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受験生の皆さんこんにちは!本記事で取り上げる『やさしい高校数学』シリーズは、数学に強い苦手意識を持つ受験生や、独学でゼロから数学を学び直したい人に向けて作られた、圧倒的な「わかりやすさ」を誇る参考書です!著者のきさらぎひろし氏が、先生と生徒の「対話形式」を用いて、通常の教科書や参考書では省略されがちな「式の変形理由」や「考え方のプロセス」を徹底的に言語化しています。まるで個別指導塾の授業を受けているかのような感覚で読み進めることができるのが最大の特徴です。
この記事を監修した人
慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
| 書名 | やさしい高校数学 シリーズ(数学Ⅰ・A / Ⅱ・B / Ⅲ・C 改訂版) |
| 著者 | きさらぎ ひろし |
| 対象レベル | 高校基礎〜共通テスト基礎レベル(偏差値30台〜50程度) |
| 値段 | 各巻 2,090円〜2,970円(税込) |
| 公式リンク | Gakken公式サイト等 |
最大の強みは、「なぜそうなるのか?」という疑問を一切残さない徹底的な解説です。多くの参考書が「自明」として省略してしまうような細かな計算過程や、公式を適用する前の思考プロセスまで、先生と生徒の会話の中で丁寧に解きほぐされています。これにより、数学アレルギーのある生徒でも「置いてけぼり」にならずに最後まで読み通すことができます。また、問題数が意外と多く(ⅠAで約190題、ⅡBで約300題弱)、読むだけでなく手を動かして演習量を確保できる点も、他の「読むだけ」系の参考書とは一線を画しています!
弱点は、その丁寧さゆえの「圧倒的な分厚さ」と「到達点の低さ」です。非常にページ数が多く(各巻600〜900ページ超)、短期間でサッと復習したい人や、すでに教科書レベルが理解できている人にとっては冗長に感じられるでしょう。また、あくまで「基礎の導入」に特化しているため、本書を完璧にしても日東駒専レベルの過去問で合格点を取るにはやや演習不足です。難関大を目指す場合は、本書の後に必ずワンランク上の問題集(『基礎問題精講』や『チャート式』など)に接続して学習に取り組む必要があります。
本書は、単元ごとに「導入の会話」→「例題」→「解説(会話形式)」→「練習問題」という流れで進みます。新課程版では、情報の整理やデータの分析など、新しい入試傾向にも対応しています。
【主な収録問題数(目安)】
・数学Ⅰ・A:約190題(例題ベース)
・数学Ⅱ・B:約300題弱
・数学Ⅲ・C:基礎事項を中心に網羅
※『入門問題精講』と比較しても2倍以上の問題数があり、基礎固めとしては十分なボリュームです。
スタートレベル: 中学数学の知識があれば始められます。偏差値30〜40台からのスタートに最適です。
到達レベル: 教科書章末問題〜共通テスト基礎レベル(偏差値50前後)。
日東駒専以上の大学合格を目指すための「土台」を作るレベルであり、これ1冊で入試本番を戦うものではありません。
数学の用語や公式の意味を根本から理解する力が身につきます。「公式の丸暗記」ではなく「理屈の理解」ができるようになるため、応用問題への対応力の素地が養われます。
【特におすすめする人】
・学校の授業についていけなくなった人
・「初めから始める数学」や「入門問題精講」でも解説が省略されすぎていると感じた人
・独学で先取り学習をしたいが、堅苦しい説明文が苦手な人
難関大を目指す場合、本書はあくまで「助走期間」です。以下のタイムリミットを目安に進めてください。
① 旧帝大・早慶上理レベル志望
高1・高2の早い段階で基礎を固める必要があります。
・高1終了までに:数学Ⅰ・Aを完了
・高2夏休みまでに:数学Ⅱ・Bを完了
・高2冬までに:理系は数学Ⅲ・Cを完了
※遅くとも高3の春時点で、この本を卒業し『青チャート』や『1対1対応の演習』レベルに入っていないと、現役合格は厳しくなります。
② MARCH・関関同立・国公立レベル志望
・高2終了までに:文系はⅡ・Bまで完了
・高3春〜夏前:理系はⅢ・Cを完了し、入試標準演習へ移行
※高3の夏休みを基礎固めだけに使ってしまうと、演習不足で秋以降に伸び悩みます。
③ 日東駒専レベル志望
・高3夏休み終わりまでに:全範囲を本書で完璧にする
※ここをデッドラインとし、秋以降は過去問演習と並行して『基礎問題精講』などで実践力をつけましょう。
中学数学の計算力(分数、一次方程式など)は必須です。そこがあやふやな場合は、中学の復習教材から始めてください。また、本書は「読んでわかる」ことに重点が置かれているため、「わかった気になってしまう」という落とし穴があります。必ず手を動かして問題を解くことが肝要です!
