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大学受験生から絶大な支持を得る『英作文ハイパートレーニング 自由英作文編』について紹介します。あなたの志望校合格に向けた最適な一冊を見極める一助となれば幸いです。

慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
『英作文ハイパートレーニング 自由英作文編』は、桐原書店から出版されている、大学入試の自由英作文に特化した参考書です。単に表現を暗記するのではなく、「何を」「どのような構成で」書くかという、思考プロセスそのものから徹底的に解説している点が最大の特徴です。多くの受験生が苦手とする「意見を発想し、論理的に構築する力」を養うことを目的としています。
| 書名 | 英作文ハイパートレーニング 自由英作文編 |
| 著者 | 大矢 復 |
| 対象レベル | 大学入学共通テスト~難関国公立・私立大学(英語偏差値55~) |
| 値段 | 1,375円(税込) |
| 公式リンク | 桐原書店公式サイト |
本書の構成は、非常に体系的です。大きく分けて以下の3部構成になっています。
第1部:自由英作文のストラテジー
自由英作文で高得点を取るための基本戦略を学びます。どのようにアイデアを出し、論理的な構成(導入→本論→結論)を組み立てるか、その思考法が具体的に示されます。
第2部:頻出テーマ別実践演習
教育、環境、テクノロジーといった入試頻出のテーマについて、実際に問題を解きながら学びます。各問題には複数の解答例や詳細な解説が付いており、多角的な視点を養えます。
第3部:覚えておきたい重要表現
自由英作文で即戦力となる便利な表現や構文がまとめられています。
【塾講師のコメント】
本書の真価は、第1部の「ストラテジー」にあります。多くの受験生は「英語でどう書くか」ばかり気にしますが、実はその前の「日本語で何をどう組み立てるか」が勝負を分けます。この思考プロセスを言語化し、体系的に学べる参考書は非常に貴重です。この部分をじっくり読み込むことで、他の受験生と大きく差をつけることができます。
この参考書を通して、以下の能力を身につけることができます。
・与えられたテーマに対して、自分の意見を構築する論理的思考力
・説得力のある文章構成力(パラグラフリーディングの構築)
・自分の意見を的確な英語で表現する力
したがって、以下のような受験生に特におすすめです。
・英語の文法や単語の知識はあるが、自由英作文になると何を書けば良いか分からなくなる人
・自己流の英作文に限界を感じ、論理的な書き方を基礎から学びたい人
・国公立二次試験や難関私立大学で、自由英作文の配点が高い人
本書の効果を最大化するための使い方を提案します。
1. まずは自力で書く:解説や解答例を見る前に、必ず自分の力で答案を作成します。時間も計るとより実践的です。
2. 解答例との比較分析:自分の答案と本書の解答例を徹底的に比較します。使われている語彙、構文、そして何より「論理の展開」の違いを分析しましょう。
3. 解説の熟読:なぜその解答例が優れているのか、解説を読み込み、思考プロセスを理解します。
4. 表現のストック:解答例や第3部に出てきた有用な表現をノートにまとめ、自分だけの「表現集」を作成します。
5. 添削を受ける:可能であれば、学校や塾の先生に自分の書いた英文を添削してもらい、客観的なフィードバックを得ることが非常に重要です。
本書の最大の強みは、「思考のプロセスを可視化している点」に尽きます。多くの参考書が「良い英文例」の提示に留まる中、本書は「その英文に至るまでのアイデアの出し方、反論への備え、構成の作り方」といった、解答作成の舞台裏を丁寧に解説しています。これにより、未知のテーマが出題された際にも対応できる、応用力の高い英作文能力が身につきます。
ここでは、同じく人気のある自由英作文の参考書2冊と徹底比較を行います。競合書として『大学入試 英作文が面白いほど書ける本』(竹岡広信 著)と『大学入試 肘井学の 自由英作文が面白いほど書ける本』を選定しました。
| 比較項目 | 本書 | 英作文が面白いほど書ける本(竹岡) | 自由英作文が面白いほど書ける本(肘井) |
|---|---|---|---|
| コンセプト | 思考プロセス・論理構築重視 | 英作文の「原則」を学び、ミスなく書く力を養成 | 頻出テーマの「型」を覚え、素早く解答を作成 |
| 解説の方向性 | なぜその構成・表現になるのかを詳説 | 受験生が陥りがちな誤りを指摘し、減点されない書き方を伝授 | 使える表現・構成パターンを豊富に提示 |
| 例文のレベル | やや高度で格調高い表現も含む | シンプルで間違いのない、汎用性の高い表現が中心 | 覚えやすく、応用しやすい実用的な表現が中心 |
| おすすめな人 | 根本から論理力を鍛えたい人 | 英作文で減点されたくない、安定した点数を取りたい人 | 短期間で色々なテーマに対応できる即戦力をつけたい人 |
【塾講師のコメント】
三者三様で、どれも優れた参考書です。本書が「考える力」を鍛える哲学者なら、竹岡先生の本は「ミスのない技術」を教える職人、肘井先生の本は「即戦力となる武器」を授ける教官、といったイメージでしょうか。自分の弱点と目指すレベルに合わせて選ぶのが最善です。論述力が問われる難関国公立志望者には、本書の思考プロセスを学ぶ価値が特に高いと言えます。
本書は、ある程度の英語基礎力が前提となります。具体的には、高校レベルの英文法を一通り終え、標準的な単語帳を1冊マスターしている(偏差値55以上)ことが望ましいです。文法が曖昧なまま取り組むと、表現の暗記に終始してしまい、本書の長所である論理構築の学習効果が半減してしまいます。必ず、文法・単語の基礎を固めてから使用を開始してください。
実際に使用した受験生からの声を、当機関が独自に収集・分析しました。
「今まで何を書けばいいか分からず手が止まっていたが、この本のおかげで『まず何を考えて、どう構成するか』という道筋が見えるようになった。特に解答例が複数あるのがありがたい。」(東京外国語大学 合格者)
「解答例の英語が少し難しく感じることがあった。ただ丸暗記しようとすると挫折するかも。解説を読んで、自分の言葉で再現する練習が必要だと感じた。」(早稲田大学 在学生)
この1冊だけで、自由英作文の対策は万全ですか?
本書で自由英作文の「書き方の核」は完全にマスターできます。ただし、最終的には志望校の過去問に複数年取り組み、出題形式や時間配分に慣れることが不可欠です。本書はあくまで土台を完璧にするための最良の1冊と位置づけてください。
1周するのに、どれくらいの期間がかかりますか?
受験生の学習ペースによりますが、標準的には週に2~3テーマのペースで進めて、約2ヶ月での完成が一つの目安となります。ただ書くだけでなく、復習と表現ストックの時間をしっかり確保することが重要です。焦らずじっくり取り組むことをお勧めします。
『英作文ハイパートレーニング 自由英作文編』は、単なる表現集ではなく、自由英作文という知的ゲームの「戦略・戦術」を授けてくれる指南書です。思考力を根本から鍛え、どんなテーマにも対応できる本質的な実力を養成したいと考える受験生にとって、これ以上ないパートナーとなるでしょう。
【こんなあなたにおすすめです】
・英語の偏差値は55以上あり、基礎は固まっている。
・自由英作文で高得点を稼ぎ、他の受験生に差をつけたい。
・小手先のテクニックではなく、論理的な文章構成力を身につけたい。
・国公立二次試験や早慶上智などの難関大学を志望している。