目次
この記事は、大学受験を控え、進路の一つとして東洋大学を検討されている高校生の皆さんを対象としています。客観的な事実に基づき、東洋大学の全体像を多角的に分析することで、あなたの志望校選びを支援することを目的としています。
慶應義塾大学経済学部経済学科３年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生～大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています！
東洋大学は、1887年に哲学者・井上円了によって創立された私立大学です。「諸学の基礎は哲学にあり」という建学の精神を掲げ、長きにわたり日本の高等教育を牽引してきました。文系から理系、情報系、生命科学系まで幅広い学部を擁する総合大学であり、東京都心および埼玉県に複数のキャンパスを展開しています。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 大学名 | 東洋大学 (Toyo University) |
| 所在地 |
・白山キャンパス（本部）：東京都文京区 ・赤羽台キャンパス：東京都北区 ・川越キャンパス：埼玉県川越市 ・朝霞キャンパス：埼玉県朝霞市 ・板倉キャンパス：群馬県邑楽郡板倉町 |
| 学部数 | 14学部（2025年現在、夜間部含む） |
| 学生数 | 約30,000人以上（全キャンパス合計） |
| 大学群 | 一般的に「日東駒専」の一角とされています。 |
勉強のこと気軽にご相談してください！
スタディコーチは、東大・旧帝大・早慶生のコーチが
学習管理をして合格に導く塾です！
LINE追加で学習計画表と東大式勉強攻略ガイドを無料配布中！
東洋大学が持つ独自の特徴を、事実と分析を区別しながら解説します。
130年以上の歴史を持ち、特に哲学研究においては「白山の哲学」として学界で高い評価を確立しています。文学部哲学科は、その伝統を象徴する存在です。一方で、近年は情報連携学部（INIAD）や健康スポーツ科学部など、社会のニーズに応える新しい学部を次々と開設しています。文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援」事業にも採択されており、国際化への取り組みも積極的に行われています。
これは、歴史と伝統を重んじながらも、時代の変化に対応して自己変革を続ける大学の姿勢を示しています。哲学のような普遍的な学問を深く探求したい受験生と、情報科学やグローバルビジネスといった最先端の分野で活躍したい受験生、その両方の受け皿となっている点が、東洋大学の大きな強みと言えるでしょう。
都心に位置し、多くの文系学部が集まる「白山キャンパス」、情報系・ウェルネス系学部が集まる先進的な「赤羽台キャンパス」、広大な敷地で理系学生が研究に打ち込む「川越キャンパス」など、学部ごとに特色あるキャンパスが用意されています。
志望する学部の学問分野に最適化された環境で学生生活を送れる点は、大きなメリットです。ただし、総合大学でありながら、他学部の学生との交流機会はキャンパスによって限定される可能性があります。オープンキャンパス等で実際に訪れ、キャンパスの雰囲気や通学の利便性を自身で確認することが、入学後のミスマッチを防ぐ上で極めて重要です。
各種予備校が公表する偏差値データによると、東洋大学の偏差値は全体的に40.0台後半から60.0台後半に分布しています。特に国際系、社会科学系、情報系の学部・学科で高い偏差値が見られます。これは、大学改革の成果や社会的な評価の高まりを反映していると一般的に評価されています。
「日東駒専」という大学群の中では、近年、難易度において頭一つ抜けた存在になりつつあると考えられます。これは、受験生にとって人気と実力を兼ね備えた魅力的な大学であることを示す一方、合格のためには相応の学力と入念な受験対策が求められることを意味します。滑り止めとして安易に考えるのではなく、第一志望群としてしっかりと対策を講じるべき大学と言えるでしょう。
東洋大学を志望する上で、事前に理解しておくべき重要な点を指摘します。
東洋大学は、2026年度入試（現高校2年生が対象）から、いくつかの重要な入試制度の変更を行うことを公表しています。
・年内入試の変更： これまでの「学校推薦入試 基礎学力テスト型」が、推薦書不要の「総合型 選抜」に変更されます。学力試験に加え、調査書や事前提出の小論文なども評価対象となる見込みです。
・一般選抜の変更： 文系の全学部・学科において、一般選抜で「数学」が必須科目として導入される予定です。
・英語外部検定の利用： 利用可能な英語外部検定に「GTEC」が追加されます。
これは、受験生にとって非常に大きな変更点です。特に文系志望で数学を選択してこなかった受験生は、今後の学習計画を大きく見直す必要があります。また、年内入試も単なる学力だけでなく、高校時代の活動や思考力も問われる形式に変わるため、早期からの準備が不可欠です。必ず大学公式サイトで最新の入試要項を確認し、変更点を正確に理解した上で対策を進めてください。
