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慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
「システム英単語」は、駿台文庫から出版されている大学受験向けの英単語帳です。長年にわたり多くの受験生に支持されており、大学入試英単語帳の定番の一つとして広く認知されています。
本書は単なる単語の羅列ではなく、大学入試問題を徹底的に分析し、そのデータに基づいて設計されている点が最大の特徴です。そのため、目的意識の高い(=大学に合格したい)学習者にとって、非常に効率的な学習ツールとして機能すると考えられます。
本書では、単語を覚えるために「最も短く、実践的な形」である「ミニマル・フレーズ」が採用されています。これは、実際の入試でその単語がどのような形で使われるかを示した、数語からなる短い句です。
長文の例文を読む必要がないため、学習のテンポが速まります。特に、多くの単語を短期間で記憶する必要がある受験生にとって、この「記憶のしやすさ」と「速習性」は大きな利点と言えます。一方で、文脈全体を理解する力は、別途長文読解の演習で補う必要があります。
掲載されている単語は、最新の大学入試問題のデータを分析し、出題頻度が高い順に並べられています。章立てはレベル別に構成されており、自分の志望校レベルに合わせて学習範囲を調整できます。
高校1、2年生の段階では、まず最重要単語がまとめられている最初の1〜2章(約1200語)を完璧にすることが、基礎学力の定着と今後の学習の土台作りにおいて極めて効果的です。学習の優先順位が明確になるため、モチベーションを維持しやすいという心理的効果も期待できます。
最終章には、一つの単語が複数の意味を持つ「多義語」がまとめられています。また、各単語には関連する派生語(名詞形、動詞形など)も豊富に掲載されています。
入試では、基本的な単語の意外な意味が問われることが少なくありません。多義語をまとめて学習できる構成は、得点力を左右する重要なポイントへの対策として有効です。派生語を同時に覚えることで、語彙力を爆発的に増やす「ネットワーク学習」が可能になります。
多くの単語帳では別売りとなっていることが多い音声CDの内容が、公式サイトやアプリから無料でダウンロードできます。
単語は「見て覚える」だけでなく「聞いて覚える」ことで記憶の定着率が格段に向上します。また、正しい発音を学ぶことは、リスニング対策の第一歩です。通学時間などの隙間時間を活用した「耳からの学習」は、忙しい高校生にとって非常に合理的な学習法と言えるでしょう。
本書は効率を最優先して設計されているため、イラストや長文のストーリーなどは含まれていません。
学習者によっては、このシンプルな構成が単調で飽きやすいと感じる可能性があります。特に、物語を読んだり、イラストを見たりしながら楽しく学びたいタイプの学習者には、本書のスタイルが合わないかもしれません。継続が何よりも重要ですので、購入前に書店でレイアウトを確認することをお勧めします。
ミニマル・フレーズは覚えやすい反面、そのフレーズの形でしか単語の意味を思い出せない、という状態に陥ることがあります。
これは「フレーズごと暗記してしまい、単語単体の意味が柔軟に出てこない」というリスクを示唆します。定期的に単語だけを見て意味を即答するテストを行うなど、学習方法に一工夫加えることで、このリスクは軽減できるでしょう。
システム英単語シリーズの主要な書籍の料金は以下の通りです。学習レベルに応じて選択することが推奨されます。
| 書籍名 | 対象レベル | 本体価格(税込) |
|---|---|---|
| システム英単語 Basic <5訂版> | 高校基礎〜共通テスト | 1,100円 |
| システム英単語 <5訂版> | 共通テスト〜難関大 | 1,100円 |
※2025年8月時点の公式情報です。価格は改定される可能性があります。
インターネット上の口コミやレビューサイトから、システム英単語に関する代表的な意見を収集・整理しました。
「ミニマル・フレーズが本当に覚えやすい。サクサク進められるので、挫折しにくかった。」(高校3年生)
「出る順になっているので、どこまでやればどのレベルか分かりやすい。目標が立てやすかった。」(大学1年生)
「無料の音声がクオリティ高い。通学中に何度も聞くことで、リスニング力も上がった気がする。」(高校2年生)
「レイアウトが文字だらけで、開くのが少し憂鬱になる時があった。もう少しカラフルな方が好き。」(高校2年生)
「例文が短すぎて、どういう場面で使うのかイメージしにくい単語もあった。長文の中で覚えたい派には向かないかも。」(浪人生)
「友達はみんな使っていたけど、自分には合わなかった。結局、別の単語帳に乗り換えた。」(高校3年生)
評判を分析すると、本書の評価は「効率性」と「無機質さ」という表裏一体の特性に集約されることがわかります。この特性が自身の学習スタイルや性格と合致するかどうかが、本書を有効活用できるか否かの分水嶺となるでしょう。
高校1年生ですが、通常版(青)とBasic(緑)のどちらから始めるべきですか?
結論から言うと、まずは書店で両方を見比べて判断することをお勧めします。一般的には、中学レベルの英単語に不安がある場合や、英語が苦手な場合は「Basic」から始めるとスムーズです。一方、既に模試などで一定の成績が取れており、大学受験を本格的に意識するなら、通常版の1章から着実に進めるのが効率的です。
この単語帳1冊だけで、大学受験の単語は万全ですか?
多くの大学において、本書の掲載語彙をマスターすれば語彙力で大きく不利になることはない、と評価されています。特に難関大学を目指す場合でも、まずは本書の単語を完璧に覚えることが最優先です。その上で、過去問演習などで出会った未知の単語を個別に追加していく学習法が、最も現実的かつ効果的と考えられます。