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今回は、英検準1級対策の英単語帳として絶大な人気と信頼を誇る、旺文社の『英検準1級 でる順パス単 5訂版』を徹底的に分析します。英語の偏差値が60を超え、さらなる高みを目指す学習者にとって、この単語帳が本当に最適なのか深掘りしていきます。
慶應義塾大学経済学部経済学科３年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生～大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています！
『でる順パス単』シリーズは、英検対策単語帳の「王道」とも言える存在です。長年にわたる英検の過去問データを徹底的に分析し、出題頻度の高い順に単語・熟語を掲載しているのが最大の特徴です。学習者は試験に出やすい重要な単語から効率的に学習を進めることができ、多くの受験者から支持されています。
5訂版では、最新の出題傾向が反映され、無料音声アプリ「英語の友」にも対応するなど、現代の学習スタイルに合わせたアップデートが施されています。
| 書名 | 英検準1級 でる順パス単 5訂版 |
| 著者 | 旺文社 |
| 対象レベル | 高校卒業〜大学中級レベル / 英検準1級 |
| 値段 | 1,815円（税込） |
| 公式リンク | https://www.obunsha.co.jp/product/detail/094983 |
本書の構成は非常にシンプルかつ機能的です。収録されている1900語（単語1600語＋熟語300語）が、過去の出題頻度に応じて「でる順A・B・C」の3つのセクションに分けられています。これにより、学習者は最優先で覚えるべき単語から取り組むことができます。各単語には短い例文（主にフレーズ）が付いており、赤シートで隠せるようになっています。また、巻末には会話表現やライティング・スピーキングで役立つ表現などもまとめられており、4技能対策を意識した作りになっています。
【塾講師のコメント】
この「でる順」というコンセプトは、特に試験までの時間がない受験生にとって大きなメリットです。やみくもにAからZまで覚えるのではなく、頻出単語から潰していくことで、学習の初期段階から得点に結びつきやすい知識を効率的に蓄積できます。これは学習のモチベーション維持にも繋がる、非常によく考えられた構成と言えるでしょう。
英検準1級レベルの単語は、大学受験においては難関私立大学（MARCH、関関同立）から最難関国公立大学（旧帝大、早慶）の入試で求められる語彙力に相当します。想定読者である「英語偏差値60以上」の学習者にとっては、既知の単語も多く含まれているかもしれませんが、それらの知識をより確実なものにし、さらに高度な語彙へとステップアップするための最適な一冊です。特に、長文読解で文脈から意味を推測していた単語や、ライティングで使いたいけどスペルが曖昧だった単語などを、ここで一気に固めることができます。
この単語帳をマスターすることで、英検準1級の合格はもちろん、大学入学共通テストで語彙に困ることはほぼなくなり、難関大学の英語長文もスムーズに読解できるようになるための盤石な語彙基盤が築かれます。
＜こんな人におすすめ＞
・英検準1級の合格を最短ルートで目指す人
・効率性を重視し、試験に出やすい単語から覚えたい人
・シンプルな構成の単語帳で、テンポよく学習を進めたい人
・難関大学受験の語彙力を盤石にしたい高校3年生・既卒生
偏差値60以上の学習者が本書の効果を最大化するための使い方を紹介します。
1. 全体の高速周回：
まずは1日100語などのペースを決め、知らない単語にチェックを入れながら高速で1周します。この段階では完璧に覚えようとせず、とにかく最後まで目を通すことが重要です。
2. アプリの活用：
旺文社の無料アプリ「英語の友」をフル活用しましょう。通学時間などのスキマ時間に音声を聞き流すことで、リスニング力と記憶の定着率が飛躍的に向上します。特に、音声を聞いて瞬時に意味が言えるようになるまで繰り返す「音声ベース」の学習が効果的です。
3. 派生語・関連語への展開：
見出し語を覚えるだけでなく、各ページに掲載されている派生語や対義語・類義語にも意識を広げましょう。語彙をネットワークとして捉えることで、応用力が格段に上がります。
4. アウトプットでの使用：
覚えた単語を、学校の英作文の授業やオンライン英会話などで積極的に使ってみましょう。自分で使ってみることで、単語は単なる「知識」から「使えるスキル」へと昇華します。
