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今回は、英単語帳の王道である旺文社の『英単語ターゲット』シリーズについて、比較・分析をしていきます！
『英単語ターゲット』シリーズは、旺文社が長年にわたり蓄積した大学入試の膨大なデータベースに基づき、「本当に出る」英単語を「出る順」に掲載した、非常に効率性を重視した単語帳です。
その最大の特徴は「一語一義」です。1つの英単語に対して、入試で最も問われる可能性の高い中心的な意味（赤字）を1つだけ提示し、まずはそれを徹底的に暗記させるスタイルを取っています。これにより、受験生は膨大な単語学習の第一歩を最速で踏み出すことができます。
現在はレベル別に『1200』『1400』『1900』の3冊がメインラインナップとなっており、多くの受験生が自分のレベルと目標に応じて使い分けています。
この記事を監修した人
慶應義塾大学経済学部経済学科３年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生～大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています！
本記事ではシリーズ3冊を扱いますが、ここではシリーズ全体を代表する基本情報を記載します。各書籍の詳細は次章で解説します。
| 書名 | 『英単語ターゲット』シリーズ（1200, 1400, 1900） |
| 著者 | 旺文社（編） |
| 対象レベル | 高校基礎・高校受験 ～ 難関大学受験 |
| 値段 | 書籍により異なる（各1,000円～1,210円 税込 ※2025年時点） |
| 公式リンク | 旺文社 公式サイト（`https://www.obunsha.co.jp/pr/target/`） |
このシリーズで最も重要なのが、3冊のレベルと役割の違いです。それぞれの特徴を見ていきましょう。
収録語彙：英単語1200語＋英熟語300＋中学既習の200語（実質1700語彙）
構成：「必修語」「重要語」「難関語」の3部構成ですが、中心は「必修語」です。高校1～2年で習得すべき基礎単語が中心です。
特徴：大学受験の「0→1」を担う一冊です。中学英語の復習から、高校基礎レベル（共通テストの土台）までをカバーします。英熟語も収録されているのが特徴です。
収録語彙：英単語1400語
構成：「これだけは覚えたい600語」「さらに実力を伸ばす500語」「ここで差がつく300語」の3部構成。
特徴：大学受験の「中心」となるレベルです。共通テストで安定して高得点を取りたい受験生や、日東駒専・産近甲龍レベルの中堅私大を第一志望とする受験生に最適化されています。
収録語彙：英単語1900語
構成：「常に試験に出る基本800語」「常に試験に出る重要700語」「ここで差がつく難単語400語」の3部構成。
特徴：大学受験単語帳の「王様」とも言える一冊です。GMARCH、関関同立、地方国公立から、早慶上智、旧帝大レベルまで、幅広い難関大学に対応します。受験生の多くが最終的に手に取るレベルです。
3冊の単語には「重複」がかなりあります。特に『1400』と『1900』は重複が多いです。そのため、3冊すべてを順番にやるのは非効率です。
自分の現在のレベルと目標地点を正確に把握し、「1200→1900」や「1400のみ」、「1900のみ」といった最短ルートを選ぶことが合格の鍵となります。
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3冊のレベル感を、必要な偏差値（目安）と対応する試験で整理します。
『ターゲット1200』
偏差値目安：～50
対応試験：高校受験（難関校）、大学受験（基礎固め）、英検3級～準2級
『ターゲット1400』
偏差値目安：45～58
対応試験：共通テスト、中堅私大（日東駒専・産近甲龍）、英検準2級～2級
『ターゲット1900』
偏差値目安：50～65以上
対応試験：難関私大（GMARCH・関関同立・早慶上智）、国公立2次、英検2級～準1級
このシリーズで得られるのは「試験本番での即戦力となる語彙力」です。特に「見た瞬間に意味がわかる」という反射的な知識の習得に優れています。レベル別に、おすすめな人を紹介します。
・英語に強い苦手意識があり、中学レベルから復習したい高校生・浪人生
・これから大学受験勉強を始める高校1・2年生
・難関高校を目指す高校受験生
・共通テストで英語の点数を安定させたい受験生
・日東駒専・産近甲龍レベルの大学を第一志望にしている受験生
