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「今日こそ長時間やるぞ!」と意気込んでも、気づけばスマホ…。そんな自分にうんざりしていませんか?
この記事を読めば、もう「気合」や「根性」に頼る必要はありません。誰でも、そしてあなたでも必ず実践できる「仕組み」で、長時間勉強を可能にする具体的な方法が手に入ります。明日からのあなたの勉強を、劇的に変えるサポートをします。

慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
まず、あなたに知っておいてほしい大切なことがあります。それは、「集中できないのは、あなたの意志が弱いからではない」ということです。
脳科学的に、人間がひとつのことに深く集中できる時間は、長くても90分、一般的には15分〜45分程度と言われています。つまり、「何時間もぶっ通しで集中する」こと自体が、そもそも人間の脳の構造に合っていないのです。
だからこそ、気合で乗り切ろうとするのではなく、集中力が自然に続くような「仕組み」を作り、脳を上手に管理してあげることが不可欠なのです。
多くの受験生が、知らず知らずのうちに集中力を削ぐ「間違った」頑張り方をしています。あなたにも心当たりはありませんか?
失敗例1:気合だけの「ぶっ通し勉強法」
「今日こそ8時間やるぞ!」と高い目標を立てるものの、1時間も経つとそわそわ…。気づけばスマホを1時間見ていて、「またやってしまった…」と自己嫌悪に。
失敗例2:「ながら勉強」の罠
机には向かっているのに、頭の中は友達とのLINEや好きなアイドルのことばかり。時間は過ぎるのに、全く内容が頭に入っていない。
失敗例3:休憩が大ブレイクになってしまう
「5分だけ」と見始めたYouTubeのおすすめ動画に次々と手を出し、気づけば1時間経過。勉強に戻る気力も時間も失ってしまう。
これらの失敗は、あなたの「性格」の問題ではなく、「やり方」の問題です。
ここからは、意志の力に頼らず、脳の性質を利用して自然と集中が続く「仕組み」の作り方を解説します。基本となるのは「ポモドーロ・テクニック」という有名な時間管理術です。
まず、「長時間勉強する」という曖昧な目標を、具体的なタスクに分解します。「何を」「どこまで」やるかが見えることで、脳は安心して集中できます。その日の学習計画を朝一番に立てるのがおすすめです。
✔️ やってみよう:
ノートの最初のページに、今日やるタスクを「動詞」で具体的に書き出します。
例:
・数学をやる → 数学の参考書P.50〜55の問題を解き、丸付けまで終わらせる
・英単語を覚える → 英単語帳のNo.401〜450をテストし、間違えた単語を5回書く
人間の集中力の波を利用します。短いサイクルを繰り返すことで、常に新鮮な集中力を保ちます。
✔️ やってみよう:
キッチンタイマーか、スマホのタイマーアプリで「25分」をセットしてスタート。この25分間は、ステップ1で決めたタスク以外のことは一切しません。
休憩の質が、次の集中の質を決めます。脳に新たな情報を入れる「娯楽」ではなく、脳を空っぽにする「休息」を意識しましょう。
✔️ やってみよう:
タイマーが鳴ったら、すぐに勉強を中断し、5分間の休憩に入ります。この5分間は、絶対にスマホやPCの画面を見ないこと。
OKなこと: 目を閉じる、ストレッチする、水を飲む、窓の外を眺める
NGなこと: SNSチェック、YouTube、ゲーム、友達に返信
小さな達成感を積み重ねることが、長時間勉強をやり遂げる秘訣です。自分へのご褒美タイムを作り、モチベーションを維持します。
✔️ やってみよう:
「25分+5分」を1セットとし、4セット(約2時間)繰り返したら、15分〜30分の少し長めの休憩をとります。この時間だけは、好きなお菓子を食べる、音楽を聴くなど、少し自由なことをしてOKです。そして、また次の1セット目から始めます。
上記の4ステップに加えて、これから紹介するテクニックを組み合わせることで、家は最高の勉強場所になります。
集中すると決めた時間は、スマホを親に預ける、別の部屋に置くなど、物理的に触れない環境を作りましょう。これが最も効果的です。私も浪人時代、家で触れないようにスマホを予備校のロッカーに置いて帰っていました。手元にあっても電源を切るなど、遊ぶのが面倒になる工夫が大切です。
