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みなさん、東大受験対策は順調ですか?
特に東大受験を目指している方にとって、英語の得点は重要ですよね。
単語に文法といった基礎から要約やリスニングまで、英語は必要な勉強量が多く、「点数が伸びない!」という悩みの声もスタディコーチ(studycoach)にはたくさん届いています。
そこで今回は、現役東大生が多数所属するスタディコーチ(studycoach)が、東大入試本番で合格点を目指すための「東大式」東大英語の攻略法を説明します!
目標とすべき得点の目安から、時間配分・設問別対策まで、対策法を一挙にまとめて濃縮しているので、じっくり読み込んで英語の得点をアップさせましょう!!
ライター情報
R.K
東京大学の文科三類に在籍中です。
地方から浪人を経て入学しました。
現在、農学部への進学を目指しています。
勉強に関する様々な情報をお伝えしていきます!
早速東大英語について学んでいきましょう!
東大受験において英語は、全科類の入試で共通して必須であり、配点も多い科目です。対策をしっかり練ってくる方も多く、合格するためには周りの受験生に大きく差をつけられるのは避けたい科目でもあります。
大問は全部で5問で、要約・リスニング・リスニングなど、幅広く英語の技能が問われます。また問題の量自体が多いため、「いかに早く正確に処理するか」が問われていると分析することができるでしょう。受験生の皆さんには、英文読解の速度アップや当日の時間配分のテクニックが求められるというわけですね。
合格者平均点は2017年が77.5点、2019年が78.7点、2020年が77.1点、2021年が83.1点となっています。したがって、8割弱を取れるようになっていなければなりません。もちろん他の科目との兼ね合いではあるので、あくまで自分の得意・ニガテに合わせた目標点・得点率を見据えましょう!
また一部の英語が得意な方にとっては、入試本番の英語の得点が、入学後にTLP(TLPの簡単な説明)に参加できるか否かを決める指標にもなります。可能な限り高い点を取れるように対策を重ねることが重要なのですね!
東大英語全体の位置付けや目標点を把握したところで、細かく設問ごとの傾向を分析していきましょう!
東大英語は全5問で、以下の7種類に仕分けることができます。
どれも難易度が高く、練習も必要となってきます。
それでは、具体的に各問題について解説していきます。
こちらは2022年度の大問1−A:要約です。どのような傾向があり、どう対策していくのが効果的か、そして特に力を入れて対策をしたい方向けの参考書はどのようなものがあるか、といったことを説明していきます。一緒に確認していきましょう!
この問題ではパラグラフが3〜4つほどの英文を70字〜80字ほどでわかりやすく要約することが求められます。文字数は年度によってばらつきがあり、年によっては100字程度求められることもあります。
東大の要約問題では問題文をしっかり頭で理解し、日本語で論理的に文章を書く能力が求められます。一般的な時間配分としては10分ほどでこの問題を終わらせられると良いでしょう。パラグラフごとに内容を理解し、英文の強弱を見分けられるようになることが大切です。英文の精読力と論理的に考える力を身につける練習を積みましょう。
傾向を踏まえると、パラグラフごとに内容を理解し、英文の強弱を見分けられるように対策することが大切です。英文の精読力と論理的に考える力を身につける練習を積みましょう。時間のある高1、2生の場合は日本語の文章を日本語で要約するのも骨子を掴む良い練習になります。
大問1ーAの要約の苦手を克服したい、得点源にしたいといった方向けに要約の問題に集中的に取り組める参考書を紹介します。
要約は結構練習量がものを言うので、数をこなしていくのはオススメです。
パラグラフリーディングのストラテジー③実践編
こちらの参考書では、要約を解くのに身につけるべきパラグラフリーディングを強化することができます。ストラテジー①からあるので、自分の苦手具合に合わせて取り組んでみてください!
この問題では英文の文脈や論旨展開を扱う能力が問われます。
まず欠文補充は、約500語ほどの英文を読み空欄に当てはまる文章を後ろの選択肢から選ぶ問題です。問題数は5問ほどですがダミー選択肢が1−3個ほど含まれているため注意が必要です。
また段落整序は、約5個ほどの選択肢の中に1つ以上ダミーが含まれています。段落ごとのつながりを意識して注意して読解を進める必要があります。
この2022年度は欠文補充ですね。欠文補充が出題される年もあれば段落整序が出題される年もありますが、欠文補充の方が簡単だと一般的に言われています。しかしどちらが出題されるかはわからないので、難しいと言われる段落整序にも対応できるようにしておく必要がありますね。
コツとしては、いずれも基本的な英語の文構造や「ディスコースマーカー」、指示語などに注目して解きましょう。
ディスコースマーカーとは、but(しかし)やbecause(なぜなら)、aditionally(さらに)など、英文の流れを示す目印のことです。
問題自体がよく練られていることもあり、これらのポイントに注目すればスラスラ解けてしまう場合もあります。
時間配分としては12分ほどで解き終えると余裕が持てるでしょう。コツをうまく用いることで短い時間で的確に解けるようにしましょう!
