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本記事で紹介する参考書「システム現代文」シリーズは、現代文界のレジェンド、出口汪先生による超ロングセラーシリーズです。「現代文は感覚ではなく論理である」という明確な信念のもと、あらゆる文章を一貫したルール(論理的読解法)で読み解く手法を教えています。「ベーシック編」「バイブル編」「私大対策編」「記述論述対策編」「実践演習編」の5冊からなり、基礎から難関大レベルまで階段を登るように設計されています。
この記事を監修した人
慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
| 書名 | システム現代文 シリーズ(ベーシック・バイブル・私大対策・記述論述対策・実践演習) |
| 著者 | 出口 汪 |
| 対象レベル | 基礎(偏差値40)〜難関国公立・早慶(偏差値70超) |
| 値段 | 各 1,000円〜1,400円程度(税込・巻による) |
| 出版社 | 水王舎 |
最大の強みは「再現性の高い解法」です。筆者の主張を見抜くための「論理のルール」を言語化しており、センスに頼らず正解を導き出す力が身につきます。また、シリーズを通して解説が一貫しているため、レベルが上がっても同じ解法プロセスで立ち向かえる安心感があります。特に「物語文における心情把握」も客観的根拠から導く手法が徹底されており、物語の文章自体に感情移入しすぎたり、逆に心情を読み取れずに失点するタイプには特効薬となります!
「論理」を重視するあまり、解説がやや理屈っぽく、機械的に感じられる場合があります。また、文章自体を味わいたいタイプや、感覚的にある程度読めてしまう人には「まどろっこしい」と感じられるかもしれません。さらに、シリーズ全体でボリュームがあるため、入試直前期にゼロから全てをこなすのは非常に厳しいです。
「論理」だけで本当に解けるか不安ですか?
「解説を読んでも自分の答案と合わない」「本当に身についているか分からない」
そんな悩みは、プロのコーチによる客観的な添削で解決できます。
各巻ともに、前半が「講義形式でのルールのインプット」、後半が「演習問題」という構成が基本です。
ベーシック編:現代文の基本ルールを学ぶ入門書。
バイブル編:シリーズの中核。必須の解法テクニックを網羅。
私大対策編:選択肢問題の切り方、私大特有の傾向対策。
記述論述対策編:国公立向けの記述作成プロセスを詳細に解説。
実践演習編:高難易度の問題を用いた総仕上げ。
シリーズ全体で偏差値40台から70台までカバーします。志望校別の目安は以下の通りです。
日東駒専・地方国公立レベル:ベーシック編 → バイブル編
MARCH・関関同立レベル:バイブル編 → 私大対策編
早慶レベル:バイブル編 → 私大対策編 → 実践演習編
難関国公立レベル:バイブル編 → 記述論述対策編 → 実践演習編
「なんとなく」で解いていた現代文が、「根拠を持って」解けるようになります。特に、物語文で「主人公の気持ちに入り込みすぎて間違える」人や、論説文で「筆者の主張がどこにあるか見失う」人におすすめです。現代文を理系科目のような「論理パズル」として捉え直すことができます。
高校1・2年生:「ベーシック編」からスタートし、じっくり基礎を固めるのが理想です。
受験生(高3):夏休み前までに「バイブル編」を完璧にし、夏以降に志望校に合わせた「私大対策編」や「記述論述対策編」に進むスケジュールがおすすめできます!