・『1900』は難しすぎて挫折しそうな人（＝まず1400を完璧にして自信をつけたい人）
・GMARCH、関関同立以上の難関大学を目指すすべての受験生
・すでに高校基礎レベルの単語（『1200』レベル）は習得している受験生
・どの単語帳を使うか迷ったら、まず王道の一冊を完璧にしたい人
ターゲットシリーズを最大限に活用する学習法を紹介します。
1. 公式アプリ「ターゲットの友」の徹底活用
ターゲットシリーズの価値は、公式アプリ「ターゲットの友」（タゲ友）と連携することで最大化されます。書籍で「見る」学習（インプット）に加え、アプリで「聞く」（リスニング）学習と「テストする」（アウトプット）学習を必ず組み合わせてください。通学中のスキマ時間に音声を聞き流すだけでも効果は絶大です。
2. 「一語一義」を高速で周回する
まずは赤字の中心的な意味だけを覚えることに集中します。1単語に時間をかけすぎず、「1単語1秒」のペースで高速で周回し、記憶に触れる回数を増やします。1日に100語進めるなら、それを7日間続けるより、1日に700語をざっと確認する作業を毎日続ける方が記憶に定着します。
3. 例文（TARGET SENTENCE）の活用
一語一義の暗記が8割程度進んだら、左ページに掲載されている例文（TARGET SENTENCE）の音読やディクテーションを行います。これにより、単語が実際の文中でどのように使われるか、どのような前置詞と結びつくか（語法）を学ぶことができます。
「タゲ友」アプリは必須アイテムです。特にリスニング機能は、単語の暗記だけでなく、共通テストのリスニング対策や、二次試験のリスニング・英作文対策にも直結します。書籍代＋アプリ課金（一部機能）で、予備校の単語講座1コマ分以下の投資で最高の学習環境が手に入ると考えてください。
ターゲットシリーズの最大の強みは、その「徹底した効率性」と「エコシステム」にあります。
1. 圧倒的なデータに基づく「出る順」
旺文社の膨大な入試データ分析に裏打ちされており、掲載されている単語の信頼性が抜群に高いです。特に頻度順（Part 1, Part 2）を完璧にすれば、ほとんどの入試で語彙の土台が完成します。
2. 「一語一義」による学習スピード
賛否両論ある「一語一義」ですが、受験初期において、まずは知らない単語（0）を知っている単語（1）にするプロセスとしては最速です。多義語や派生語は、まず中心的な意味を覚えてから肉付けしていく方が効率的です。
3. アプリ「ターゲットの友」による学習体験
前述の通り、「書籍（インプット）＋アプリ（アウトプット＋リスニング）」という学習のエコシステムが完成しており、他の単語帳の追随を許しません。特にゲーム感覚で全国のユーザーと競える機能は、単調になりがちな単語学習のモチベーション維持に大きく貢献します。
ここでは、最も多くの受験生が使用する『ターゲット1900』と、大学受験単語帳の二大巨頭である『システム英単語』（駿台文庫）と『速読英単語 必修編』（Z会）と比較します。
| 比較項目 | ターゲット1900 | システム英単語 | 速読英単語 必修編 |
|---|---|---|---|
| コンセプト | 一語一義・頻度順 | ミニマル・フレーズ（使える形で覚える）・頻度順 | 長文（速読）の中で覚える |
| 暗記効率 | ◎（最速） | ○（フレーズで覚えるため時間はかかるが定着しやすい） | △（長文読解と並行するため時間はかかる） |
| 語法・実践力 | △（一語一義のため、別途例文での確認が必要） | ◎（フレーズがそのまま入試の語法問題に出やすい） | ◎（長文の中で生きた使い方を学べる） |
| 多義語・派生語 | △（掲載はされているが、メインではない） | ○（章として独立しており、体系的に学べる） | ○（文脈の中で自然に触れられる） |
| 連携アプリ | ◎（ターゲットの友） | ○（公式アプリがあるが、機能はタゲ友が優位） | ○（公式アプリ「速単 聞ける」がある） |
どれが優れているか、ではなく、目的と覚え方の違いです。
・ターゲット：「まず単語の意味を1つ知る」ことを最速で達成したい人向け。
・シス単：「単語はフレーズ（＝使い方）で覚えてこそ意味がある」と考える人向け。
・速単：「単語学習と長文読解（速読）を同時に進めたい」効率重視の人向け。
アプリの使いやすさや機能性で選ぶなら、ターゲットが頭一つ抜けている印象です。
ターゲットシリーズを使う上で、注意すべき点がいくつかあります。
1. 「一語一義」の落とし穴