東京大学英語 3 段落整序 (河合塾シリーズ)
本番と同程度の難しさの問題が多数掲載されており、解説も充実しています。演習を積む中で、どのようなフレーズに注目すれば文補充や段落整序がしやすくなるのかが掴めてくると思います。
次は英作文の特徴を見ていきましょう!2022年度の問題からわかる通り、英作文と言っても自分の意見を英語で述べるパターンと、日本語を英語に訳すパターンの2種類が毎年出題されます。
今度は「自分で書く」能力が問われます。問題文の条件や設定にしたがって、自らの主張を相手にいかに誤りなく伝えられるかが重視されます。
約60文字の自由英作文が2題出題されます。内容としては、写真を見て答えるものからテーマが与えられるものまで年によって様々です。
ポイントは「シンプルに書く」ことです。基本的に減点方式で採点されていると考えられており、「与えられた条件を満たして問いにまっすぐ答えること」だけでなく、「文法やスペルを間違えないこと」が重要になってきます。
言いたいことが伝われば良いので、難しい表現にこだわらず、上手く簡単な表現に言い換えて書く習慣をつけましょう。正しい表現を扱えるようになるためにも、英作文の採点はネイティブの先生/友人に採点を頼むことを強くオススメします。
また割と指定される単語数が多いので、見切り発車で書き始めず、最初に構成を簡単に練ってから書き始める練習をしておくと良いでしょう。
時間配分としては20分ほどで解き終わると良いでしょう。どのような内容が求められているか最初に確認し、自分が書きやすいものから取り組むと良いです。
ドラゴン・イングリッシュ基本英文100
100の基本英文はどれも、簡単に言えそうで言えない絶妙なラインの英文です。
この英文を全て完璧に覚えておいたおかげで、誇張ではなく出題される言い回し全てに対応できるようになったので本当にオススメです!
リスニング問題は音源は公開されていないので、同じく2022年度の問題の一部だけを見て確認していきます。
東大のリスニングは、およそ30点、英語全体の1/4という大きな割合を占める重要項目です。
特徴としては開始から約45分後に流れ始め、30分間問題が流れます。
総再生時間が長く慣れは必要ですが、内容理解を問う問題ばかりで、しかもすべて2回放送されるため、英語がニガテな方にとっても大きな得点源だと言われています!
このように特徴的な出題方法のため先読みが必須です。開始後すぐ確認すると問題形式を忘れることもあるので30分ぐらい経ってからリスニングの問題を確認すると良いでしょう。
どのような内容が聞かれるのか等予測し、問題文に線を引いておくなどしてすぐに把握できるようにしておくと解きやすいです。
また、慣れるためにも日々の登下校や休み時間、寝る前の5分だけでも継続してリスニングを行いましょう。なるべく五感を用いて英語に触れるために、音読(シャドーイング)もオススメです!
【音声DL付】新 キムタツの東大英語リスニング Basic (英語の超人になる! アルク学参シリーズ)
キムタツの東大英語シリーズは難易度が3段階に分かれて出版されています。Basicでも東大本番並みの文章レベルだと思うので、苦手な人はBasicから始めることをオススメします。ただ問題を解くのではなく、ディクテーションの細かい指示などがあり、時間をかけてレベルアップしていくのに最適な一冊です。
文法問題は全部で5問です。じっくり取り組めば解けるものの、短時間で特には難しい問題も混じっています。
「よくある間違い」と誤認させるような、引っ掛け問題も多く出題されるためあまり時間をかけず、ささっと解く方が時間のロスにつながりにくいです。
時間が余ったら戻って解くくらいの気持ちでいると良いです。
時間配分としては時間をかけすぎるとなかなか抜け出せないため5分ほどで終わらせ次に移るようにしましょう。
東京大学英語1 文法・語法・語句整序 (河合塾シリーズ)
東大英語の 文法の問題は、特別この大問のために対策をするというよりは、日々の英語学習の中でどれだけ精度を自分で意識しているかが差として表れるものだと思います。
そのため必勝法的な参考書は存在しない気がするので、どのような問題が出るのか、どれくらいの精度が求められるのかを知るのに良い参考書としてこちらを紹介します。
英文和訳も、リスニングと同様大きな得点源になり得ます。
東大英語にしてはそこまで複雑な文法・構造が含まれていないことがその理由ですが、指示語をうまく補完する必要があったり、文脈の中でうまく解釈を変えて訳す必要があったりと、一工夫必要な問題だと言えるでしょう。
英語力は当然として、日本語力も駆使しながら「英語と日本語をうまく対応させる」能力が問われているわけですね。
この問題の時間配分としては8分ほどで解き終えることができると他の問題に余裕を持って取り組むことができます!
