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早稲田大学系属早稲田実業学校高等部(通称:早実)は、単に偏差値が高いだけの学校ではありません。卒業生のほぼ全員が早稲田大学へ進学するという、他の進学校とは一線を画す強固なアドバンテージを持ち、生徒たちは大学受験に縛られることなく、部活動や探求学習に思う存分打ち込むことができます。その偏差値の高さの背景にある早実独自の教育環境、校風、そして進路のリアルについて、深く掘り下げて紹介します。

慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
まずは、早稲田実業学校の基礎データと、3年間の通学の拠点となるキャンパスへのアクセスを確認します。
| 基本情報 | |
|---|---|
| 所在地 | 東京都国分寺市本町1-2-1 |
| 設立年度 | 1901年(明治34年) |
| 課程・学科 | 全日制課程 普通科 |
| 生徒構成 | 男女共学(高等部からの入学者と中等部からの内部進学者が在籍) |
| 公式サイト | 早実の公式ウェブサイト |
| アクセス情報 | |
| 最寄り駅 | JR中央線・西武国分寺線・西武多摩湖線「国分寺駅」北口より徒歩約7分 |
| アナリスト所見 | 主要駅から徒歩圏内というアクセスの良さは、通学の負担を軽減し、部活動や課外活動に充てる時間を確保する上で大きなメリットとなります。 |
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早稲田実業学校の学力レベルは、首都圏でも最上位に位置します。その客観的な立ち位置を偏差値データから分析します。
早稲田実業の偏差値は77前後と評価されており、これは早慶の附属・系属校の中でもトップクラスの難易度です。単なる学力だけでなく、早稲田大学への進学を強く希望する明確な目的意識を持った受験生が集まる、極めてレベルの高い競争となります。
| 学校名 | 地域 | 区分 | 偏差値 (目安) |
塾講師の見立て |
|---|---|---|---|---|
| 早稲田実業学校高等部 | 東京 | 私立・系属 | 76 | 文武両道と早大進学が最大の魅力。 |
| 早稲田大学高等学院 | 東京 | 私立・附属 | 76 | 同じ早大の附属校(男子校)。より自由な校風を特徴とする。 |
| 慶應義塾高等学校 | 神奈川 | 私立・附属 | 76 | 最大のライバル校。自由な校風で知られる男子校。 |
| 慶應義塾女子高等学校 | 東京 | 私立・附属 | 76 | 女子の最難関校の一つ。自主性を重んじる校風。 |
| 東京学芸大学附属高等学校 | 東京 | 国立 | 77 | 外部受験を目指す首都圏トップ層が集結。併願先として有力。 |
早稲田実業の進路を語る上で、一般的な「合格実績」という指標は適切ではありません。重要なのは「どこに進学するか」です。
本校の最大の特徴は、卒業生の約95%以上が早稲田大学へ推薦入学する点にあります。これは、3年間の高校生活が大学受験のためではなく、学問の探求や人間形成そのものに目的を置けることを意味します。一方で、これは早稲田大学以外の大学、特に国公立大学や医学部を目指す生徒にとっては特殊な環境であることを理解する必要があります。
| 進学先 | 進学者数 | 塾講師の見立て |
|---|---|---|
| 早稲田大学(推薦) | 332名 | 卒業生の大多数。学部は3年間の成績によって決定されるため、希望学部への進学には高い学内成績が求められる。 |
| 他大学(外部受験) | 約10~20名 | 東京大学、京都大学、一橋大学などの最難関国公立や、国公私立大学の医学部・歯学部・薬学部など、早大にない学部を目指す生徒が中心。 |
高い学力と早稲田大学への道は、どのような教育から生まれるのでしょうか。早実のDNAを形成する3つの特徴を分析します。
「華を去り、実に就く」という「去華就実(きょかしゅうじつ)」の精神は、外見の華やかさよりも内面の実質を重んじるという教えです。この精神は、生徒たちの真摯な学習態度や活発な部活動に色濃く反映されています。特に部活動は極めて盛んで、野球部の甲子園での活躍(王貞治氏、斎藤佑樹氏など)はあまりにも有名ですが、他の多くの部も全国レベルで活躍しています。学業と部活動を高いレベルで両立させる「文武両道」は、本校の根幹をなす文化です。
