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受験生の皆さんこんにちは!本記事では、英語の偏差値が伸び悩み、「単語と文法はやったはずなのに長文が読めない」という受験生から絶大な支持を集めているベストセラー、『大学入試 肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編』(以下、『肘井の読解英文法』)について、塾講師が独自かつ専門的な視点で徹底分析します!
日東駒専から早慶・旧帝大にわたるまで、いわゆる難関大学を目指すにあたり、基礎固めとして本書が本当に最適なのか、競合する参考書と比較しながら深掘りしていきます。
この記事を監修した人
慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
まずは、本書の基本的な概要を確認しましょう。
| 書名 | 大学入試 肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編 |
| 著者 | 肘井 学(スタディサプリ講師) |
| 対象レベル | 偏差値40〜55(入試基礎〜標準) |
| 値段 | 1,540円(税込) |
| 公式リンク | KADOKAWA公式ページ等 |
本書の最大の強みは、「英文の識別(パターン認識)」に特化している点です。
多くの受験生は「不定詞」や「分詞」を文法用語として知っていても、実際の長文の中でそれが出てきた瞬間にどう訳せばいいか迷ってしまいます。本書は、「英文を見る」→「形(パターン)に気づく」→「意味を決定する」というプロセスを、極めてシンプルに体系化しています。
例えば、「主語の直後の過去分詞は、動詞ではなく形容詞として前の名詞にかかる」といったルールを、パズルを解くような感覚で身につけることができます。
一方で、弱点も明確です。まず、「演習量の不足」が挙げられます。例題と確認問題は厳選されていますが、これ一冊でドリル的に量をこなすことはできません。
また、扱われている英文は短文が中心であるため、実際の入試のような長い文章の中でその技術を使いこなすには、別途「長文演習」のステップが不可欠です。
「文法用語が全くわからない(品詞の区別がつかない)」という中学レベルの基礎が欠落している状態だと、解説を理解するのが少し苦しい可能性があります。
本書は全5章構成で、合計33のテーマが扱われています。
1. 句と節(英文のカタマリを見抜く)
2. 意味のカタマリ(動詞の型など)
3. 識別(ingや過去分詞、thatなどの識別)
4. 比較・省略・倒置
5. 接続詞・関係詞
各テーマは「例題(パターンの提示)」→「解説」→「確認問題」というサイクルで進みます。183の例題と、137の確認問題で構成されており、参考書の薄さの割に網羅性は高いといえます!
スタート地点: 共通テスト模試でリーディング3〜4割、偏差値40台の生徒でも取り組めます。
到達地点: 日東駒専・産近甲龍レベルの英文構造はほぼ完璧に把握できるようになります。MARCHや地方国公立レベルへの足掛かりとしては十分な基礎力がつきます。
「単語をつなぎ合わせてなんとなく訳している」状態から脱却し、「根拠を持って英文の構造を説明できる」状態になれます。
特におすすめなのは以下のような受験生です。
・英語が大の苦手だが、難関大を目指したい人
・『Next Stage』などの文法問題集は覚えたが、長文になると読めなくなる人
・感覚ではなく、論理的に英語を読みたい理系志望者
志望校の難易度別に、完了させるべき目安時期を提示します。
1. 早慶上理・旧帝大志望:
高2の終わり、遅くとも高3の4月末まで。
(その後、より高度な『ポレポレ』や『透視図』などへ接続して取り組む必要があります)
2. MARCH・難関国公立志望:
高3の夏休み前(7月)まで。
(夏休み中に長文演習に集中するための土台として必須です)
3. 日東駒専志望:
高3の夏休み中〜9月まで。
(ここを固めれば、過去問演習での伸びが劇的に変わります)
ただ漫然と解くだけでは効果が半減します。以下のステップを意識して取り組むことを強くおすすめします!