英文和訳の問題は長文の一部に下線が引かれていることに注目しましょう。下線部以外を読まなくても十分に解答できる場合、そもそも長文を掲載しませんよね。つまりこの英文和訳は前後の文脈を踏まえた上でいかに自然な日本語で表現するか、ということが問われています。
しっかりと時間を確保して下線部中の代名詞が何を置き換えているのかなどを意識しながら読みましょう。
英文和訳演習(上級編)(駿台受験シリーズ)
紐解いていくように和訳する必要がある問題が多数掲載されているので、こちらの参考書でしっかりと対策していけば本番レベルの問題に苦戦しなくなると思います。初級篇、中級篇もあるので、上級篇が難しすぎると感じたらそちらに取り組んでみると良いかもしれません。
物語文(小説)や随筆が多く取り上げられます。
単語の言い換えや並び替えといった英文法上の問題も出題されますが、心理描写の理解や状況説明・要旨理解といった国語力も求められています。
一朝一夕にはなかなか得点は伸びないため、受験生は普段の学習で論説文に触れる機会が多いと思いますが物語文(小説)や随筆にも触れて会話文等にも慣れておく必要があります。
時間配分としては25分ほどで解き終えると良いです。ポイントをおさえながら効率的に解いていきましょう!
東大の過去問
東大の過去問は東大志望の方なら漏れなく解いていると思いますが、全大問は無理でも、長文読解に絞ってかなり古い年度のものまで遡って取り組むと良いです。
東大の過去問があの心理描写の理解や状況説明・要旨理解といった国語力も求められている問題の練習になります。
全体の傾向・設問別分析まで理解したところで、東大英語の攻略法をご説明していきます!
すべて今日から実践できる内容になっているので、ぜひご自身の勉強計画に組み込んで東大合格を目指してください!
冒頭の科目説明でも触れたように、東大英語は「速く」「正確に」解く必要があります。
この2つを両立するためには、
ことが必要です。
まずⅠですが、すべての基本は単語と文法です。これらを早めに固めると同時に、「忘れてしまうものだ」と割り切って何度も復習を繰り返し続けましょう。
こちらの記事でも解説していますが、基礎の基礎となる単語・文法を固め、演習の中でスラスラ読める&知識が出てくるようにする必要があります。
オススメのインプット方法については、次の東大式②で説明します。
次にⅡですが、オススメの時間配分と解く順序を以下の表にまとめました!
解く順番 |
時間配分 |
|
要約 |
2 |
10分 |
段落整序 |
6 |
12分 |
英作文 |
1 |
20分 |
リスニング |
4 |
35分 |
英文和訳 |
3 |
8分 |
文法 |
8 |
5分 |
長文読解 |
7 |
25分 |
見直し |
9 |
5分 |
合計 |
120分 |
詳細は先ほど設問別分析で触れたので割愛しますが、この時間配分&順序で解くことができれば、安心して得点を重ねることができるでしょう。
「【東大式】英語の勉強法オススメTOP3!初心者向け受験対策」でもご紹介していますが、東大式がオススメする最強の英語勉強法は「音読」です。
理由としては英語は言語の一種ですから、慣れ=触れる量が極めて重要であるからです。しかし限られた受験勉強の時間を、英語にだけ割り振るわけにもいきません。スキマ時間の活用にも限度があります。そのため時間(=勉強量)を重ねることも重要ですが、東大合格のためには勉強の「質」にこだわることが不可欠となってきます!
そこでオススメするのが音読です!音読は声・耳・目の3つの感覚を同時に駆使できるため、「最高効率で」英語に触れることができるといえるでしょう。
特に題材としてオススメなのが、1〜2文のセンテンスです。単語や文法を文章ごと「活きた形で」取り込むことができて、応用力も身につけることができます。CD付きの参考書などでリスニングも同時に行えば、さらに効率をあげることができます!
私は単語を覚える際に、実際に単語帳に記載されている例文ごと暗記するようにしていました。どのようにその単語が使われるのかが掴みやすく、オススメです。ついでに他の単語や表現も自然と学べるので、まさに応用力がつくことを実感できます。
詳しくは「【東大式】英語の勉強法オススメTOP3!初心者向け受験対策」をチェックしてください。
ここまで確認してきたように、東大英語は(これまでの傾向に則れば)出題形式がある程度決まっています。「速く」「正確に」解くためにも、東大英語のパターンに慣れておくことが非常に重要です。
したがって、早めに過去問や模試に触れ、難易度や出題形式に慣れましょう。そして演習をする中で自分のニガテを見つけ、その大問だけ練習を重ねてみたり、その大問で必要とされている技能・知識を固め直したりといった対策を取っていくことで素早く課題を解決していきましょう。
またリスニングや読解のスピードを始め、英作文や和文英訳のうまい言い換えなど、日々の積み重ねによって伸ばすことができる技能が多いので、早めに&継続して勉強を進めることがオススメです!