「これをしたら勉強モードになる」というスイッチを作りましょう。例えば、「この曲を聴いたら必ず机に向かう」「机をきれいに拭いたら勉強開始」など、簡単な行動と勉強を結びつけます。私は「やる気が出る音楽」のプレイリストを作って、それを流すことで自分を勉強モードに切り替えていました。
最初の1セット目は、英単語の復習や漢字の書き取りなど、比較的負荷の軽い作業から始めると、脳がスムーズに勉強モードに入れます。これは「作業興奮」と呼ばれる効果で、手や体を動かし始めると脳のやる気スイッチが入る現象です。
環境は集中力に大きく影響します。部屋の温度は少し低めに設定し、こまめに換気して新鮮な空気を保ちましょう。また、意外と効果的なのが「机に鏡を置く」こと。人の視線を感じると集中しやすくなる心理を利用して、サボっている自分を客観視する仕組みです。
一人ではサボってしまいそうな時、友達とビデオ通話を繋いで手元を映しながら勉強するのもおすすめです。お互いの存在が良い意味でのプレッシャーになり、集中力が持続します。ただし、おしゃべりが目的にならないよう、ルールを決めて行いましょう。
無音だと集中できない人は、BGMに「環境音」を使ってみてください。雨の音、カフェの雑音、焚き火の音などは、YouTubeなどで簡単に見つかります。歌詞のある音楽は脳が歌詞を処理しようとして集中を妨げることがあるので、思考系の科目では特に環境音がおすすめです。
脳のエネルギー源である糖分は重要ですが、摂りすぎは禁物。満腹だと消化にエネルギーが使われて眠くなりますし、空腹すぎても集中できません。食事は腹八分目を心がけ、休憩時間にラムネやナッツなど、少量で素早くエネルギーになるものを摂るのが効果的です。
この方法に慣れてきたら、「50分+10分休憩」など、自分の集中力の特性に合わせて時間を調整してみましょう。大切なのは「定期的な休憩で脳をリセットする」という原則です。自分だけの黄金サイクルを見つけてください。
どうしてもスマホを触ってしまいます。どうすればいいですか?
結論から言うと、物理的に遠ざけるのが一番効果的です。自分の意志力に頼るのではなく、「触れない仕組み」を作りましょう。勉強する部屋とは別の部屋に置く、カバンに入れて見えないようにする、親に預かってもらうなど、少し手間でも物理的な距離を確保することが、誘惑に勝つ最大の秘訣です。
25分だと、問題のキリが悪いときはどうすればいいですか?
とても良い質問ですね。その場合は、無理に中断する必要はありません。その問題やタスクが終わるまで続けて大丈夫です。ただし、キリがついたら必ず決めた時間の休憩を取ってください。 このテクニックで最も重要なのは、「時間を区切ること」そのものではなく、「定期的に脳をリフレッシュさせること」にあります。キリの良さを優先しつつも、休憩は必ず挟むというルールを忘れないでください。
どうしても眠い時はどうすればいいですか?
眠い時に無理して勉強しても効率は上がりません。思い切って15〜20分の仮眠をとりましょう。ポイントは、本格的に寝てしまわないようにベッドではなく机に突っ伏して寝ること、そして時間を厳守することです。タイマーをセットするのを忘れずに。短い仮眠は、驚くほど頭をスッキリさせてくれます。
苦手な科目ばかりで、どうしてもやる気が起きません…
その日の勉強計画を立てる際に、苦手科目と得意科目を交互に組み合わせるのがおすすめです。例えば、「数学(苦手)→ 英語(得意)→ 理科(苦手)」のように、間に好きな科目を挟むことで気分転換になり、勉強を続けるモチベーションを保ちやすくなります。苦手科目を先に終わらせて、集中力が切れてきたら得意科目で回復させる、という流れを作ってみましょう。
長時間勉強できないのは、あなたの意志が弱いからではありません。それは脳の仕組みに合わない、気合だよりの勉強法が原因です。大切なのは、脳を上手に管理する「仕組み」を作ること。
今日お伝えした4つの黄金ステップと7つの追加テクニックは、あなたの集中力を自然に引き出し、維持してくれます。この仕組みを実践すれば、あなたは「気づいたら何時間も勉強していた」という理想の自分に出会えるはずです。さあ、今日からタイマーをセットして、最初の25分を始めてみましょう!