目次
受験生があまり手を回すことのできない科目である漢文の勉強法について、東大文科三類に首席で合格者が説明します。
漢文は他の科目に比べて少ない暗記量・少ない演習時間で点数が取れるようになるお得な科目です!
この記事を読んで点数をアップさせましょう!!
ライター情報
古橋慧士
海陽中等教育学校 卒業
東京大学文学部
経歴
中高6年間を全寮制の学校で過ごす。サッカー部に所属しながら学業に励み、高校時代には全国統一高校生テスト決勝に進出。2020年東京大学入試では文科三類に首席で合格。
漢文は、古文に比べて文章が短く、暗記事項もそこまで多くありません。
ある程度の暗記・演習でも点数が伸びるので、効率よく点数を上げられる科目と言えるでしょう。
多くの科目と同じように、漢文の勉強には
の2つのステップがあります。
漢文も古文と同様に、句型や重要単語を覚えるだけでは解けるようにはなりません。
まずは読解に必要となる基礎知識を身に付け、その後に演習を行うことが必要です。
勉強の流れを確認したところで、次はこの2ステップの勉強法を詳細にご説明します!
漢文で必要な暗記事項は、句型・重要単語の2つだけです。
多くの参考書ではこの2つがまとまって載っているので、1つの参考書を完璧にしていきましょう!
おすすめの参考書を、以下の3つに絞りました。
『漢文ヤマのヤマ』は70個ほどの句型、100個の重要単語がまとまっています。
「受験科目として漢文を使うのは共通テストのみ」という方は、この参考書を完璧にしたら演習に移ってしまいましょう。
『文脈で学ぶ漢文句形とキーワード』は、他の参考書に比べかなり多くの句型や重要漢字が載っています。
二次試験で漢文を使う方・みっちりと対策を行いたい方は、この参考書がベストだと思います。
どの参考書を使う際にも言えることですが、例文の勉強を欠かさずに行うことが重要です。
その表現が実際に文章の中でどのように使われているかを確認することで、実際に文章中で出てきたときに対応力がつきます。
オススメ参考書①・②で句型や重要単語をマスターした後は、『ステップアップノート』に移りましょう。
演習形式で基本知識の復習ができるので、復習には最適です。暗記がニガテな方・基礎知識に不安が残る方は、これで完璧に仕上げ、自信を磨くと良いです。
漢文の勉強法には、個人的に重大な落とし穴があると考えています。
それは、「最初からテクニックで問題を解こうとする」ことです。
漢文がニガテな方や点数伸び悩んでいる方の中には、どうにかしようとテスト本番に特化したテクニックから覚えようとする方がいます。
確かに、『漢文早覚え速答法』など漢文の初歩としてテクニックを紹介している参考書もあります。
しかし、基礎を理解せずにテクニック的に問題を解くのは「応用が効かない」リスクが大きすぎると思うので、あまりおすすめしません。
強いて使うならば、以下の条件を満たす方はテクニック系の参考書を使っても良いと思います。
もちろん、勉強する中で「自分流テクニック」を見つけていくのはOKだと思います!
本番で安心して使えるよう、積極的に模試などで試していきましょう。
基礎知識がついたら漢文読解の演習を行いましょう。
演習を行うベストな教材は、
です。
大学入試で使われている問題は、大学教授が1年間かけて作成した良問揃いです。基本的には過去問を使って学習を進めるのが一番だと思います。
注意点としては、まだ実力がついていないうちに全ての過去問を使い切らないことです。
12月あたりに自分の実力を確かめつつ演習するためにも、「過去問の使いどき」には注意しましょう。
もし過去問だけ量が足りないならば、他の参考書で補ってください。
この記事では、その際に使う参考書を2つ厳選しました。
参考書のレベル感としては、(実践問題で)共通一次試験より少し難しいくらいです。
入門レベルから実践問題までステップを踏んで演習できるので、自分の実力に合わせて使いやすい参考書だと思います。
参考書のレベル感としては、難関大の二次試験レベルだと思います。
サブタイトルにあるように、記述対策に力を入れているので、二次試験での記述力を上げたい人は押さえておくと良いです。
以上をまとめると、レベル感としては以下の通りです。
センター試験・共通一次 < ④漢文道場 < ⑤得点奪取 = 二次試験
共通一次の過去問を解いた実感・得点率を参考に、④・⑤のどちらを使うか決めるのがオススメです。
さて、先ほど「過去問の使い時」に注意すべきと言いましたが、具体的にどうすれば過去問の使いどきを見極められるのでしょうか?