そうしたノウハウを忘れないよう、気づいた&学んだ表現はしっかり設問別にノートにまとめて「ノウハウ貯金」し、徹底的に対策していきましょう。
私は以下の表の時間配分を目安にしていました。
解く順番 |
時間配分 |
|
要約 |
1 |
7分 |
段落整序 |
2 |
8分 |
英作文(A)(B) |
5,3 |
7分,8分 |
リスニング |
4 |
38分 |
英文和訳 |
6 |
12分 |
文法 |
8 |
7分 |
長文読解 |
7 |
30分 |
見直し |
9 |
3分 |
合計 |
120分 |
まず要約問題、段落整序は読みやすい英文なので、初めにささっと片付けることで気持ちに余裕を持たせていました。特に要約問題は練習量を重ねれば重ねるほど、時間をかけずに問題を解いても解答の質が安定しやすいので解答時間の短縮が狙えます。
次に英作文2-B(和文英訳)に取り掛かります。和文英訳で肝となるのは、意味を損なうことなく課題文を簡単な日本語表現に言い換えることです。この言い換えを考える段階で、どの構文が使えるかなどをイメージできるのが理想です。
そうすると、その後の英訳がスムーズにいきます。2-B(和文英訳)が完了すると、2-A(自由英作文)に軽く目を通してどのような内容で作文をしようか少しだけ考えます。
ここまで終わると、ひとまずリスニング問題の下読みに移ります。リスニング問題は配点が大きく、極端にスピードが速いわけでもないので満点を狙っていました。
そのためにも、下読みには7〜8分と比較的長い時間を割き、放送前にどのような音声内容かを予測します。自信がある問題も含めて2回とも放送は集中して聴き、音声終了と同時に慎重にマークシートに解答をマークしました。
リスニング後には残っている英作文2-A(自由英作文)に戻って取り組みます。リスニング前に問題文に目を通していたおかげで、この時点で作文の内容方針は決まっています。あとは2-B(和文英訳)と同様に、伝えたい内容を簡単な日本語に言い換えてから英語での表現を考えます。
続いて英文和訳ですが、模試などの経験から文脈をしっかりと把握した上で解答すると高得点に繋がると感じていました。そのため、下線部のみならず英文全体を読みつつ和訳に取り組むので、約12分と比較的長めに時間を確保しました。
英文和訳が終わると長文読解にかかります。長文読解は読むのに時間がかかる上、慣れない会話表現や抽象的内容により趣旨が掴みにくい場合が多くありました。
しかし落ち着いてじっくりと読めば正答率が上がることに次第に気づいたので、予定時間はたっぷり30分としました。
最後に文法問題に取り組みます。正直、この問題は正答率の低い状態が直前期まで改善されなかったので半ば諦めていました…。
なるべく他の問題で得点するつもりで、時間をかけないようにかなり駆け足で目を通し、熟考することなく解答を選択していました。
問題を解き終わったこの時点で基本的に残り時間が3〜5分だったので、全て見直しに当てました。特に注意して見直したのはマークズレがないかどうかです。
以上が私の東大英語への臨み方です!本番形式の演習をするときにはいつも同じ意識で取り組んでいたので、本番でもいつも通り落ち着いて解答することができました。
もちろん人によって大問の得意・ニガテがあると思うので自分が安定して、そして自信を持って解くことができる大問から解き始めることが重要です!
模試や過去問演習を通じて感触を確かめつつ、東大式①で紹介した時間配分&順序をカスタムするつもりで自分にとって最高な形を探してみてください!
今回は東大英語の分析と、現役生が教える【東大式】最新攻略法をお伝えしてきました。
まとめると以下の3点が重要です。
英語は言語であり、ある程度勉強が必要だからこそ、「いかにコスパよく勉強を進めるか」を意識できるかが合否を分けます!
「東大式」で、東大英語を本番の頼れる得点源にしてしまいましょう!
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東大二次試験の他科目については、以下の記事を参考にしましょう!全科目を踏まえて得点配分を見据えることが合格するためには必須です。
また今回の記事の執筆者は、スタディコーチ(studycoach)でコーチも実際に務めています!
スタディコーチ(studycoach)は現役東大生・早慶生のみが質の高い授業を行っており、高い指導実績と満足度を誇る個別指導塾です!
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