前述の通り、東洋大学の偏差値は学部・学科、さらには入試方式によって大きく異なります。例えば、文学部や社会学部の上位学科と、一部の理系学部では偏差値に10以上の開きが見られることもあります。
「東洋大学」という大学名だけで難易度を判断するのは危険です。自分が志望する学部・学科の偏差値、さらには共通テスト利用や個別学部日程といった入試方式ごとのボーダーラインを正確に把握することが、合格戦略を立てる上での第一歩となります。複数の情報源（予備校サイト、大学公式発表など）を比較検討し、客観的な難易度を認識しましょう。
ここでは、主要な学部の偏差値帯と、2025年度入学者を参考とした初年度納付金の目安を提示します。偏差値は複数の大手予備校のデータを総合的に判断した参考値であり、入試方式によって変動します。学費も改定される可能性があるため、必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
| 学部 | キャンパス | 偏差値帯 (参考) | 初年度納付金 (目安) |
|---|---|---|---|
| 文学部 | 白山 | 50.0 〜 66.0 | 約1,300,000円 |
| 経済学部 | 白山 | 47.5 〜 66.0 | 約1,300,000円 |
| 経営学部 | 白山 | 50.0 〜 64.0 | 約1,300,000円 |
| 法学部 | 白山 | 42.5 〜 61.0 | 約1,300,000円 |
| 社会学部 | 白山 | 50.0 〜 67.0 | 約1,300,000円 |
| 国際学部 | 白山 | 47.5 〜 65.0 | 約1,400,000円 |
| 情報連携学部 | 赤羽台 | 50.0 〜 59.0 | 約1,700,000円 |
| 理工学部 | 川越 | 45.0 〜 55.0 | 約1,800,000円 |
| 生命科学部 | 朝霞 | 47.5 〜 57.0 | 約1,900,000円 |
※上記はあくまで参考情報です。学科やコース、入試方式により異なります。
各種口コミサイトやSNS等で見られる、在学生や卒業生からの評価をポジティブ・ネガティブの両側面から整理しました。
・学食が充実している：「白山キャンパスの学食は安くて美味しい。メニューが豊富で飽きない」といった声が多数見られます。
・都心でアクセスが良い：「白山キャンパスは複数の駅からアクセスでき、通学やアルバイト、就職活動に便利」という評価がされています。
・グローバルな環境：「留学制度が充実している。キャンパス内で留学生と交流する機会も多い」など、国際的な環境を評価する声があります。
・専門的な学びができる：「哲学や国際系、情報系など、学びたい分野の専門家である教授陣から質の高い授業を受けられる」という意見が見られます。
▲キャンパス間での交流が少ない：「総合大学なのに、キャンパスが違うと他の学部の学生と全く関わりがない」という、一体感の欠如を指摘する声があります。
▲郊外キャンパスの立地：「川越や朝霞キャンパスは都心から遠く、通学が大変」「キャンパス周辺にはあまり何もない」といった不満が見られます。
▲学生数が多く、施設が混雑する：「マンモス校なので、お昼時の食堂や図書館の席確保が大変」という大規模大学ならではの課題が挙げられています。
▲授業のレベル差：「楽に単位が取れる『楽単』と呼ばれる授業と、非常に厳しい授業の差が激しい」という、授業の質に関するばらつきを指摘する意見もあります。
「日東駒専」の中で、東洋大学のレベルはどのくらいですか？
客観的な偏差値データに基づくと、近年「日東駒専」の中では上位に位置づけられることが多くなっています。特に文系主要学部（文学、経済、社会、国際など）の入試難易度は、他の3大学と比較して高い傾向が見られます。ただし、これはあくまで一般論であり、学部・学科によって難易度は異なるため、必ずご自身の志望学部で比較検討することが重要です。
2026年度から文系でも数学が必須になると聞きましたが、どのくらいのレベルが求められますか？
現時点では、大学から詳細な出題範囲やレベルは公表されていません。しかし、これまでの経済学部などで導入されていた数学必須入試の傾向から、数学I・A、数学II・Bの範囲から基礎～標準レベルの問題が出題される可能性が高いと推測されます。教科書レベルの基礎を徹底的に固めることが、まず重要になるでしょう。最新情報は大学の入試情報サイトで必ず確認するようにしてください。
勉強のこと気軽にご相談してください！
スタディコーチは、東大・旧帝大・早慶生のコーチが
学習管理をして合格に導く塾です！
LINE追加で学習計画表と東大式勉強攻略ガイドを無料配布中！
▶ 総合評価：伝統的な学問領域と先進的な分野を併せ持ち、近年、人気・実力ともに上昇傾向にある将来性の高い総合大学です。
▶ 全体像：都心と郊外に複数のキャンパスを展開し、学部ごとに特化した学習環境を提供しています。入試難易度は学部・方式によって幅広く、自分の学力や特性に合わせた受験戦略が可能です。
▶ 最大の注意点：2026年度からの入試制度変更は、全ての受験生が把握すべき最重要事項です。特に文系志望者の数学対策、年内入試希望者の総合型選抜対策は、合否を分ける重要な鍵となります。
