績: 「実学尊重」の伝統から、産業界からの信頼が厚く、就職に非常に強い。
個性豊かな4大学: それぞれが独自の強みと校風を持っており、自分に合った大学を選べる。
理想的な併願校: 国公立大学や最難関私立大学を目指す受験生の併願先として、学力・内容ともに最適。