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受験生の皆さんこんにちは!今回は、河合出版のロングセラーであり、数学に苦手意識を持つ受験生の「駆け込み寺」的存在とも言われる『ベイシス(数学ⅠA・ⅡB・ⅢC)改訂版』シリーズについて深掘り分析を行います!
「数学が全くできないけれど、日東駒専やMARCH、あるいはそれ以上の難関大に行きたい」。そんな野望を持つあなたにとって、この参考書は果たして最適なスタートラインとなるのでしょうか? 競合書である『入門問題精講』や『白チャート』と比較しながら、その真価を明らかにしていきます!
この記事を監修した人
慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
『ベイシス』シリーズは、教科書レベルの基礎事項を短期間で総ざらいするために設計された問題集です。分厚い網羅系参考書(チャート式など)に挫折した人や、ゼロから数学を立て直したい人のために、必要最小限の「良問」が厳選されています!
| 書名 | ベイシス数学ⅠA改訂版 / ⅡB改訂版 / ⅢC改訂版 |
| 著者 | 河合塾数学科 |
| 対象レベル | 教科書基礎 ~ 入試基礎(共通テスト5割目標レベル) |
| 値段 | 各 1,100円前後(税込) |
| 公式リンク | 学参ドットコム等 |
・圧倒的な薄さと回転率: 挫折しようがないほどの薄さです。必要なエッセンスだけが凝縮されており、短期間で「数学の全体像」を掴むことができます。
・スモールステップ方式: 「基本の確認」→「例題」→「練習問題」という構成で、無理なく階段を登れる設計になっています。
・河合塾の「良問」選定眼: 奇問や難問を排除し、入試につながる基礎中の基礎だけを厳選しているため、あまり登場しないタイプの問題などに取り組んで時間を浪費してしまうことを防ぎます!
・解説があっさりしている: 「語り口調」の講義系参考書(例:『初めから始める数学』など)と比べると、解説はシンプルで教科書的です。完全な独学で、数式を見るのも嫌悪感があるレベルの人には厳しさを感じる場面があるかもしれません。
・到達点は高くない: これ1冊でMARCHや国公立の2次試験に対応するのは不可能です。あくまで「基礎固め」に特化しています。
・網羅性は低い: 薄さを優先しているため、典型パターンの抜け漏れはあります。辞書的には使えません。
「解説を読んでも理解できるか不安…」
「基礎の基礎からつまずいていませんか?」
独学での基礎固めに限界を感じたら、
あなたの「わからない」を特定して解消するプロのサポートが必要です。
各単元は数ページの構成で完結しており、全体を通して「基本事項のまとめ」→「例題」→「練習問題」というシンプルな流れです。問題数は各巻およそ100題〜150題程度(例題含む)と非常にコンパクトにまとまっています。週末などを利用すれば、1ヶ月もかからずに1周することが可能です!
前提レベル: 教科書の用語がなんとなく分かる程度。中学数学の復習が必要な場合は、そこから戻る必要があります。
到達レベル: 教科書章末問題レベル。共通テストで言えば、誘導に乗って最初の設問が解けるレベルなので、偏差値で言うと45〜50程度へ向けた土台作りです。
この参考書を終えることで、「教科書レベルの典型問題なら、迷わず手が動く」という状態になれます。これは、あらゆる難関大合格のための最低条件です。
おすすめする人:
・高校3年生で、偏差値が40台の数学苦手層。
・部活引退後、急ピッチで基礎を復習したい人。
・『青チャート』や『Focus Gold』などの厚い本に挫折した人。
・文系で、数学受験を諦めたくない人。
日東駒専志望: 高3の夏休み前半まで。その後、過去問演習やワンランク上の問題集へ。
MARCH志望: 高3の1学期中、遅くとも夏休み前には完璧に!
