目次
こんにちは。経験豊富な塾講師の視点から、神奈川県立生田高等学校について、受験生の皆さんが本当に知りたい情報を分かりやすく解説します。学校選びは、皆さんの将来を左右する重要な決断です。この記事が、事実に基づいた冷静な判断の一助となれば幸いです。

慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
まずは、生田高校の基本的な情報と通学アクセスについて見ていきましょう。特にアクセスは毎日のことなので、現実的な通学時間をしっかりと把握することが重要です。
| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 所在地 | 〒214-0035 神奈川県川崎市多摩区長沢3-17-1 |
| 設立 | 1969年 |
| 学科 | 普通科 |
| 公式サイト | https://www.pen-kanagawa.ed.jp/ikuta-h/ |
| 主なアクセス方法 | |
| 小田急線「生田」駅 | 徒歩約25分。またはバス約10分、「生田高校前」下車徒歩5分 |
| 小田急線「百合ヶ丘」駅 | バス約15分、「生田高校前」下車徒歩5分 |
| 小田急線「新百合ヶ丘」駅 | バス約20分、「生田高校前」下車徒歩5分 |
| JR南武線/東急線「溝の口」駅 | バス約30分、「鷲ヶ峰営業所」下車徒歩5分 |
塾講師からの一言:
最寄り駅の小田急線「生田」駅からは徒歩だと25分と、やや距離があります。「いくひ坂」と呼ばれる急な坂道もあるため、多くの生徒がバスを利用しています。複数の駅からバスが出ているためアクセス網は広いですが、バスの乗車時間や待ち時間を含めたリアルな通学時間を一度は体験しておくことを強く推奨します。
生田高校の学力レベルを客観的に把握するために、最新の偏差値と近隣の競合校との比較を見てみましょう。
| 学校名 | 偏差値(目安) | 特徴 |
|---|---|---|
| 県立生田高等学校 | 59 – 60 | 文理両道。GMARCHへの進学者が多い中堅進学校 |
| 県立新城高等学校 | 61 – 63 | 近年人気・実績ともに上昇中。生田よりやや上位の競合校。 |
| 県立多摩高等学校 | 67 – 69 | 県内トップクラスの進学校。明確な上位校。 |
| 市立橘高等学校 | 44 – 58(科による) | スポーツや国際科も強い人気校。偏差値帯が近い競合校。 |
| 県立市ケ尾高等学校 | 58 – 60 | 校風が比較的自由。偏差値帯が近く比較検討されやすい。 |
※偏差値は各種模試や情報サイトによって多少の変動があります。あくまで目安としてください。
塾講師からの一言:
生田高校の偏差値は50台後半から60程度で、神奈川県の公立高校の中では上位30%以内に入る中堅進学校と位置づけられます。内申点の目安としては、重点化などがない場合、135点満点中110点前後が一つの目標ラインとなるでしょう。オール4に5がいくつか加わるイメージです。このレベルの高校を目指すには、中学2年生のうちから内申点を意識した定期テスト対策が不可欠です。
勉強のこと気軽にご相談してください!
スタディコーチは、東大・旧帝大・早慶生のコーチが
学習管理をして合格に導く塾です!
LINE追加で学習計画表と東大式勉強攻略ガイドを無料配布中!
高校選びで最も重視すべき点の一つが、3年後の出口、つまり大学進学実績です。ここでは直近3年間の主要大学への合格者数をまとめました。(※現役・浪人の合計数。学校により公表基準が異なります)
| 大学グループ | 大学名 | 2024年度 | 2023年度 | 2022年度 |
|---|---|---|---|---|
| 国公立大学 | 合計 | – | – | – |
| (千葉大、筑波大、東京都立大、横浜市立大など) | ||||
| 早慶上理 | 早稲田大学 | 3 | 10 | 14 |
| 慶應義塾大学 | 3 | 4 | 5 | |
| 上智大学 | 1 | 3 | 4 | |
| 東京理科大学 | 5 | 5 | 12 | |
| MARCH | 明治大学 | 27 | 54 | 48 |
| 青山学院大学 | 18 | 34 | 19 | |
| 立教大学 | 4 | 19 | 22 | |
| 中央大学 | 29 | 64 | 41 | |
| 法政大学 | 32 | 75 | 47 | |
※上記のデータは各高校情報サイト等を参考にまとめたものであり、正確な数値は必ず公式サイトをご確認ください。
塾講師からの一言:
進学実績を見ると、GMARCHがボリュームゾーンであることが明確です。特に法政大学、中央大学、明治大学への合格者が多く、これは学校の学力層とマッチしていると言えます。早慶上理にも毎年コンスタントに合格者を出しており、上位層の生徒もしっかりと難関大学を目指せる環境です。指定校推薦の枠も比較的多く保有していると評判なので、入学後も高い内申点をキープする努力が重要になります。
数字だけでは見えない生田高校の「生きた姿」を、3つの特徴からご紹介します。
生田高校の教育の根幹には「自由と規律」という創立以来の精神があります。「自由とは放縦のことではない。他人の自由を大切にし、共に生きることである。そこには規律がある。それは外から与えられるものではなく、自らを律するものである」という考え方です。この精神のもと、生徒の主体性が重んじられ、学校行事や部活動は生徒主体で企画・運営されています。厳しすぎる校則で縛るのではなく、生徒一人ひとりの自主性を育む校風です。
生田高校は県の「理数教育推進校」に指定されており、ICTの活用にも積極的です。タブレット端末を使った授業や、グループワークでの意見集約など、近代的な授業スタイルを取り入れています。旧自然科学コースの知見を活かし、海の生物観察会やムササビ観察会といった自然体験教室も実施しており、文系・理系を問わず科学的・論理的な思考力を育成することを目指しています。
部活動の加入率が高く、非常に活発です。ワンダーフォーゲル部や水泳部がインターハイに出場するなど、運動部には実績のある部も多いです。文化部ではグリークラブ(合唱部)や吹奏楽部が有名です。また、体育祭は誕生星座で分かれた4つの「宮」で競い合い、応援合戦は大変な盛り上がりを見せます。文化祭である「銀杏祭」と合わせて、学校行事に全力で取り組む生徒が多いのも特徴です。
勉強のこと気軽にご相談してください!
