夏休みは受験生にとって 一番重要。時間をどう使うかで、秋以降の伸びや合否が大きく変わります。
ここでは「何を」「どのくらい」「どうやって」行うかを、具体的かつ実践的に解説します。
基礎固め・苦手克服・アウトプット・模試活用の4点を軸に、日々のルーティンや40日間プラン、模試後の立て直し法まで網羅します。
なぜ「夏」が重要か
• 学校の授業が止まり、自由に使える時間が大幅に増えるため、集中した学習ができる。
• 同じ期間に努力した人とそうでない人の差がつきやすい。
• 高3なら秋から志望校対策が本格化するので、夏に基礎と弱点を潰しておくことが秋の伸びにつながる。
参考データ(一例)
大学受験に必要とされる学習時間はおおよそ国公立:2,500〜3,500時間、私立:2,000〜2,400時間。
夏休み(約40日)に1日8時間を確保すれば、8 × 40 = 320時間を確保できます。これは年間計画の大きな前進です。
夏休みにまず集中すべき“4つ”(優先順位)
1. 基礎固め 教科書
基礎問題を完璧に。英語は単語・文法、数学は教科書例題、理科は基礎概念、国語は現代文の読解力や古文文法の定着。
2. 苦手科目の克服 夏はまとまった時間で苦手分野にじっくり取り組める。
分野ごとに「できない原因」を洗い出し、基礎に戻ってやり直す。
3. アウトプット重視の演習
インプットだけでは定着しない。類題を解く→自分の言葉で解説できるか確認→タイムトライアルで速度も鍛える。
4. 模試を使った方向性チェック
模試は点数よりも「弱点発見のツール」。間違いの原因分析を徹底し、復習計画に落とし込む。
科目別:夏にやるべき具体的タスク
英語
• 単語:毎日ノルマ(例:50語)を設定し隙間時間で反復。
• 文法:文法問題集を一通り完成させ、自分の説明で説明できるまで。
• 長文:1日1題〜2題を丁寧に解き、パラグラフ単位で意味を取る訓練。
• リスニング:毎日シャドーイングや音読を取り入れる。
数学
• 教科書例題・基礎問題を確実に。
• 苦手分野は「公式→証明→類題」の順で繰り返す。
• 計算の正確さと速度を時間を計って鍛える(制限時間付き演習)。
国語(現代文・古文)
• 現代文:毎日1題の精読。設問で迷った部分を解説で把握する。
• 古文:単語+文法の徹底、定期的に読み下し練習。
理科・地歴公民
• 理科(物理・化学):基本原理→問題演習→計算の手順を整理。
• 地歴公民:流れ把握+年代整理、重要語句はフラッシュカードで暗記。
• 公民は時事チェックも忘れず(入試に出ることがある)。
1日の具体スケジュール例(高3向け・実践型)
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早朝型の例(推奨)
05:45 起床・準備 大学受験本番に向けてなるべく早寝早起きを習慣付けておく
06:00〜08:00 勉強①(英語:単語+長文) → 2時間
08:00〜09:00朝食・休憩
09:00〜12:00 勉強②(数学:基礎+演習) → 3時間
12:00〜13:00 昼食・軽い運動(散歩やストレッチなど)
13:00〜15:00 勉強③(理科or地歴:復習+演習) → 2時間
15:00〜16:00 休憩・仮眠可
16:00〜18:00 勉強④(国語:読解/古文) → 2時間
18:00〜19:00 夕食・リラックス
19:00〜21:00 自習(模試の復習・弱点補強) → 2時間
22:30 就寝(最低6時間以上の睡眠を確保)
合計:2 + 3 + 2 + 2 + 2 = 11時間(上の例はハード)。
現実的には自分で調節し、8〜10時間を目標に調整。難関大志望であれば10時間以上を目指す。
40日間(夏)プラン例:週ごとの狙いとタスク
全体方針:最初に基礎と弱点に集中 → 中盤にアウトプット量拡大と模試 → 終盤に問題演習と再確認
Week 1–2(Day 1–14):基礎固め・弱点洗い出し
• 英単語・文法、数学基礎、教科書の完璧化。
• 初回の模試があれば、スコアよりミス分析優先。
Week 3(Day 15–21):応用演習の導入・時間管理訓練
• 長文・大問を時間を計って解く。
• 間違いは「原因別(知識不足/計算ミス/解法誤認)」に分類。
Week 4(Day 22–28):模試受験&徹底復習
• 模試を受け、間違いを徹底分析 → 重点補強。
• 模試の「頻出分野」を短期プランに組み込む。
Week 5–6(Day 29–40):実戦演習と仕上げ
• 志望校レベルの問題演習(過去問・実戦模試)。
• 再度、基礎箇所をチェックし「できる」状態にして終える。
(必要ならこの週割りを「科目別」に詳細化してOK)
模試の使い方(点数だけで終わらせない)
1. 即日復習:答案を見た直後に「分からなかった理由」を1問ずつメモ。
2. 分類:知識不足/読解力不足/時間配分ミス/計算ミス に分ける。
3. 再学習プラン:分類ごとに次の1週間で何をやるかを明確化。
4. 再演習:同じタイプの問題を10問以上解いて、再発防止。
5. 振り返りノート:模試ごとに「改善リスト」を残し、次回に生かす。
モチベーション維持・健康管理のコツ
• 生活リズムを崩さない:授業日と同程度の起床時間を保つ。
• 休憩を計画する:自身に合わせて50分勉強→10分休憩などで集中力を持続。
• スマホ対策:勉強中は別室に置く、通知を切る、アプリ制限を設定。
• 適度な運動:毎日10〜20分の軽い運動で脳の疲労回復。
• 睡眠:最低6時間、可能なら7〜8時間を確保。夏バテ対策も忘れずに。
• 気分転換:午後をオフにして、友人との時間を作ることもモチベーションにつながる。
記録と振り返り(成長を見える化する)
毎日記録する項目(例):教科名/学習項目/所要時間/理解度(%)/次にやること 週次チェック:1週間の合計学習時間、達成率、弱点一覧を作る。
月次目標:夏休み終了時点での到達目標(例:「英語:長文読解力+文法完成」「数学:数Ⅲの苦手分野を克服」)を逆算して日割りに。
よくあるトラブルと対処法(FAQ)
Q. やる気が出ない日がある
A. 小さなタスク(例:英単語〇個)を設定して達成感を得る。たまに午後は休むのも一つの手(切り替えが苦手の人は注意が必要)。
Q. 模試の点数が悪かった
A. 点数に一喜一憂せず、ミスの「原因分析」と「再学習プラン」を優先。
Q. 計画が崩れた
A. 予備日を使う/重要事項だけを優先して残りは後日に移行。計画は柔軟に。



