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2025年10月05日 一般-参考書

【塾講師が解説】速読英単語の中学生版を解説-難易度から使い方まで

【徹底分析】速読英単語 中学版

高校受験の「その先」まで見据えた一冊

参考書について

『速読英単語 中学版』は、大学受験の世界で絶大な支持を得る「速単」シリーズの中学生向け教材です。「長文の中で生きた単語を覚える」という一貫したコンセプトは、単なる暗記作業に陥りがちな単語学習に革命をもたらしました。

本書の基本的な情報から、具体的な学習効果、他の人気単語帳との比較、そして効果を最大化するための使い方まで、網羅的に分析します。高校受験を控えた中学生が「自分に本当に合う一冊か?」を判断するための、客観的な情報を提供します。

この記事を書いた人

自己紹介画像

慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!

基本情報

書名 速読英単語 中学版 [改訂版]
著者 風早 寛
出版社 Z会
対象レベル 中学基礎〜高校入試(難関校レベルまで対応)

速単の特徴と構成

本書の最大の特徴は、単語を単体で覚えるのではなく、まとまった英文(長文)の中で覚えていく点にあります。これにより、単語の持つ意味だけでなく、文中での使われ方やニュアンスまで自然に吸収できる設計となっています。

構成は、見開きの左ページに英文、右ページにその和訳が配置されています。次のページでは、その英文で使われた重要単語がリストアップされ、意味や関連語が解説されています。このサイクルを繰り返すことで、「読む力」と「語彙力」を同時に鍛え上げます。

【塾講師のコメント】

この「英文→単語リスト」という構成は、単語の丸暗記が苦手な生徒に特に有効です。ストーリーの中で単語に触れるため記憶に残りやすく、また英文を読む習慣がつくため、高校入試で年々重要度を増している長文読解への耐性も自然と身につきます。一石二鳥の効果が期待できる構成と言えるでしょう。

 

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本書で得られる学力と推奨される使用者

得られる学力

1. 文脈に基づいた語彙力: 頻出単語約2,300語を、実際の使われ方とセットで覚えられます。

2. 速読力の基礎: 意味のカタマリを意識しながら英文を読む訓練ができ、読解スピードの向上が期待できます。

3. リスニング力: 無料のダウンロード音声を使えば、耳からも英文と単語をインプットでき、リスニング対策にもなります。

4. 長文読解の土台: 様々なテーマの英文に触れることで、高校入試の長文問題への抵抗感をなくします。

おすすめの人

・単語の単純暗記が苦手な中学生: 物語や文脈の中でなら覚えられる、というタイプに最適です。

・語彙力と読解力を同時に伸ばしたい中学生: 効率的に総合的な英語力を高めたい生徒に向いています。

・難関高校を目指す中学生: 高校入試レベルを超える単語も一部含まれており、高校入学後にも繋がる語彙力を養成できます。

効果的な使い方

ステップ1:英文を読む: まずは自力で英文を読み、大意を掴もうとします。音声を聞きながら読む「シャドーイング」も効果的です。

ステップ2:単語の確認: 英文の後の単語リストで、知らなかった単語、あやふやだった単語の意味と使い方を確認します。

ステップ3:再度英文を読む: 単語の意味を理解した上で、もう一度英文を読みます。初回よりもスムーズに読めることを実感しましょう。

ステップ4:音読と暗記: 仕上げに英文を何度も音読します。これにより、単語だけでなく、文の構造やリズムが体に染み付きます。単語リストは赤シートを活用して繰り返し復習します。

他の参考書にはない独自の強み

『速読英単語 中学版』の最大の強みは、単語帳でありながら「長文読解の参考書」としての側面を強く併せ持っている点です。多くの単語帳が「単語→例文」という構成であるのに対し、本書は「長文→単語」という逆のアプローチを取ります。これにより、学習者は単語の知識だけでなく、英文を読む体力と集中力、そして文脈から意味を推測する力といった、より実践的なスキルを自然に養うことができるのです。

同レベルの参考書との徹底比較

ここでは、高校受験生に人気の代表的な英単語帳である『中学版システム英単語』と『高校入試 でる順ターゲット中学英単語1800』を競合として比較分析します。

比較項目 本書(速単) 中学版シス単 ターゲット1800
コンセプト 長文の中で覚える 短いフレーズで覚える 一語一義を頻出順で覚える
学習スタイル 読解力と語彙力を同時強化 単語の「使い方」を効率的に習得 試験直結の単語を高速で暗記
長所 ・記憶に定着しやすい
・長文への抵抗がなくなる
・学習テンポが良い
・文法事項も同時に学べる
・頻出順で効率的
・レイアウトがシンプル
注意点 ・1周に時間がかかる
・単語だけを素早く見たい時には不向き
・まとまった長文読解の練習にはならない ・単語の使われ方が分かりにくい場合がある

【塾講師のコメント】

どの単語帳も優れていますが、学習の「主目的」で選ぶのが良いでしょう。長文読解力を根本から鍛えたいなら『速単』単語のコロケーション(繋がり)を重視するなら『シス単』、そして試験に出る順に無駄なく覚えたいなら『ターゲット』が最適です。自分の現在の学力と、最終的にどうなりたいかを考えて選択することをおすすめします。

使用上の注意点と前提知識

本書は中学1年生レベルから始まりますが、ある程度の基本的な文法知識(動詞、名詞、時制など)があった方がスムーズに学習を進められます。全くの英語初学者の場合、まずは教科書レベルの文法を固めてから手に取る方が、挫折しにくいでしょう。また、前述の通り、単語だけを機械的に覚えたい生徒には、構成上、やや非効率に感じられる可能性があります。

使っている人の声(良い口コミ・気になる口コミ)

「物語を読むのが好きなので、苦にならずに単語が覚えられました。長文問題への苦手意識が薄れたのが一番の収穫です。」

「音声が無料でダウンロードできるのが良い。通学中に聞くだけでもリスニングの力がついた気がします。」

「テスト前に単語だけをサッと復習したいとき、長文が間にあるのが少しもどかしく感じることがありました。」

「最初のうちは知らない単語が多すぎて、長文を読むのに時間がかかりました。根気が必要だと思います。」

 

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よくある質問(Q&A)

Q.

この一冊だけで高校受験の単語は十分ですか?

A.

ほとんどの公立高校、多くの上位私立高校の入試に対応できる語彙力が身につきます。ただし、超難関校を受験する場合は、過去問を解いた上で、必要に応じて追加の単語学習を行うと万全です。

Q.

1周するのにどれくらいの時間がかかりますか?

A.

学習者の現在のレベルによりますが、毎日1つの長文を進めるペースで約2ヶ月が一つの目安です。重要なのは時間よりも、一文一文を丁寧に読み、単語を確実に覚えていくことです。何度も繰り返すことで、より効果が高まります。

まとめとおすすめする受験生

『速読英単語 中学版』は、単なる単語の暗記に留まらず、高校入試、さらにはその先の学習で不可欠となる「長文読解力」の土台を築くための戦略的な一冊です。英文を読むこと自体を学習プロセスに組み込むことで、語彙力と読解力を螺旋状に高めていくことができます。

特に、「単純な暗記作業は苦手だが、英語の長文をスラスラ読めるようになりたい」と願う中学生にとって、これ以上ないパートナーとなるでしょう。逆に、時間がない中で試験に出る単語だけを効率的に詰め込みたい場合は、他の単語帳を検討する余地があります。

本書を使いこなすことができれば、高校受験はもちろん、大学受験まで繋がる本質的な英語力を手に入れることができる、非常にポテンシャルの高い教材です。

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