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今回は、東京書籍が発行する網羅系参考書『NEW ACTION LEGEND』(ニューアクションレジェンド)シリーズを徹底分析します。多くの受験生が利用する「チャート式」や「Focus Gold」といったライバルひしめく中で、本書はどのような立ち位置にあり、特に「難関大を目指したいが、数学に苦手意識がある」という受験生にとって最適な一冊となりうるのか、データと多数の合格者へのヒアリングに基づき、詳細に解説していきます!

慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
『NEW ACTION LEGEND』は、教科書レベルの基礎から入試応用レベルまでを幅広くカバーする、いわゆる「網羅系参考書」です。最大の特徴は、問題の解法だけでなく、「なぜそのように考えるのか」という思考プロセスを重視した丁寧な解説にあります。これにより、単なる暗記数学に陥ることなく、数学の本質的な理解を促すことを目指しています。
ここではシリーズの代表として「数学I+A」の情報を記載します。
| 書名 | NEW ACTION LEGEND 数学I+A |
| 著者 | 東京書籍編集部 |
| 対象レベル | 教科書基礎~難関大学入試 |
| 値段 | 2,160円(税込) ※2025年10月時点 |
| 公式リンク | 東京書籍公式サイト |
本書の構成は、読者の理解を段階的に深めるよう、緻密に設計されています。
1. 基本・例題・演習題の3段階構成:
各セクションは、まず基本事項の確認から始まり、最も重要な「例題」、そしてその類題である「演習題」へと続きます。この流れにより、知識のインプットからアウトプットまでをスムーズに行えます。
2. 「ACTION」と「LEGEND」:
例題の解説には、解法の要点をまとめた「ACTION」が必ず記載されています。これにより、問題に取り組む上での着眼点が明確になります。さらに、発展的な内容や数学的背景を解説するコラム「LEGEND」が随所に配置されており、知的好奇心を満たし、より深い理解へと導きます。
3. 豊富な問題量とレベル設定:
章末には「Let’s TRY!」「CLEAR」といった問題が配置され、実践力を養います。問題にはレベルが表示されており、現在の自分の学力や目標に応じて取り組む問題を選択しやすい構成になっています。
この参考書の構成は、特に数学に苦手意識を持つ受験生にとって「思考の道筋をインストールする」上で非常に効果的です。多くの生徒が「解答を見れば分かるけど、初見で解けない」という悩みを抱えていますが、本書の「ACTION」は、その”第一手”をどう考え出すかを言語化してくれています。この「思考のプロセスを学ぶ」という点が、単なる問題集との決定的な違いであり、本書の最大の価値と言えるでしょう。
『NEW ACTION LEGEND』シリーズを計画的にやり遂げることで、地方国公立大学から、MARCH・関関同立、そして早慶上智といった難関私立大学、さらには旧帝大レベルの入試問題に対応できる数学的思考力と計算力が身につきます。
<特におすすめな人>
・難関大学を目指しているが、数学の偏差値が50〜60前後で伸び悩んでいる人
基礎は理解しているつもりでも、応用問題になると手が出なくなる受験生に最適です。丁寧な解説が、そのギャップを埋めてくれます。
・学校の授業の進度が早く、ついていくのがやっとだと感じている人
教科書よりも詳しい解説が、予習・復習の強力なパートナーとなります。
・他の網羅系参考書(チャート式など)の解説が簡潔すぎると感じる人
「行間を読む」のが苦手なタイプでも、本書の解説ならスムーズに理解を進められる可能性が高いです。
1. まずは例題を完璧に:
本書の心臓部は例題です。解説を読まずにまず自力で解いてみましょう。解けなかった場合は、「ACTION」をヒントにもう一度挑戦します。それでも分からなければ解説を熟読し、必ず「何も見ずに解ける」状態になるまで反復練習します。
2. 演習題で定着を確認:
例題が完璧になったら、すぐ下の演習題に取り組みます。ここで例題の解法パターンを自分のものにできているかを確認します。
3. 3周以上繰り返す:
1周目は完璧を目指さず、分からなくてもどんどん進めましょう。2周目、3周目と繰り返すことで、知識が定着し、解ける問題が飛躍的に増えていきます。特に苦手な分野は重点的に反復することが重要です。
