目次
こんにちは。スタディコーチ岐阜校スタッフのひろぽんです。
今日は、少し意外に思われるかもしれませんが、受験生にぜひ読んでほしい一冊として、沢木耕太郎さんのノンフィクション作品『深夜特急』をご紹介します。
以前、「青春の蹉跌」(石川達三)を推薦したことがあるのですが、「ちょっと重すぎたかも」と反省したことがありました。今回はその反省を踏まえ、読むだけでワクワクし、心が自由になるような一冊をご紹介したいと思います。
『深夜特急』は、著者・沢木耕太郎さんがアジアからヨーロッパへと、ヒッチハイクを中心に旅をした記録です。1990年代半ばには、大沢たかおさん主演で「劇的紀行 深夜特急」というテレビドラマも放送されました。
旅人の目線で各地の文化や人々との出会いが描かれ、観る者の心を強く揺さぶる内容でした。私がこのドラマを観たのは30代に入ってからですが、その勢いで原作の文庫本を全6巻一気に読みました。1冊1冊が比較的コンパクトなので、読むのが苦手な人にもおすすめできます。
「え? ただの一人旅の話でしょ?」
そう思う方もいるかもしれません。ですが、この本の魅力は「旅」の描写以上に、“今の自分を変えたい”という強い気持ちにあります。
著者の沢木さんは当時、すでに人気ライターとしての地位を築いていました。しかし、何か物足りなさや閉塞感を感じていた彼は、「現状から逃げたい」という動機で旅に出ます。最初に訪れるのは香港、そしてマレーシア、シンガポール、インド、ネパールと進んでいきます。
とくに文庫本3巻の「インド・ネパール編」は圧巻です。
文化も常識も全く異なる世界に触れ、「世界の広さ」「常識の相対性」を体で感じ取っていく沢木の姿は、受験という“狭い世界”に没頭している今の皆さんにも、新鮮な刺激を与えてくれるはずです。
この本には、図解も写真もありません。すべては、著者の文章だけ。
だからこそ、読む側の想像力と集中力が求められます。これは受験勉強にもつながる重要なトレーニングのひとつです。
言葉だけで世界を旅できる。
そんな体験を、ぜひ味わってみてください。
『深夜特急』は、勉強法や進路の指南書ではありません。けれども、「学ぶ」ことの本質――自分の知らない世界に出会い、自分自身を問い直すこと――を教えてくれる一冊です。
今の時期、成績や将来の不安に押しつぶされそうになることもあるかもしれません。そんなときは、ページをめくって、知らない国の空気を感じてみませんか?
受験の合間の“心の旅”に、『深夜特急』をおすすめします。
住所:〒500-8439 岐阜県岐阜市加納菱野町25番地 丸杉岐阜駅南ビル5階
最寄り駅:JR東海道本線 岐阜駅南口 徒歩5分
電話番号:058-213-3406
【自習室】無料開放実施中