最速で覚えられる反面、その1つの意味に固執しすぎると、長文読解で文脈に合わない意味に出くわした際や、多義語を問う問題に対応できなくなるリスクがあります。必ず例文の確認や、二周目以降での派生語・多義語の学習（黒字の部分）も行う必要があります。
2. 掲載語彙は必要だが、十分でない可能性がある
『1900』は難関大対応ですが、東大・京大・医学部や早慶の超難関学部を目指す場合、最後の400語（Part 3）を終えた後、さらに上級単語帳（『鉄壁』『単語王』『速読英単語 上級編』など）で補強が必要になるケースもあります。ただし、まずは1900語を完璧にすることが最優先です。
3. 前提知識：中学英語の習得
『1400』や『1900』を始める場合、最低でも中学レベルの基本的な文法と単語（『1200』の序盤レベル）が身についていることが前提です。不安な場合は、迷わず『1200』からスタートしてください。
当機関が収集した、実際の使用者（合格者）の声を紹介します。
“（良い口コミ）とにかくアプリ（タゲ友）が神。通学中に音声を聞いて、学校の休み時間にテストするだけで、勝手に単語が頭に入ってきた。シンプルだからこそ継続できた。”
“（良い口コミ）出る順になっているのが本当に効率的だった。入試本番で「あ、これターゲットの最初のほうで見たやつだ」というのが何度もあった。1900のPart 1とPart 2を完璧にするだけで、GMARCHレベルは十分戦える。”
“（気になる口コミ）一語一義で覚えたせいで、長文で意味が通らない時に推測する力が弱くなった気がする。シス単のフレーズで覚えておけば、語法問題にも強かったかも、と後で思った。”
“（気になる口コミ）レイアウトが単調で、途中で飽きてしまった。あと、本が細長くて開きっぱなしにしにくいのが地味にストレスだった。”
あなたの勉強計画、本当にそれで大丈夫？
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次やるべき参考書はどれ？１日どのくらい進めればいいの？
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英語が苦手な難関大志望です。『1200』→『1400』→『1900』と全部やるべきですか？
いいえ、そのルートは非効率です。単語の重複が多いため、『1400』は飛ばすことを推奨します。
最もおすすめなのは「『1200』を完璧にする → 『1900』に接続する」というルートです。英語が苦手な場合、『1900』のPart 1（基本800語）でも苦戦する可能性がありますが、『1200』を終えていればスムーズに接続できます。
『ターゲット1900』と『システム英単語』で死ぬほど迷っています。
どちらも最高レベルの単語帳なので、どちらを選んでも失敗しません。最終的には「好み」で決めて問題ありません。
あえて選ぶ基準を示すなら、「アプリ（タゲ友）の機能性や音声学習を重視するならターゲット」「単語の意味だけでなく、使い方（語法）も同時に効率よく学びたいならシス単」を選ぶと良いでしょう。書店で両方見比べて、レイアウトがしっくりくる方を選んでください。
高校受験（難関校志望）ですが、どれを使えばいいですか？
『ターゲット1200』が最適です。高校入試で求められるレベルを十分にカバーしつつ、大学受験の先取り学習にもなるため、非常にコストパフォーマンスが高いです。高校受験用の『中学英単語ターゲット1800』もありますが、難関校を目指すなら『1200』に挑戦する価値は十分にあります。
『英単語ターゲット』シリーズは、その圧倒的なデータと効率性、そしてアプリとの連携により、現代の受験生にとって最強の武器の一つです。
あなたのレベルと志望校に応じて、最適な一冊を選びましょう。
あなたの選ぶべきターゲットはどれ？
Case 1: 英語が苦手・高校基礎から復習したい・高校受験生
→ 迷わず『ターゲット1200』から始めてください。
Case 2: 共通テストで高得点狙い・中堅私大（日東駒専など）が第一志望
→ 『ターゲット1400』が最適です。これを完璧に仕上げましょう。
Case 3: 難関大（GMARCH・関関同立・国公立・早慶）が第一志望
→ 基礎（『1200』レベル）に不安がなければ、『ターゲット1900』を選んでください。もし不安なら「『1200』→『1900』」のルートを取りましょう。
単語帳は、どれを使うかよりも「一冊をどれだけ完璧に仕上げたか」が合否を分けます。一度決めたら、ボロボロになるまで使い込んでください。応援しています。