1. 導入の会話を読む: まずは読み物として気楽に読み、概念を理解します。
2. 例題を自力で解く: 解説を隠して解いてみます。わからなければすぐに解説を読んでOK。
3. 解説を熟読する: 「なぜこの変形をするのか」という先生のセリフに注目して読み込みます。
4. 再現する: 解説を閉じて、もう一度自力で解答を作れるかチェックします。これができなければ「理解した」とは言えません。
5. 誰かに教えるつもりで: 詰まった箇所を、本書の先生のように架空の生徒(自分)に説明できるか試してみましょう。
「別解」の提示だけでなく、「なぜその解法を選択するのか」「なぜこの解法ではダメなのか(誤答例の検討)」まで踏み込んで解説している点がユニークです。初心者が陥りやすいミスを先回りして指摘してくれるため、独学者の「つまずきポイント」を強力にカバーします!
| 比較項目 | 本書(やさしい高校数学) | 初めから始める数学 | 数学 入門問題精講 |
|---|---|---|---|
| コンセプト | 対話形式で疑問をゼロにする徹底解説 | 講義形式で流れを重視し、イメージで理解させる | 厳選された良問で効率よく基礎をさらう |
| 到達レベル | 教科書〜共通テスト基礎 | 教科書〜共通テスト基礎 | 教科書〜共通テスト標準 |
| 解説の詳しさ | 最高(途中式省略なし) | 非常に詳しい(語り口調) | 詳しいが、ある程度の思考力は求められる |
| 問題数と網羅性 | 多い(演習量も確保可能) | 少ない(読むことがメイン) | 少ない(厳選されている) |
| 前提レベル | 中学数学レベルでOK | 中学数学レベルでOK | 高校数学の用語に少し慣れていると良い |
| おすすめ度 | ★★★★★(挫折しにくい) | ★★★★(合う人には最高) | ★★★(効率重視ならこれ) |
今回のように「数学を一歩ずつ固めたい、または苦手だが難関大を目指す受験生」には、間違いなく『やさしい高校数学』がベストチョイスです!
理由は2つあります。1つ目は、「わかったつもり」を防げるから。苦手な人は、解説が少しでも飛躍するとそこで思考停止してしまいます。この本なら、そのブレーキがかかりません!
2つ目は、「読む」と「解く」が1冊で完結するからです。『初めから始める』はわかりやすいですが、演習用にもう1冊欲しくなります。『入門問題精講』は効率的ですが、初学者には少しドライに感じることも。その点、『やさしい高校数学』は分厚いですが、これ1冊やりきれば基礎体力は確実に十分つきます。
まずはこの本で「数学って怖くない」という感覚を掴み、そこから『基礎問題精講』や『チャート式』などの標準問題集へステップアップするのが、遠回りのようで一番確実な「難関大への最短ルート」です!
P.S. どの参考書を選ぶべきか、または具体的な進め方で迷っている場合は、私たち東大・早慶コーチが個別の学習計画を一緒に作成します。
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“数学アレルギーで偏差値30台でしたが、この本だけは拒絶反応なく読めました。先生のツッコミが的確で、自分が疑問に思ったことをちょうど解説してくれます。おかげで学校の授業がわかるようになりました。”
“とにかく分厚くて重い。持ち運びには不便です。あと、会話部分が長いので、復習するときに要点だけ見直すのが少し面倒に感じました。時間がない受験生には向かないかも。”
この本だけでMARCHや関関同立に合格できますか?
正直に言うと、厳しいです。この本はあくまで「基礎の理解」までです。MARCH以上の入試問題に対応するには、この後に『基礎問題精講』や『チャート式(黄・青)』などで、入試標準レベルの「解法パターン」を網羅する必要があります。まずはこの本で土台を作りましょう。
『やさしい高校数学』は、数学への苦手意識を払拭し、難関大合格への第一歩を踏み出すための最高のパートナーです。分厚さに圧倒されるかもしれませんが、1ページ進むごとに着実に「わかる」実感を得られるはずです。特に、独学で基礎からやり直したい人、解説の行間を読むのが苦手な人には強くおすすめします。この本を信じてやりきれば、その後の数学の伸びが劇的に変わるでしょう!
『やさしい高校数学』を通じて、数学への基礎的な理解度を飛躍的にUPさせて、みなさまの夢につながる志望校合格を心から応援しています!
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