スタディコーチは、東大・旧帝大・早慶生のコーチが
学習管理をして合格に導く塾です!
LINE追加で学習計画表と東大式勉強攻略ガイドを無料配布中!
社会の様々な分野で活躍する卒業生がいることも、学校の魅力の一つです。
| 氏名 | 分野 | 備考 |
|---|---|---|
| 早野 宏史 | サッカー | 元サッカー選手、サッカー解説者、元Jリーグ監督(3期生) |
| その他 | 行政、学術など | 区長や局長、大学教授など、地域社会や学術分野で活躍する卒業生を多数輩出。 |
ここでは、実際に通っている生徒や保護者からよく聞かれる「良い点」と「気になる点」を両論併記でご紹介します。
・自由な校風と生徒の主体性:「校則が厳しすぎず、髪染めやピアスは禁止ですが、それ以外は常識の範囲内で自由。行事も生徒が中心になって作り上げるので、とても楽しいです。」
・友人関係が良い:「いじめなどは聞いたことがなく、みんな仲が良い印象。穏やかな生徒が多く、安心して学校生活が送れます。」
・部活動が盛ん:「ほとんどの生徒が部活に入っていて、熱心に活動しています。種類も多く、自分に合った部活が見つかると思います。」
・施設の古さ:「校舎自体は耐震工事済みですが、全体的に古い印象は否めません。特にトイレなど、もう少し新しくなってほしいという声は聞きます。」
・アクセス(坂道):「とにかく駅から遠い。そして最後の坂がキツい。雨の日や夏の暑い日は大変です。バス通学が前提と考えた方が良いです。」
・進学指導のサポート:「自主性を重んじる校風なので、手厚い進学サポートを期待すると物足りないかもしれません。自分で情報を集め、積極的に先生に質問しに行く姿勢が必要です。」
Q. 指定校推薦はどのくらいの枠がありますか?
具体的な枠は毎年変動しますが、GMARCHをはじめ、多くの大学からの推薦枠があるとされています。ただし、人気の枠は校内選考の競争が激しくなるため、1年生の時から高い評定平均を維持することが極めて重要です。
Q. バイトはできますか?
原則としてアルバイトは禁止されていますが、家庭の事情など、やむを得ない場合は学校の許可を得て行うことが可能です。
Q. 食堂はありますか?
校内に食堂があり、多くの生徒が利用しています。パンや弁当の販売もあります。
ここまで神奈川県立生田高等学校の様々な側面を見てきました。最後に、この記事の要点をまとめ、どのような生徒におすすめできるかを総括します。
■ 偏差値は58-60程度、内申点は110前後が目標の中堅進学校。
■ GMARCHを realisticな第一志望とし、上位層は早慶上理も狙える進学実績。
■ 「自由と規律」の精神に基づき、生徒の自主性を重んじる校風。
■ 部活動や学校行事が非常に活発で、高校生活を謳歌したい生徒に最適。
■ 駅から遠く、急な坂があるため、通学の負担は事前に確認が必須。
以上の点から、生田高等学校は、「勉強と部活動・行事を両立させ、自主性のある高校生活を送りたい生徒」に強くおすすめできる学校です。先生から手厚く管理される環境よりも、自分で考えて行動する中で成長したいという価値観を持つご家庭にフィットするでしょう。逆に、「学校からのきめ細かい進学指導や手厚いサポートを最優先に考える生徒」にとっては、少し物足りなさを感じる可能性も考慮すべきです。
最終的な判断は、必ずご自身の足で学校説明会や文化祭に訪れ、学校の雰囲気を感じ取ってから行うようにしてください。皆さんの高校選びが、実りあるものになることを心から願っています。