早慶上理・旧帝大志望: 高2の終わり、または高3の4月〜5月まで。これ以降にずれ込むと、応用演習の時間が確保できず致命的になります。
「薄いから」といって、ただ眺めるだけでは意味がありません。必ず手を動かして計算を完遂させてください。また、解説がシンプルなので、分からない部分は教科書に戻るか、先生や友人に質問できる環境が必要です。
【1. 日東駒専レベル】
この本を「親友」にしてください。3周繰り返し、すべての問題で瞬時に解法が浮かぶまでやり込みます。その後は、過去問演習に入りつつ、苦手分野だけ詳しい講義系参考書で補強すれば合格点は見えてきます。
【2. MARCHレベル】
この本はあくまで「準備体操」です。夏休み前までに終わらせ、夏休みには『文系の数学 重要事項完全習得編』や『数学 標準問題精講』などの入試標準レベルの問題集に接続する必要があります。ここで躓くとMARCHの壁は越えられません。
【3. 早慶上理・旧帝大・難関国公立レベル】
正直に言えば、高3の春時点でこの本が必要な状況は「イエローカード」です。しかし、焦って難しい本に手を出すのはもっと危険。まずは2週間〜1ヶ月の短期集中でこの本を仕上げ、基礎の穴を埋めてください。その上で、理系なら『青チャート』の例題や『1対1対応の演習』などの網羅・標準系へ急いで接続しましょう。
最大の強みは、河合出版特有の「癖のなさ」と「圧倒的な薄さ」のバランスです。癖がないため、その後のあらゆる問題集(チャート式、標準問題精講、プラチカなど)への接続がスムーズです。「基礎が終わらないまま入試本番」という最悪のシナリオを回避するための、最も確実なツールであると言えます!
今回は、基礎固めの定番である『数学 入門問題精講』(旺文社)と、網羅系の『チャート式 基礎と演習(白チャート)』(数研出版)と比較します。
| 比較項目 | 本書(ベイシス) | 入門問題精講 | 白チャート |
|---|---|---|---|
| コンセプト | 短期集中の基礎ドリル | 読んで理解する講義重視 | 基礎の辞書・網羅 |
| 到達レベル | 教科書章末(偏差値50弱) | 教科書〜入試基礎(偏差値50) | 共通テスト基礎(偏差値50+) |
| 解説の詳しさ | シンプル・教科書的 | 非常に詳しい・語り口調 | 詳しいが堅い |
| 問題数と網羅性 | 少ない(厳選・高速周回向) | やや少ない(理解重視) | 非常に多い(網羅性高) |
| 前提レベル | 教科書学習済み推奨 | 初学者でもOK | 初学者でもOK |
|
おすすめ度 |
★★★★☆(4.0) 反復練習したい人に最適 |
★★★★★(4.8) 理解から始めたい人に最適 |
★★★☆☆(3.0) 挫折率が高いが効果は高い |
今回のように数学が苦手で難関大志望の受験生の場合、現状の理解度によって選び方が分かれます。
もし、あなたが「授業はなんとなく聞いていたが、手が動かない」「とにかく問題を解いて慣れたい」タイプなら、薄くて回転させやすい本書『ベイシス』がベストです。
一方で、「数式の意味が全く分からない」「独学でゼロから理解したい」というタイプなら、解説が手厚い『入門問題精講』をおすすめします。『白チャート』は分量が多すぎて、今の時期から難関大を目指してリカバリーするには時間がかかりすぎるリスクがあります。まずはベイシスか入門精講で基礎を最速で終わらせることが、逆転合格への鍵です。
P.S. どの参考書を選ぶべきか、または具体的な進め方で迷っている場合は、私たち東大・早慶コーチが個別の学習計画を一緒に作成します。
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“偏差値40からのスタートでしたが、この本を3周したら模試の基礎問題が解けるようになり、偏差値が50に乗りました。薄いので達成感があり、モチベーションが維持しやすかったです。”
“解説が必要最低限なので、本当に分からないところはこれだけだと解決しませんでした。結局教科書ガイドを併用しました。あと、これだけでMARCHは絶対に無理です。”
この本を終えたら、次に何をすればいいですか?
志望校によりますが、日東駒専なら過去問へ、MARCH以上なら『文系の数学 重要事項完全習得編』や『黄チャート』の重要例題、『標準問題精講』などの一段階上のレベルへ進んでください。
『ベイシス改訂版』は、数学が苦手な受験生が難関大合格を目指す上で、最初の「足場」として非常に優秀な参考書です。特に、「時間がない」「厚い本は無理」「まずは手を動かしたい」という人には最適解の一つです。
ただし、これ1冊で合格できるわけではありません。これを「最短で通過する」ことが重要です。志望校合格への地図を持ち、この本をいつまでに終わらせ、次に何をすべきかを明確にした上で取り組んでください。
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