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2025年10月11日 町田校ブログ

最新の大学受験とその傾向とは!?

はじめに:変化期にある大学受験

2025年度入試は「新課程入試」(新しい学習指導要領・教科・科目の構成への移行を反映した入試制度)として、従来と異なる要素が多く導入された年でした。 

そのため、「例年通りの対策」だけでは通用しにくく、「新たな出題傾向・科目構成・評価方式」を見据えた準備が求められています。

以下、傾向・変化点・注意点をできるだけ多面的に整理していきます。

入試制度・科目構成・出題形式の変化

 新課程入試の導入と科目増加

  • 2025年度から新教育課程に対応した入試が始まり、大学入学共通テスト(以下、共通テスト)にも「情報 I(情報)」が新教科として加わりました。

  • 国公立大学(前期・共通テスト利用)では、ほとんどの大学で共通テスト「情報」が必須とされており、従来の受験科目構成(7科目 → 8科目などへの拡張)になっています。

  • 結果として、国公立大志望者層では「7科目受験」から「8科目受験」への移行が顕著になりました。共通テストの受験科目数拡大による負担増が、受験生の戦略を左右しています。 

  • また、共通テストの満点配点も、従来の 900 点 → 新課程対応では 1,000 点満点になるなど形式が変動しています。

 科目指定・選択の傾向変化

私立大学においては、「情報」を必須としないところや、選択科目扱いとする大学も一定数あります。つまり「情報をどう扱うか」は大学によって差が出る点です。

旧課程からの移行にあたって、科目指定の見直しを行った大学が多く、「数学 C(理系科目)」の指定を増やす大学も目立ってきています。

また、大学側が「差別化」を図るべく、科目選択の自由度を持たせる大学もあり、選択科目を複数提示して “どの組み合わせをとるか” を受験生に委ねる大学も増えています。

出題形式・出題傾向の深化

資料・思考力・複合問題が増加

各教科とも、単に知識を問う問題は残存しつつも、読解・資料解釈・論理展開・判断力を問う設問の割合が上昇しているとの指摘が多くあります。

特に共通テストでは、問題文・資料文の分量が増加傾向にあり、設問数も微増しているという分析があります。 

また、設問のなかに「横断的」「分野融合型」の出題がみられるようになり、単一科目の知識だけで解答できない問題も増えています。

時間との戦い・処理力重視

読解力・資料処理力が要求される形式が増えるということは、設問を「読んで理解し、判断し、書く」プロセスがより時間を要するようになり、速さ・正確さの両立がより重要になっています。 

特に共通テストでは、「読ませる設問文・資料文」がじっくり読ませるものになっており、解答者に取っては「読み飛ばしが許されない」難度が上がったという分析があります。 

出題分野・課題探究型問題の拡充

共通テストでは、構造化された「課題探究」型の出題(特定テーマを与えて、それに関する複数の設問を通して考えさせる形式)が拡充されています。

また、小問の中で複数段階に展開する設問(設問 A → 設問 B とつながる形式)・因果関係を読み取らせる設問が増えています。 

得点調整・スタナイン利用の拡大可能性

2025年度では、得点調整(科目間の平均点調整)制度の条件が拡大され、スタナイン(成績を9段階で区切る尺度)が得点調整判断の材料として使われる可能性が大きくなりましたが、2025年は調整が実施されなかったという報告もあります。 

将来的にはスタナイン等の標準化指標を入試合否判定や選抜方式に使う大学が増える可能性が指摘されています。

共通テストの2025年入試を振り返る:結果・傾向整理

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2025年度は新課程対応初年度ゆえ、特有の傾向・注意点が多く見られました。以下は、実際の試験結果や分析報告をもとにした整理です。