本書の最大の強みは、「解説の丁寧さ」と「思考プロセスの言語化」にあります。他の網羅系参考書が、ある程度数学が得意な読者を想定し、解答への道筋を比較的シンプルに記述しているのに対し、『NEW ACTION LEGEND』は、数学が苦手な読者がどこで躓くかを熟知した上で、一歩一歩、丁寧に解説を進めてくれます。この「寄り添う姿勢」こそが、本書を唯一無二の存在にしていると言えます。
私が指導する生徒で、青チャートで挫折してしまった子が、この『NEW ACTION LEGEND』に切り替えてから数学の成績が劇的に向上したケースがいくつもあります。彼らに共通していたのは、「答えの1行目が出てこない」という悩みでした。本書は、その「なぜそう考えるのか?」という根源的な問いに答えてくれるため、彼らにとってまさに”救世主”となったのです。
ここでは、網羅系参考書の代表格である『青チャート』と『Focus Gold』を競合として、比較分析を行います。
| 比較項目 | 本書(N.A.LEGEND) | 青チャート | Focus Gold |
|---|---|---|---|
| コンセプト | 思考プロセスを重視し、寄り添うように解説 | 解法パターンを網羅・分類し、辞書的に学習 | 数学の本質を追求し、応用力を養成 |
| 解説の丁寧さ | 非常に丁寧。途中計算も省略が少ない | 簡潔。ある程度の読解力が必要 | 丁寧だが、ややハイレベルな視点からの記述も多い |
| 問題量 | 多い | 非常に多い | 非常に多い |
| 到達レベル | 難関大 | 最難関大まで対応 | 最難関大まで対応 |
| おすすめな人 | 数学に苦手意識がある難関大志望者 | 解法暗記が得意な、標準〜得意な人 | 数学の本質を理解したい、意欲の高い人 |
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本書は非常に優れた参考書ですが、注意点もあります。まず、圧倒的なボリュームです。すべての問題を完璧にこなそうとすると、途中で挫折してしまう可能性があります。学校の授業と並行し、計画的に進めることが不可欠です。
また、本書は教科書レベルの解説から始まりますが、最低限、教科書に書かれている定義や公式は一通り目を通していることが前提となります。全くのゼロの状態から始めると、情報量の多さに圧倒されるかもしれません。
実際に本書を利用した受験生からは、以下のような声が聞かれます。
“青チャートの解説が分からなくて困っていたけど、レジェンドは本当に丁寧で、なんでそうなるのかが初めて理解できた。数学の勉強が少し楽しくなった。(高3・私立文系)”
“独学で数学を進める上で、最高の相棒でした。特にLEGENDのコラムが面白くて、数学の背景知識が深まった気がします。(既卒生・国公立理系)”
“とにかく分厚くて重い。持ち運びには向いていないので、家でじっくり取り組む用です。問題数が多いので、計画的にやらないと終わらない。(高3・国公立理系)”
“解説が丁寧な分、少し回りくどく感じることがある。数学が得意な人には、もっと簡潔なチャート式の方が合っているかもしれない。(高2・私立理系)”
この参考書だけで、東大や京大の入試に対応できますか?
この一冊で合格点を取るのは難しいでしょう。『LEGEND』はあくまで入試の標準〜応用レベルまでの「土台」を築くための参考書です。東大・京大レベルを目指すのであれば、本書を完璧に仕上げた後、『新数学スタンダード演習』や『やさしい理系数学』といった、よりハイレベルな問題集に進み、実戦力を磨く必要があります。
問題集は別で買う必要がありますか?
基本的には不要です。『LEGEND』は参考書でありながら、網羅的な問題集の側面も持っています。まずは本書に掲載されている問題を完璧に解けるようにすることを最優先してください。その上で、特定の分野を強化したい場合や、過去問演習に入る前の段階で、別途問題集を追加するのは有効です。
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『NEW ACTION LEGEND』シリーズは、「難関大学を目指したい、しかし数学には苦手意識がある」という受験生にとって、まさに理想的な一冊となりうる網羅系参考書です。
その最大の武器である「思考プロセスを重視した丁寧な解説」は、他の参考書で挫折した経験を持つ受験生の数学力を、基礎から着実に引き上げてくれるでしょう。ボリュームの多さという課題はありますが、それを乗り越えてやり遂げた時、難関大入試を戦い抜くための強固な土台が完成しているはずです。
もしあなたが、解答の1行目が思いつかずに悩み、数学の勉強が苦痛になっているのなら、一度本書を手に取ってみることを強くお勧めします!あなたの数学学習のブレークスルーになる可能性を秘めた一冊です。みなさまの志望校合格へ、この記事が役に立てれば幸いです!