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大学受験から解放される環境は、生徒に大きな時間的・精神的余裕をもたらします。これにより、目先の受験勉強にとらわれない、本質的な学問の探求や部活動、友人との交流、自己を見つめる時間を持つことが可能になります。ただし、この環境には「中だるみ」のリスクや、希望学部への進学をかけた熾烈な学内競争という側面も存在します。この制度を最大限に活かすには、高い自己管理能力が不可欠です。
2001年に現在の国分寺キャンパスへ移転し、その施設は大学のキャンパスさながらの充実度を誇ります。広大な人工芝グラウンド、最新設備を備えた体育館やトレーニングセンター、蔵書豊富な図書館など、生徒が学問やスポーツに打ち込むための環境が完璧に整えられています。この恵まれたハードウェアが、生徒のポテンシャルを最大限に引き出す一助となっています。
「文事に優れたものは武事にも優れる」という言葉を体現するように、本校はスポーツ界をはじめ、各界に傑出した人材を輩出し続けています。
学校選びのミスマッチを防ぐため、在校生や保護者からの「生の声」を公平にご紹介します。
「大学受験がないので、本当にやりたい研究や部活に3年間集中できた。普通の高校では絶対にできない経験だと思う。」(卒業生)
「施設がとにかく綺麗で素晴らしい。特にグラウンドや図書館は大学並みで、勉強や練習のモチベーションが上がる。」(在校生)
「早稲田大学という共通の目標がある仲間たちなので、一体感がある。尊敬できる友人がたくさんできた。」(在校生)
「校則が思ったより厳しい。特に服装や頭髪はきちんと指導されるので、自由なイメージで入るとギャップを感じるかも。」(在校生)
「外部の大学を受験しようとすると、情報も少なく、学校のサポートも手厚いとは言えない。あくまで早稲田大学に進学する人のための学校。」(卒業生)
「内部進学者の割合が高いので、高校からの入学組は最初少しグループができているように感じるかもしれない。もちろんすぐ仲良くなれるが。」(在校生)
受験生や保護者の皆様から特に関心の高い質問について、主席アナリストの視点から回答します。
早稲田大学高等学院との違いは何ですか?
高等学院は男子校で、校則がほとんどない自由な校風が特徴です。一方、早稲田実業は共学で、「去華就実」の精神のもと、比較的規律を重んじる校風です。また、部活動は早稲田実業の方がより活発な傾向にあります。どちらも早稲田大学への推薦制度はありますが、校風や環境が大きく異なるため、自分に合った方を選ぶことが重要です。
早稲田大学の希望の学部へ進学できますか?
進学は保証されていません。各学部に推薦枠があり、生徒は高校3年間の成績順に希望の学部を選択していきます。政治経済学部や法学部といった人気学部へ進学するためには、学内で常にトップクラスの成績を維持する必要があります。大学受験はありませんが、3年間を通じた学内での厳しい競争が存在します。
校則は厳しいと聞きますが、具体的にどのようなものですか?
スマートフォンの校内使用制限、制服の正しい着用、頭髪(染色・パーマの禁止など)に関する指導が比較的厳格に行われます。アルバイトも原則禁止です。早慶の附属・系属校の中では、最も規律を重んじる校風と言えるでしょう。
早稲田実業学校高等部は、「早稲田大学への進学」という確固たる目標を持ち、その上で高校3年間を学問、スポーツ、人間形成に深く投資したいと考える生徒にとって、比類なき価値を提供する学校です。大学受験勉強から解放された環境は、生徒の可能性を大きく広げる一方で、高い自己管理能力と明確な目的意識を要求します。
早稲田大学への進学を強く希望する生徒:これが最大の前提条件です。本校の教育システム全体が早大進学を前提に設計されています。
高いレベルで文武両道を実践したい生徒:全国レベルの部活動に打ち込みながら、学業もおろそかにしたくないという意欲的な生徒に最適です。
自己管理能力と目的意識が高い生徒:大学受験がない環境で自らを律し、常に高い目標を持って学内外の活動に取り組める生徒が、この学校の価値を最大限に享受できます。
規律ある環境を求める生徒:自由放任ではなく、一定の規律の中で学校生活を送りたいと考える生徒に適しています。
最終的な判断として、もしあなたの目標が「早稲田大学への進学」で明確に定まっており、かつ「受験勉強に偏らない、充実した3年間」を求めるのであれば、早稲田実業学校は最高の選択肢の一つです!