『でる順パス単』の最大の強みは、なんと言っても「圧倒的なデータ分析に裏打ちされた信頼性」です。他の多くの単語帳が「重要」とされる単語を網羅的に掲載する中、本書は「試験に出る確率」という極めて実践的な指標で単語を配列しています。このコンセプトの徹底こそが、長年にわたり英検受験者のバイブルとして君臨し続ける理由であり、他の追随を許さない独自の強みと言えます。
ここでは、同じ英検準1級レベルでよく比較される2冊の単語帳と『でる順パス単』を比較分析します。
| 比較項目 | 本書（パス単） | （単熟語EX） | （システム英単語） |
|---|---|---|---|
| コンセプト | 頻度順で効率的に暗記 | 長文の文脈の中で覚える | ミニマルフレーズで覚える |
| 例文の質 | 短いフレーズ（簡潔） | 長文パッセージ（高品質） | 短いフレーズ（実践的） |
| 情報量 | 標準的（派生語は掲載） | 多い（語源・コラム充実） | 多義語の解説が特に豊富 |
| 学習効率 | 非常に高い | 時間はかかるが定着しやすい | 高い |
| 対象者 | 効率重視の学習者 | 読解力を同時に鍛えたい学習者 | 大学受験と並行する学習者 |
【塾講師のコメント】
どの単語帳も素晴らしいですが、コンセプトが明確に異なります。『パス単』は「最短距離」、『単熟語EX』は「質の高いインプット」、『システム英単語』は「大学受験との親和性」に強みがあります。偏差値60以上の方はすでにある程度の読解力があるため、『パス単』で高速に語彙を増強し、余った時間を長文演習やライティング対策に充てるという戦略が非常に有効です。もし語彙の覚え方にマンネリを感じているなら、コンセプトの違う『単熟語EX』に挑戦するのも良いでしょう。
本書は非常に優れた単語帳ですが、注意点もあります。最大の注意点は、例文が短いフレーズであるため、単語の具体的な使い方が掴みにくい場合があることです。機械的な暗記に陥りやすく、「単語の意味は知っているが、長文では読めない・英作文では使えない」という状態になる可能性があります。偏差値60以上の学習者は、知らない単語に出会ったら辞書で詳しい用法を確認したり、オンラインで実際の用例を検索したりするひと手間を惜しまないでください。
前提知識としては、高校基礎レベル（英検2級程度）の語彙力と文法力があればスムーズに学習に入れます。この点、ペルソナの方は全く問題ないでしょう。
“やはり『でる順』は信頼できる。AとBを固めただけで過去問の語彙問題がかなり解けるようになった。無料アプリの音声が聞きやすく、通学中に何度もリピートして覚えました。”
“レイアウトがシンプルで、サクサク進められるのが良い。余計な情報が少ない分、単語を覚えることに集中できた。これ一冊を完璧にしたら、大学の過去問に出てくる単語で困ることはほとんどなくなった。”
“例文が短すぎて、どういう文脈で使うのか分からない単語がいくつかあった。結局、自分で辞書を引く必要があったので、少し非効率に感じた。”
“単語を覚えるだけの作業になりがちで、正直なところ退屈だった。もう少し読み物的な要素がある単語帳の方が自分には合っていたかもしれない。”
この単語帳1冊だけで、英検準1級の語彙は本当に十分ですか？
はい、合格に必要な語彙の95%以上はカバーできると考えて問題ありません。本書を完璧に仕上げれば、語彙力不足で不合格になる可能性は極めて低いです。ただし、過去問演習などで出会った未知の単語は、別途リストアップして覚えるようにしましょう。
大学受験がメインなのですが、この単語帳を使っても大丈夫でしょうか？
全く問題ありません。むしろ、最難関レベルの大学を目指す受験生にとっては非常に有効な一冊です。英検準1級の語彙は、早慶や旧帝大レベルの入試で求められる語彙と大部分が重複します。大学受験専用の単語帳で満足できない場合の、2冊目としても最適です。
『英検準1級 でる順パス単 5訂版』は、膨大なデータ分析に基づき、合格への最短ルートを提示してくれる極めて優れた単語帳です。その効率性と信頼性は、数ある単語帳の中でも群を抜いています。
特に、「目標（英検準1級合格や難関大合格）達成のために、最も効率的な方法で語彙を増強したい」と考えている、英語偏差値60以上の合理的な学習者に強くおすすめします。既に持っている基礎力をテコにして、この単語帳で一気にトップレベルの語彙力を身につけることができるでしょう。
一方で、例文を使ってじっくり単語のニュアンスを学びたい学習者は、『単熟語EX』などの他の選択肢も検討する価値があります。ご自身の学習スタイルと目標に合わせて、最適な一冊を選んでください。
