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『英語長文レベル別問題集』(東進ブックス)は、安河内哲也先生をはじめとする著名講師陣によって執筆された、長年にわたり受験生の支持を集めるベストセラー参考書です!最大の特徴は、中学レベルから超難関大レベルまで全6段階に細分化されたレベル設定と、全文に振られたSVOC(構文解析)です。
「英語長文が苦手」という受験生にとって、いきなり入試問題に取り組むのはハードルが高いものですが、本書は自分の実力に合ったレベルからステップアップ方式で階段を登るように実力を伸ばせる設計になっています。
この記事を監修した人
慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
| 書名 | 英語長文レベル別問題集 ①~⑥ |
| 著者 | 安河内哲也・大岩秀樹 他 |
| 対象レベル | 中学初級~難関国公立・早慶レベル |
| 値段 | ①~④:990円 ⑤,⑥:1100円(税込) |
| 公式リンク | 東進ブックス公式サイト |
1. 全文に施されたSVOC解析と丁寧な構造解説
すべての英文にS(主語)、V(動詞)、O(目的語)、C(補語)の記号が振られており、修飾関係も明確に示されています。「なぜその訳になるのか」が視覚的に理解できるため、英語長文に苦手意識がある人でも「精読(正確に読むこと)」のトレーニングが独学で可能です。
2. 自分のレベルに合わせてスタート地点を選べる
①超基礎から⑥難関まで細かく分かれているため、「難関大志望だけど、今は偏差値40台」という場合でも、②や③から始めて無理なく実力を積み上げられます。志望校のレベルと現状のギャップを埋めるための「階段」として機能します。
3. 音声ダウンロードによるリスニング・音読学習への対応
ネイティブスピーカーによる朗読音声が付属しています。構文を理解した上で音読を繰り返すことで、読むスピード(速読力)とリスニング力を同時に鍛えることができます。
1. 「読み方(ロジック)」の解説は少なめ
一文一文の「訳し方」や「構造」の解説は手厚いですが、パラグラフごとのつながりや、現代文のような「論理展開」を解説する部分は比較的少ないです。「文法はわかるが、文章全体の主旨がつかめない」というタイプには、後述する『The Rules』などが適している場合があります。
2. 問題形式がややオーソドックス
設問は内容一致や空所補充が中心で、近年の共通テストや難関私大で見られるような「複数の情報を統合して推論する」ような複雑な問題は少なめです。
各レベルとも12題程度の長文問題が収録されています。構成は「問題編」と「解説編」に分かれており、解説編では、本文の縮小コピーに対して直接SVOCや文法解説が書き込まれているスタイルが特徴的です。これにより、視線をあちこちに動かさずに解説を読むことができます。
各巻の到達目標(目安)は以下の通りです。
①超基礎編:中学レベル・高校受験レベル
②基礎編:高校基礎・共通テスト基礎レベル
③標準編:共通テスト・日東駒専レベル
④中級編:共通テスト高得点・MARCH・関関同立レベル
⑤上級編:MARCH上位・国公立大・早慶下位レベル
⑥最上級編:早慶上智・難関国公立大レベル
MARCH志望であれば、最終的に⑤上級編まで、早慶上智や国立大志望であれば、最終的に⑥最上級編まで仕上げるのが理想的です。
得られる学力:正確な構文把握能力、基礎的な読解体力、リスニングの土台
おすすめする人:
・英語長文がとにかく苦手で、どこでつまずいているか分からない人
・感覚でなんとなく読んでしまい、得点が安定しない人
・一文一文を正確に訳す「精読力」を鍛えたい人
MARCH志望の受験生の場合、以下が目安となります。
・高校3年生の夏休み前まで:レベル③または④を完璧にし、基礎を固める。
・高校3年生の10月頃まで:レベル⑤を終え、過去問演習への橋渡しとする。
苦手な人は、夏休み中にレベル②や③から集中的に取り組み、基礎を叩き直す使い方が非常に効果的です。
レベル①や②であっても、最低限の中学英単語や基礎文法(5文型や不定詞など)の知識は必要です。文法用語が全くわからない状態だと、解説の良さを活かせません。その場合は『大岩のいちばんはじめの英文法』などを並行して進めましょう。