1. 例題を自力で訳す: まずは解説を見ずに、S(主語)V(動詞)を振り、和訳を書く。
2. 「識別」のプロセスを確認する: なぜその訳になるのか、本書の「パターン」と照らし合わせる。
3. 音読する: 構文を意識しながら、意味のカタマリごとに音読を繰り返す。
今回は、同じく「英文解釈・読解入門」のジャンルで人気の『入門英文解釈の技術70』および名著『英文読解入門 基本はここだ!』と比較します。
| 比較項目 | 本書(肘井の読解) | 入門英文解釈の技術70 | 基本はここだ! |
|---|---|---|---|
| コンセプト | パターンの「識別」重視 (初心者が見分けやすい) |
構文の「網羅」重視 (体系的なドリル形式) |
読解の「本質」重視 (ルールと例外の深掘り) |
| 到達レベル | 日東駒専・共通テスト (偏差値50-55) |
MARCH・地方国公立 (偏差値55-60) |
共通テスト〜中堅私大 (偏差値50-55) |
| 解説の詳しさ | 非常にわかりやすい (図解が多くシンプル) |
詳しいが用語が硬い (音声付き) |
講義調で深いが レイアウトが古め |
| 問題数と網羅性 | 33テーマ (広く浅く網羅) |
70テーマ+演習 (演習量が多い) |
重要ポイント厳選 (薄いが濃い) |
| 前提レベル | 中学英語卒業レベル | 高校基礎レベル | 中学英語卒業レベル |
| おすすめ度 | ★★★★★ (文法初心者に最適) |
★★★★☆ (演習したい人向け) |
★★★☆☆ (合う合わないがある) |
まさに今回のような「英語が苦手だが難関大を目指す受験生」にとって、最優先で選ぶべきは間違いなく『肘井の読解英文法』です。
理由は2点あります。
第一に、苦手な生徒がつまずく「ingを見たら進行形だと思ってしまう」ような誤解を、パターンの識別という形で矯正してくれるため、即効性が高いこと。
第二に、レイアウトが見やすく挫折しにくいことです。
『入門英文解釈の技術70』は良書ですが、苦手な人には用語や解説が少し堅苦しく、消化不良になるリスクがあります。また、『基本はここだ!』は読む人を選ぶという弱点があります。
まずは『肘井』を短期間で周回し、「英語の地図」を頭に入れてから、必要に応じて演習量の多い本に進むのが合格への最短ルートです。
P.S. どの参考書を選ぶべきか、または具体的な進め方で迷っている場合は、私たち東大・早慶コーチが個別の学習計画を一緒に作成します。
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“偏差値40からのスタートでしたが、この本のおかげで英文の見え方が変わりました。特に『thatの識別』がわかりやすく、模試の成績が一気に上がりました。”(高校3年生 私立文系志望)
“解説はわかりやすいですが、問題数が少ないので、これだけで入試レベルの長文がスラスラ読めるようになるわけではありませんでした。あくまで導入用だと思います。”(既卒生 国公立志望)
この本が終わったら次はどの参考書をやればいいですか?
志望校によりますが、日東駒専レベルなら『関正生のThe Rules 英語長文問題集1・2』などの長文演習へ。MARCH・難関大以上なら、『入門英文解釈の技術70』や『ポレポレ英文読解プロセス50』など、もう一段階上の解釈本を挟むのが一般的です。
「難関大編」という難しいバージョンもありますが、そちらから始めてもいいですか?
原則としておすすめしません。「必修編(紫の本)」の内容が完璧でない状態で「難関大編」に入っても、基礎が抜けているため効果が薄いです。まずは必修編を完璧にしてからステップアップしましょう。
『大学入試 肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編』は、英語長文読解への「橋渡し」として最強の一冊です。特に「文法問題は解けるのに長文が読めない」というジレンマを抱えている受験生にとって、目の前が明るくなるような体験を提供してくれます!
難関大を目指す場合でも、基礎をおろそかにしては合格はあり得ません。まずはこの本で「英語を読むための型」を身体に染み込ませ、自信を持って次のステップへ進んでください!
みなさまの英語ライフの充実と、志望校合格を心から応援しています!!
『大学入試 肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編』の
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