平均点・得点率の傾向

  • 2025年共通テストの実施結果では、得点率は約 59.5%と比較的高めに出たというデータが報じられています(新課程初年度という性質も影響した可能性あり)。

  • 科目別には難易度変動が見られ、特に新教科「情報」や数学 C の扱い・配点が注目されました。 

  • 設問数は従前に比べてわずかに増加、問題分量も増大傾向。これにより解答者には時間制約が厳しく感じられた可能性があります。 

  • また、設問構成が従来より「読ませる文/資料」重視になったという分析もあることから、速読・精読力を問われたと考えられます。 

科目別特徴と注目ポイント

国語

問題分量・設問構成は大枠では従来型を踏襲しながらも、思考・判断力を問う設問が散見。文脈を捉えさせる記述・論述形式を含む問題がしっかり配されていました。 

出題分野横断的なテーマを背景に、社会的・倫理的論点を重ねるような出題も観察されています。 

数学

数学 II・B に加えて数学 C を指定する大学が増える中で、共通テストの数学部分でも C を含んだ構成を意識した出題がされていました。

複数分野を横断するような設問、図・グラフを読み取らせる設問、定理の応用・変形を要する設問などが混在。単なる公式適用だけでは通りにくい問題構造。

英語

長文読解・複数英文・資料提示型文章といった複雑構成の設問が目立ち、文法・語彙基盤は当然として、読解スピード・論理理解力が強く問われました。

選択肢精査型・比較型問題、設問文が英文と和文を混在させた形式など、多角的に読む力を試す形式が見られます。 

情報

新教科「情報」の導入は多くの受験生にとって未知の領域であり、過去問題が存在しないため対策が難しい科目になりました。 

情報 I はコンピュータ・情報技術・データ処理・論理的思考(プログラミング・アルゴリズム基礎など)を扱う内容が予想されており、理系・文系を問わず注目科目です。

共通テストにおいては、情報の配点割合は比較的低めに設定されている大学もあり、「足を引っ張らない」ような対策を重視している受験生が多いという報告があります。

受験生の動向・出願傾向

  • 受験生の志望校基準として、「将来の夢・キャリア」「関心ある学問分野」「就職率・実務性」を重視する傾向が強いという調査結果が出ています。 

  • 受験対策の“早期化”傾向が顕著になっており、共通テスト過去問演習を「高3の6月までに始めた」生徒の割合が 64.2%という調査もあります。

  • 高校1〜2年生段階から塾や受験講座参加を始める生徒が増えており、「高校生は受験を見据えて生活していく」という意識の早期化が進んでいます。 

  • 志望校を地元大学や通学可能大学にする「地元志向」が強まっており、通学圏内大学を志望する生徒が増えているという報告もあります。 

  • また、推薦入試・総合型選抜・学校推薦型入試(AO・公募推薦など)を活用する生徒も多く、一般選抜一本ではない受験戦略をとる受験生が相応に存在します。 

大学入試の選抜方式・評価軸の変化

大学受験は「共通テスト+個別試験(大学独自試験)」の枠組みが主流ですが、それ以外の方式も重要度を増しています。

総合型選抜(旧 AO 入試)・学校推薦型選抜(旧 推薦入試)の拡充

  • 多くの大学が定員の一定割合を総合型選抜・学校推薦型選抜で確保しており、学力試験以外の評価を重視する流れが強まっています。 

  • 総合型選抜では、「志望理由書」「小論文」「プレゼンテーション」「面接」「課題提出」など多様な評価手段を併用する大学が多数。これにより、学力試験以外の力(思考力・表現力・志望動機の深さなど)が合否を左右することが多くなっています。

  • 学校推薦型選抜でも、調査書・評定・活動歴(部活・ボランティア等)・報告書などを重視する大学が増加傾向。学校での成績・活動をどう記録するかの工夫が求められます。

出願戦略・複線型受験の増加

共通テスト+個別試験を軸としつつ、推薦型・総合型を併用する“併願戦略”をとる生徒が多くなっています。つまり、「安全校は推薦で」「チャレンジ校は一般試験で」といった組み合わせが一般的です。

大学側も、早期に優秀な学生を確保したいため、年内入試(推薦・AO型入試の早期実施)が増えているという指摘もあります。 

評価軸の多様化

従来は「試験点+調査書(評定)」のウエイトが中心でしたが、今後は「思考力・表現力」「主体性」「探究力」「活動歴」など、従来学力以外の資質を重視する傾向が強まるとの予測があります。

特に新興分野・データサイエンス系学部・ICT系学部などでは、「情報リテラシー」「論理思考」「統計・データ分析力」を評価要素とする大学が増えつつあります。

補欠・繰り上げ合格動向にも注意

補欠合格・繰り上げ合格の発表数に変動があり、大学側が入学辞退を見込んだ定員超過を抑制する動きがあるという報道もあります。たとえば、過去にはある私立大学で補欠合格者が合格者の 40%を占めた例があり、その後縮減動向があるという指摘もなされています。 

