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大学受験に向けて模試を受けたり、大学情報サイトを眺めたりしていると、偏差値の欄に数字ではなく「BF」というアルファベットが書かれているのを目にしたことはありませんか?
「判定不能ってこと?」「もしかして、すごく簡単な大学なの?」など、いろいろな疑問が浮かぶかもしれません。この「BF」は、あなたの進路選択において重要な意味を持つキーワードです。
この記事では、「BF」とは一体何なのか、なぜそのような表記が存在するのか、そしてそれをどう受け止めればよいのかを、高校生の皆さんにも分かりやすく、体系的に解説していきます。

慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
まず結論からお伝えします。「BF」とは「ボーダーフリー(Border Free)」の略です。その名の通り、合格と不合格を分ける「境界線(ボーダーライン)が、事実上ない」という状態を示しています。
これは、予備校などが大学の難易度を示すために使う指標の一つです。では、なぜ境界線がなくなるのでしょうか。比喩を使って考えてみましょう。
【比喩で理解するBF】
定員100名のライブ会場があるとします。もし300人の応募があれば、抽選で100人を選び、200人は落選します。しかし、もし応募が80人しか来なかったらどうでしょうか? 希望者は全員、会場に入ることができます。このとき、当選と落選の「境界線」は存在しません。これがBFの状態です。
つまり、大学入試において、不合格になる人がほとんどいないため、合格に必要な学力レベル(ボーダーライン偏差値)を算出できない状態、それが「BF」なのです。
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「合格の境界線がない」という状況は、主に以下の2つの理由から生まれます。
これらの背景には、18歳人口の減少(少子化)と大学数の増加という、日本社会が抱える大きな構造問題が関係しています。
「BF」と聞くと、「Fランク大学」という言葉を思い浮かべる人もいるかもしれません。しかし、この2つは意味が異なります。違いを正しく理解しておくことは、とても重要です。
| 項目 | 偏差値BF | Fランク大学 |
|---|---|---|
| 定義 | 合格ラインが算出できないという客観的な状態を示す予備校用語。 | 明確な定義はなく、学力が低いと見なされる大学への主観的で侮蔑的な俗称。 |
| 使われ方 | 模試の判定や大学情報サイトでのデータ表記。 | インターネットの掲示板や日常会話でのレッテル貼り。 |
| 意味合い | 「不合格者が出にくい」という事実。 | 「レベルが低い」というネガティブな価値判断。 |
大切なのは、「BF」はあくまでデータ上の状態を示しているに過ぎないということです。それを「Fランク」という言葉でひとくくりにし、中身をよく調べもせずに「良くない大学だ」と決めつけてしまうのは、非常に危険な行為です。あなたの可能性を狭めてしまうかもしれません。
では、BFと表記されている大学や学部を、私たちはどのように考えれば良いのでしょうか。それは「偏差値というモノサシだけに頼らず、自分の目で確かめる」ということに尽きます。
BFの大学を選ぶ際に、考えてみてほしいポイントをいくつか挙げます。
これらの情報は、大学のパンフレットやウェブサイトだけでは分かりません。ぜひオープンキャンパスに足を運び、先生や先輩の話を聞いて、大学の雰囲気を肌で感じてみてください。それが、あなたにとって最高の大学を見つけるための最も確実な方法です。
BFの大学は、必ず定員割れしているのですか?
必ずしもそうとは限りません。
BFになる最も多い原因は定員割れですが、先述の通り、総合型選抜や推薦入試が中心で学力試験の比重が極端に低い場合もBFと表記されることがあります。この場合、倍率が1.0倍を超えていても、偏差値という指標では測れないためBFとなります。
BFの大学に行くと、就職で不利になりますか?
一概には言えません。いわゆる「学歴フィルター」が存在する一部の企業では、影響が出る可能性はあります。
しかし、最も重要なのは「大学で何を学び、どんな力を身につけたか」です。大学名だけで判断する企業は年々減っています。BFの大学であっても、目標を持って4年間を過ごし、主体的な学びや課外活動を通じて自分の強みを語れるようになれば、道は拓けます。大学のキャリアセンターの支援体制なども重要な判断材料になります。
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最後に、この記事の最も重要なポイントを振り返りましょう。