1. 時間を計って問題を解く
まずは制限時間内に解答します。分からない単語があっても辞書は使いません。
2. 答え合わせと解説の熟読
正解・不正解にかかわらず、SVOCの解説を読み込みます。特に「自分がどう構造を捉えていたか」と「実際の構造」のズレを修正することが最重要です。
3. 音読トレーニング(重要)
付属の音声を使い、最低10回は音読します。この際、日本語訳を頭に思い浮かべながら、英文の語順のまま理解できるように意識してください。
最大の強みは「レベルの細分化」と「解説のビジュアル化」です。他シリーズが3~4レベル展開であるのに対し、本書は6レベル展開であるため、階段の段差が低く、挫折しにくい設計になっています。また、見開きで英文と構造解析が見られるレイアウトは、復習のしやすさにおいて群を抜いています。
今回は、同じく解説が詳しいとされる「関正生のThe Rules」と「英語長文ハイパートレーニング」と比較します。
| 比較項目 | レベル別問題集 | The Rules | ハイパートレーニング |
|---|---|---|---|
| コンセプト | スモールステップ×全文SVOC | 読解ルール(論理)の習得 | 全文SVOC×音読徹底 |
| 到達レベル | 中学~最難関(6段階) | 基礎~難関(4段階) | 基礎~難関(3段階) |
| 解説の詳しさ | 構文解析重視で非常に詳しい | 論理展開・解法重視で詳しい | 構文解析重視で非常に詳しい |
| 問題数と網羅性 | 12題/冊(ドリル向き) | 12題/冊(ルール習得向き) | 12題/冊(精読向き) |
| 前提レベル | ①なら中1レベルから可 | 高校基礎文法完了レベル | 高校基礎文法完了レベル |
| おすすめ度 | ★★★★★(苦手克服に最適) | ★★★★☆(ある程度読める人向け) | ★★★★☆(本書とほぼ互角) |
「英語長文が苦手」だけど「難関大を目指したい」あなたには、まずは『レベル別問題集』を強くおすすめします。
理由は、苦手な人の多くは「文章の論理(The Rulesが得意な領域)」以前に、「一文が正しく訳せない(構造が取れない)」状態で止まっていることが多いからです。まずは『レベル別問題集』の③か④を使って、SVOCを振る練習を徹底し、「なんとなく読む」癖を矯正しましょう。
その上で、文章が正確に読めるようになってきたら、『The Rules 3』などに移行して論理的な読み方を学ぶと、MARCH合格への最短ルートになります。
P.S. どの参考書を選ぶべきか、または具体的な進め方で迷っている場合は、私たち東大・早慶コーチが個別の学習計画を一緒に作成します。
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“偏差値40からのスタートでしたが、レベル2から順番にやってレベル5まで終わらせた頃には、センター試験(現共通テスト)の長文がスラスラ読めるようになりました。SVOCのおかげで返り読みしなくなりました。”
“解説は詳しいですが、問題自体は素直すぎるものが多く、ひねった選択肢への対応力はつきにくいかも。あくまで精読の練習用と割り切ったほうがいいです。”
MARCH志望ですが、いきなりレベル4や5から始めてもいいですか?
現状の偏差値によります。もし模試で長文が半分も取れないなら、レベル3(標準編)から始めるのが急がば回れです。レベルが合わない難しい長文をやっても、単語を調べるだけで終わってしまい、読解力は伸びません。
改訂版が出ているようですが、古い版でも大丈夫ですか?
基本的には最新の「改訂版」をおすすめします。掲載されている英文のテーマが新しくなっており、最近の入試傾向(SDGsやAIなど)に即した話題に触れられるからです。
『英語長文レベル別問題集』シリーズは、長文アレルギーを持つ受験生にとっての「特効薬」となる参考書です。特に「単語は覚えたはずなのに長文が読めない」という人は、この本でSVOCを意識した精読トレーニングを行うことで、劇的に世界が変わる可能性があります。MARCH合格を目指し、まずは基礎を固めたいあなたに、自信を持っておすすめできる一冊です!
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