この意味では、「滑り止め校」も気を抜けず、補欠合格状況や繰り上げ合格発表時期を把握しておくことが重要です。

対策上押さえるべきポイント・戦略的指針

上記の傾向をふまえて、大学受験生(または保護者・指導者)が強く意識すべきことを、できるだけ具体的に述べます。

早めの準備・基礎力の確立

新課程・科目追加・出題形式変化に対応するため、特に現高1・2年段階から受験を意識した学習を始めることが求められています。実際、アンケート調査では高校1~2年生でも塾参加や受験勉強を始めている割合がかなり高いというデータがあります。

基礎知識(数学・英語・国語などの基本)は盤石にしておくこと。応用問題に飛びつくことは二の次です。

新教科「情報」は過去問が存在しないため、学校での授業内容・教科書範囲・演習問題を確実に押さえることがリスク軽減につながります。

 読解力・資料処理力・速読精読力の鍛錬

出題傾向は「読む量・資料量拡大・設問複雑化」であり、読んで理解する速度と精度が合否に直結します。

英語・国語での長文演習、新聞・論説・解説文など実践的な文章に触れること、グラフ・統計資料の読み解き演習などを早期から取り入れることが有効。

模試・過去問演習の際には「時間を意識して解く」訓練を繰り返し、設問処理速度を上げること。

記述・論述・表現力強化

総合型・学校推薦型・小論文・面接・志望理由書など、“書く・表現する”力が合否を左右する場面は増えています。

日頃から論点を整理して短文・中文を書く練習、解答を構成する力を高めること、小論文型テーマを扱う練習を積むことが必要。

模擬面接・発表練習など表現力・受け答え力も含めた総合的な「アウトプット力」を養っておくと有利です。

 出願戦略・併願校設計の工夫

志望校の入試方式・科目指定・配点比率・過去の合格ライン・補欠合格実績等を早期に調べ、出願戦略を立てる。

総合型・学校推薦型と一般選抜の併用(併願型受験)を前提にリスク分散を図る。

補欠・繰り上げ合格の傾向を把握し、滑り止め校・安全校もきちんと押さえておく。

地元大学・通学可能圏内大学を選択肢に含める「地元志向戦略」も無視できない傾向です。

模試・過去問活用と弱点分析

共通テスト・志望大学過去問・模試問題を定期的に解き、傾向の変化をチェックすること。

間違えた問題は「なぜ間違えたか」「どの思考過程を欠いたか」を丁寧に分析し、理解を深めていく。

特に「読み取る・判断する・書く」プロセスが問われる設問については、解答構成過程を振り返る訓練を重ねる。

メンタル・体力管理・計画性強化

試験量増・科目数増・読解重視傾向などから、受験本番までの持久力・集中力が問われます。日常的な体力管理・規則正しい生活が重要です。

学習計画は前倒しで立て、進捗管理をしっかりやる。遅れが出たときのリカバリー策も想定しておくこと。

不確定要素(新傾向問題・科目追加・入試制度変動など)に対応できる柔軟性をもっておくこと。

今後の予測・注目点(2026年以降を見据えて)

2025年は“変化元年”という性格を持つ年でしたが、2026年以降も注目すべき方向性があります。

  1. スタナイン・得点調整の一般化

     得点調整や標準化手法(スタナイン等)を合否判定や科目バランス調整に使う大学が、2026年以降さらに増える可能性があります。

  2. 情報・データサイエンス領域の重視

     情報科目(プログラミング・アルゴリズム・データ処理)を重視する学部・大学が増えると予想され、情報系リテラシーを問う大学入試の比重が高まるかもしれません。

  3. 表現・思考力・探究力重視の深化

     従来以上に「問いを読み解き、自分なりの考えを持ち、それを表現する力」が入試の中心軸になる可能性が高く、記述・論述・プレゼン型問題が拡充されるでしょう。

  4. 出願方式の多様化・前倒し化加速

     推薦・総合型選抜・AO型などの実施時期が前倒しされる、あるいは出願締切が早まる動きもあり得ます。受験生・高校はスケジュール管理をさらに厳しくする必要があります。

  5. 学域横断型・複合学問型入試の拡大

     学部をまたぐ入試方式、学際的問題出題、課題探究型出題など、単一学問ジャンルではない入試が増える可能性があります。

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