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横浜共立学園高等学校を志望校として検討されている皆様、神奈川県の女子校トップクラスに位置する横浜共立学園のすごさを、データと多角的な視点から徹底的に分析していきます。伝統と革新が共存するこの学校が、どのような生徒を求め、育てているのかを深く掘り下げていきましょう。

慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
まずは、学校の基本的な情報を確認します。特に、歴史の長さは学校の文化を理解する上で重要な要素です。
| 学校名 | 横浜共立学園高等学校(全日制・普通科) |
|---|---|
| 所在地 | 〒231-8661 神奈川県横浜市中区山手町212 |
| 設立年度 | 1871年(明治4年) |
| アクセス | JR根岸線・京浜東北線「石川町駅」元町口より徒歩10分 みなとみらい線「元町・中華街駅」元町口より徒歩8分 |
| 公式サイト | https://kjg.ed.jp/ |
【塾講師からのコメント】
横浜共立学園は、フェリス女学院、横浜雙葉と並び「横浜女子御三家」と称される、神奈川県屈指の伝統と格式を誇るプロテスタント系ミッションスクールです。その歴史は150年を超え、日本の女子教育の礎を築いてきた存在と言っても過言ではありません。横浜山手の閑静な高台に位置するキャンパスは、歴史的建造物も多く、アカデミックで落ち着いた学習環境が最大の魅力の一つです。通学の便も良く、生徒たちはみなとみらいや元町・中華街といった洗練された文化に触れながら感受性豊かな高校生活を送っています。
高校選びで最も気になるのが偏差値です。県内の主要なライバル校と比較し、その学力レベルを客観的に見ていきましょう。
| 学校名 | 偏差値 | 特色 |
|---|---|---|
| 横浜共立学園 | 74 | プロテスタント系・文理バランス型 |
| フェリス女学院 | 73 | プロテスタント系・リベラルアーツ重視 |
| 横浜雙葉 | 72 | カトリック系・堅実な校風 |
【塾講師からのコメント】
偏差値74は、神奈川県内ではトップクラスであり、全国的に見ても最難関レベルに位置します。このレベルの学校に合格するためには、中学3年間の学習内容を完璧にマスターしていることはもちろん、思考力や応用力を問う難易度の高い問題に対応できる学力が不可欠です。単なる暗記学習では通用しません。なぜそうなるのかを深く理解する探求心と、粘り強く問題に取り組む姿勢が求められるでしょう。ライバル校との差は僅かですが、それぞれに教育方針や校風に違いがあるため、偏差値だけで判断せず、学校の「個性」を理解することが重要です。
横浜共立学園の教育の成果は、その高い大学進学実績に明確に表れています。ここでは、難関大学への合格者数を具体的に見ていきます。
| 大学名 | 2025年 合格者数(人) | 2024年 合格者数(人) |
|---|---|---|
| 東京大学 | 1 | 1 |
| 京都大学 | 1 | 0 |
| 一橋大学 | 1 | 1 |
| 東京科学大学 | 1 | 2 |
| 国公立大学合計 | 27 | 23 |
| 早稲田大学 | 32 | 41 |
| 慶應義塾大学 | 26 | 27 |
| 上智大学 | 22 | 21 |
| 東京理科大学 | 14 | 20 |
【塾講師からのコメント】
特筆すべきは、最難関国公立大学、早慶上理、そして国公立医学部への安定した高い合格実績です。卒業生数が約180名であることを考えると、この合格実績は驚異的と言えます。これは、単に受験テクニックを教えるのではなく、大学での研究や学問に繋がる本質的な学力を育む教育が行われている証拠です。文系・理系ともに高い実績を誇り、生徒一人ひとりの進路希望に合わせたきめ細やかな指導が期待できます。特に医学部への進学者が多い点は、理系教育の手厚さを示しています。
偏差値や進学実績だけでは測れない、横浜共立学園ならではの教育と校風について、3つの柱から解説します。
毎日の礼拝や聖書の授業を通じて、感謝の心や他者への奉仕の精神を育みます。「地の塩、世の光」という聖書の言葉をスクールモットーとし、社会に貢献できる女性の育成を目指しています。知的探求だけでなく、人間としての在り方を深く見つめる6年間が、生徒の内面を豊かに成長させます。
開校当初から英語教育に力を入れており、その伝統は今も引き継がれています。ネイティブ教員による少人数授業や、高度な英語力を養うための多彩なプログラムが用意されており、使える英語力を徹底的に鍛えます。海外大学への進学者も輩出しており、グローバルな視野を養う環境が整っています。
特定の科目に偏らず、文系・理系の枠を超えた幅広い教養を身につけるリベラルアーツ教育を重視しています。高2までは文理分けをせず、幅広い学問分野に触れることで、自分の興味・関心を発見し、主体的な進路選択を促します。これが、難関大学が求める総合的な学力に繋がっています。
学校の「生の声」を知るために、在校生や保護者から聞かれる代表的な評判を、ポジティブな側面と注意すべき側面に分けて見てみましょう。
【塾講師からのコメント】
評判を総合すると、「知的で落ち着いた環境で、高いレベルの教育を受けたい生徒にとっては最高の環境だが、その分、自己管理能力と学習への真摯な姿勢が求められる」と言えるでしょう。厳しい校則や多い課題は、裏を返せば、生徒の学習習慣と規律を重んじる学校の姿勢の表れです。「自由な校風」を求める生徒には窮屈に感じるかもしれませんが、「一生ものの友人」や「本物の学力」を得られるという声が多いのも事実。自分自身がどのような高校生活を送りたいのかを明確にし、学校の文化と合うかどうかを見極めることが、ミスマッチを防ぐ鍵となります。
横浜共立学園は、「高い知的好奇心と探求心を持ち、自らを律して学習に真摯に取り組める生徒」、そして「目先の大学受験だけでなく、その先にある社会貢献や自己の生き方について深く考えたいと願う生徒」に最も推奨できる学校です。伝統と格式を重んじ、落ち着いた環境で本質的な学問に打ち込みたいと考えているならば、横浜共立学園は最高の選択肢となるでしょう。