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今回は、神奈川県屈指の進学校として名高い男子校、サレジオ学院高等学校について、中立的な立場から徹底的に分析していきます。この記事が、あなたの高校選びという大切な決断の一助となれば幸いです。

慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
【塾講師からのコメント】
まず特筆すべきは、駅から徒歩5分というアクセスの良さです。閑静な住宅街に位置し、学習に集中できる落ち着いた環境が整っています。また、完全中高一貫校であるため、6年間を見通した独自のカリキュラムが組まれている点が大きな特徴です。高校から入学する生徒がいないため、生徒同士の一体感が非常に強く、深い人間関係を築きやすい環境と言えるでしょう。
サレジオ学院は高校からの募集がないため、高校単体の偏差値は算出されませんが、中学入試の難易度からその学力レベルを測ることができます。
| 指標 | 偏差値(目安) | 神奈川県内での位置づけ |
|---|---|---|
| 中学入試偏差値 | 66 – 67 程度 | 男子校として最上位グループ |
※偏差値は複数の大手進学塾が公表する2025年9月時点のデータを基にした参考値です。
神奈川県の男子校では、栄光学園、聖光学院、浅野といった超進学校と並び称される存在です。これらの学校とは入試日が異なる場合も多く、併願先として選ばれることもありますが、入学者の学力レベルは非常に高く、県内トップクラスであることは間違いありません。
【塾講師からのコメント】
偏差値はあくまで一つの目安ですが、サレジオ学院に合格するためには、小学校高学年から計画的な学習を積み重ね、応用力まで含めた高い学力が求められます。入学後の授業もハイレベルで進みますが、学校のサポート体制が手厚いため、生徒たちは切磋琢磨しながら学力を伸ばしていける環境です。単に偏差値が高いだけでなく、生徒の知的好奇心を引き出す教育が実践されています。
サレジオ学院の教育成果は、その卓越した大学進学実績にも表れています。特に難関国公立大学や医学部への進学者が多いのが特徴です。
| 大学名 | 2025年 | 2024年 |
|---|---|---|
| 東京大学 | 7名 (現役6) | 11名 (現役9) |
| 京都大学 | 2名 (現役2) | 5名 (現役4) |
| 一橋大学 | 11名 (現役10) | 10名 (現役8) |
| 東京工業大学 | 8名 (現役4) | 7名 (現役6) |
| 国公立大学医学部 | 6名 (現役3) | 4名 (現役2) |
| 早稲田大学 | 80名 | 82名 |
| 慶應義塾大学 | 72名 | 52名 |
※上記データは学校公式HPの公表値を基に作成(2025年9月時点)。人数は既卒生を含む場合がありますが、()内は現役合格者数を示します。最新の正確な情報は公式サイトでご確認ください。
【塾講師からのコメント】
注目すべきは、現役合格率の高さです。東大・京大をはじめとする最難関大学に、多くの生徒が現役で合格しています。これは、6年間の一貫教育の中で、無理なく効率的に学力を伸ばすカリキュラムが機能している証拠です。単に知識を詰め込むのではなく、深い思考力や記述力を養う授業が、難関大入試での強さに繋がっていると分析できます。医学部への進学者も安定して多く、理系教育の質の高さも伺えます。
高い進学実績を支えているのは、サレジオ学院ならではの校風と教育理念です。ここでは、その特徴を3つのポイントに絞って解説します。
創立者ドン・ボスコの教育理念「理性・宗教・愛情」に基づき、他者への奉仕の心を育む人間教育を重視しています。宗教の授業やボランティア活動などを通じて、単なる学力だけでなく、豊かな人間性を育むことを目指しています。この精神が、穏やかで思いやりのある生徒が多いという校風の土台となっています。
学校の教育目標として「25歳になったときに、社会の中でよりよく生き、人々の幸福に貢献できるような人間を育てる」ことを掲げています。目先の大学合格だけをゴールとせず、その先の人生を見据えた教育が実践されています。生徒の自主性を重んじ、リーダーシップを育成する学校行事が多いのもこのためです。
完全中高一貫の利点を最大限に活かし、中学・高校の学習内容の重複を排した効率的なカリキュラムを編成。これにより、早い段階から大学受験を意識した高度な学習に取り組むことが可能です。また、小テストや補習などがきめ細かく行われ、学習でつまずいた生徒を一人も取り残さないという、面倒見の良さも大きな特徴です。
学校の「生きた姿」を知るために、在校生や保護者からの評判をまとめました。ポジティブな意見、ネガティブな意見の両方を見ることで、客観的な判断が可能になります。
「生徒が皆穏やかで、いじめの話は全く聞かない。安心して学校生活を送れる」
「先生との距離が近く、質問や相談がしやすいアットホームな雰囲気」
「体育祭やサレジオ祭などの行事は生徒主体で非常に盛り上がる。勉強だけでなく青春も満喫できる」
「男子校なので、異性の目を気にせず何事にも全力で打ち込める環境が良い」
「他のトップ進学校に比べると、勉強に対して少しのんびりしていると感じるかもしれない」
「カトリックの学校なので、宗教的な行事や価値観が合わない人には窮屈に感じる可能性がある」
「保護者の出番や学校との関わりが比較的多いと感じる家庭もある」
【塾講師からのコメント】
評判を総合すると、「穏やかでアットホームな環境の中で、自主性を尊重されながら高いレベルの教育を受けられる学校」という像が浮かび上がります。いわゆる「ガツガツした」雰囲気ではなく、生徒同士が互いを尊重し、高め合っていく校風が魅力です。一方で、学校との連携を密にする方針であるため、保護者の方もある程度の関与を求められる点は、事前に理解しておくと良いでしょう。
これまでの情報を基に、サレジオ学院高等学校がどのような生徒におすすめできるのかをまとめます。
総じて、サレジオ学院は「知性」と「人間性」をバランス良く育む、神奈川県トップクラスの男子進学校です。この記事が、あなたの学校選びの確かな一歩となることを心から願っています。