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昨日は「長良川の鵜飼」についてご紹介しました。その舞台となる長良川は、普段は清流として知られる穏やかな川ですが、過去には豪雨によって甚大な被害をもたらしたことがあります。
そのひとつが、1976年(昭和51年)9月12日に発生した「安八豪雨」と呼ばれる水害です。私はちょうど名古屋市から一宮市に転居した翌年の出来事で、小学生だった私にとっても強く印象に残っています。
※参考:中部災害アーカイブス
気象庁の記録によれば、この年の9月8日頃から大雨が続き、12日にはついに長良川の堤防が決壊しました。濁流は安八郡を中心に広範囲を浸水させ、愛知県西部にも被害が及んでいます。

(気象庁ホームページより)
気象庁データリンク
リアルタイムで決壊を知ったわけではありませんが、夕方のニュースで大きく報じられた映像は鮮明に覚えています。小学生の私には恐怖以外の何ものでもなく、連日の雨に飼い猫までイライラしていた様子も記憶に残っています。

また、母が「こんな危ないところに引っ越してきちゃったのね。名古屋市内に家を建てればよかったのに」とつぶやき、父が苦い表情をしていた場面も思い出されます。
この「安八豪雨」の2年前には「多摩川水害」もありました。こちらは後にドラマ『岸辺のアルバム』のモチーフとなった出来事です。テレビで家が流されるシーンを家族で見ながら、当時家を建てることを考えていた両親は「川の近くに家を建てるのは危険だ」と話していたことを思い出します。
水害の記録を振り返ると、単に「災害は怖い」と感じるだけではなく、どうすれば被害を防げるのか?という問いかけにつながります。これは受験勉強だけでなく、自分自身の将来を考えるうえでも大切な視点ではないでしょうか。
今回ご紹介した「安八豪雨」からもわかるように、自然災害はいつどこで起きても不思議ではありません。自分が住む地域のハザードマップを確認することや、万が一の時にどう避難するかを家族で話し合っておくことは、誰にでもできる大切な備えです。
一宮市でも大雨が続くと、自転車のチェーンの高さまで浸水することがありました。過去の記録を振り返ることは、私たちの未来を守る知恵につながるのではないでしょうか。