前提知識は不要ですが、出口先生独特の用語(「他者意識」「具体と抽象の往復」など)に慣れる必要があります。最初の一冊(ベーシック編やバイブル編)でつまづくと、その後のシリーズに進むのが難しくなるため、最初の一冊は徹底的に読み込む必要があります。
1. まずは問題を解かず、解説講義を熟読して「読み方のルール」を理解する。
2. 別冊の問題を、ルールを意識しながら解く。
3. 答え合わせでは、正解・不正解だけでなく「解説通りの思考プロセスで解けたか」を確認する。
4. 間違えた問題は、解説のプロセスを自分で再現できるまで解き直す。
多くの参考書が「問題ごとの解説」に終始しがちなのに対し、システム現代文は「どんな問題にも通用する普遍的なルール」の習得を最優先しています。これにより、初見の問題であっても、習ったルールを当てはめることで解答への糸口が見つかるようになります。
今回は、同じく講義系参考書の定番である『入試現代文へのアクセス』と、読み方のフォームを重視する『船口のゼロから読み解く最強の現代文』と比較します。
| 比較項目 | システム現代文 | 入試現代文へのアクセス | 船口の最強の現代文 |
|---|---|---|---|
| コンセプト | 一貫した論理ルールで全問題を解く | 本文構造の把握と設問アプローチのバランス | 図解やイラストで直感的に「読み方」を掴む |
| 到達レベル | 基礎〜超難関(5冊で完結) | 基礎〜難関(3冊構成) | 基礎〜中堅(2冊構成) |
| 解説の詳しさ | 非常に詳しい(講義調で理屈重視) | 標準的(要点がまとまっている) | 詳しい(ビジュアル重視で分かりやすい) |
| 問題数と網羅性 | シリーズ全体で非常に多い | 演習量確保に最適 | 少なめ(型を身につけることに特化) |
| 前提レベル | 日本語が読めればOK(ゼロから可) | 高校基礎レベルはある程度必要 | 苦手意識が強い人向け |
| おすすめ度 | ★★★★★ (難関大まで一貫して目指すならこれ) |
★★★★☆ (演習を積みたいなら併用推奨) |
★★★☆☆ (早慶レベルにはやや不足) |
まさに「現代文が苦手だが、難関大まで目指したい受験生の皆さん」には、間違いなく『システム現代文』シリーズをメインの参考書に据えることをおすすめします。
理由は2点あります。まず、苦手な原因が「物語と論説で読み方を変えてしまっている(あるいは感覚で読んでいる)」ことにある場合、出口先生の「全てを論理で解く」というアプローチが矯正ギプスとして最適だからです。次に、目指すゴールが他教科の成績伸びなどを踏まえても段階的に考えることが出来る場合(志望校レベルに差がある場合)、同じ方法論(メソッド)で基礎から応用まで接続できるこのシリーズが、学習の混乱を防ぐ上で最も効率的だからです。
まずは『ベーシック編』で基礎固めをし、自信がついたら『バイブル編』へ進んでください。ここが現代文攻略の糸口になります!
P.S. どの参考書を選ぶべきか、または具体的な進め方で迷っている場合は、私たち東大・早慶コーチが個別の学習計画を一緒に作成します。
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“物語文が苦手でしたが、この本で『心情語』の探し方を学んでから、主観に頼らず答えを選べるようになりました。模試の成績も安定して上がり、早稲田の過去問でも戦えるようになりました。”
“説明がくどいと感じることがありました。論理、論理と繰り返されるので、もっとサクサク問題を解きたい人には合わないかも。あと、バイブル編は意外と難しいので注意が必要です。”
ベーシック編を飛ばしてバイブル編から始めてもいいですか?
現在の偏差値が50未満、あるいは現代文に強い苦手意識がある場合は、必ず「ベーシック編」から始めてください。出口メソッドの根幹となる考え方はベーシック編で丁寧に解説されています。ここを飛ばすと、バイブル編の解説が上滑りする可能性があります。
論述対策編は国公立志望者以外は不要ですか?
基本的には国公立志望者向けですが、早稲田大学などの一部の学部で記述問題が出題される場合は取り組む価値があります。ただし、マーク式のみの私大志望であれば「私大対策編」を優先してください。
『システム現代文』シリーズは、現代文を「感覚」から「論理」へと昇華させるための最強のツールです。特に、物語文で感情に流されやすい人や、難関大の複雑な論説文で迷子になりやすい人にとって、一貫した解法ルールは大きな武器になります。
日東駒専レベルから難関国公立・早慶レベルまで、段階を踏んで着実に力をつけたい受験生は、ぜひこのシリーズを信じてついていってください。「論理」が身につけば、現代文は最も安定した得点源に変わることでしょう!
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