それは、「学習計画を立てること」です。
学習計画には、
といった効果があります。
詳しくは以下の記事で解説しているので、計画表の立て方を知らない人・うまく計画を進められていない人は、チェックしておくことをオススメします。
漢文学習は多くの高校生にとって難しいと感じられる分野の一つです。しかし、その背後には多くの誤解が存在します。ここでは、その誤解とそれに対する正しい理解・学習法について解説します。誤解を解消し、適切な対策をしましょう!
多くの学生が、漢文は単語や文法を暗記すれば良いと考えがちです。しかし、これは大きな誤解です。確かに、基本的な単語や文法の知識は必要ですが、それだけでは十分ではありません。漢文の理解には、文の背景や文化的な背景、そして文の流れや構造を理解することが不可欠です。
これもまた、一般的な誤解の一つです。漢文の文法は日本語の文法とは異なります。例えば、動詞の位置や助詞の使用方法など、多くの点で違いがあります。この誤解を持つと、文を正しく解釈するのが難しくなります。
それでは、これらの誤解を解消し、効果的に漢文を学習するための方法を4つ具体的にご紹介します。
まずは、基本的な文法と単語をしっかりと学ぶことが大切です。「漢文の読解ができない」と漠然と思っていても、その原因は、実は単語などの基礎的知識不足だったということはよくあります。文の基本的な構造や意味を理解するためにも、まずは本的な文法と単語をしっかりと学びましょう。
漢文の文は、その背景や文化的な背景を理解することで、より深く文を理解することができます。時代の違いや文化の違いは文章読解の妨げになり得ます。バックグラウンドを理解して、情景を頭に浮かべやすくしましょう。
漢文は日本語と同じなわけではありません。そのため、相当慣れない限り 一度読んだだけで文の全てを理解するのは難しいです。何度も読むことで、文の流れや構造をしっかりと掴みましょう。
自分の解答と模範解答や先生の解説を比較することで、自分の誤解や間違いを確認することができます。見比べることで何をどう改めるべきなのか印象深く学ぶことができます。
ここで紹介した漢文学習におけるよくある誤解とその対策をしっかりと踏まえて、回り道のない漢文学習をしていきましょう!
漢文の勉強の流れ、オススメ教材・参考書、よくある誤解とその対策は確認できましたね。
それでは最後に、演習を行う際に重要となるポイントを2つご紹介します。
漢文は英語と同じ、SVOの構造で文章が作られています。
漢文には漢字が並んでいるため、日本語の延長線上のような感じで読んでしまいがちです。
しかし、構造は日本語と全く違います。むしろ中国語や英語の方が似ていると思います。
したがって、漢文を読むときには「外国語」として接してください。
まずは、文法学習時の例題などを読むときにSVOの構造を意識して、「外国語」として読む感覚をつけていきましょう。
漢文には独特のストーリー展開があります。
共通一次試験の過去問演習では特に、そのストーリー展開も意識してみましょう。慣れてくれば、だんだん文章の次の展開が予想できるようになるはずです。
例えば、「夢に出てきた人の助言に従ったらいいことが起きる話」のように話がパターン化できるようになるのです。
この感覚は二次試験でも役に立ちます。
共通一次試験の方がそのストーリー展開やパターンが見えやすいので、まずは共通一次の過去問で練習してください。
ちなみに、先ほどご紹介した参考書『文脈で学ぶ漢文句形とキーワード』にストーリー展開のパターンが多く載っています。気になる方は、こちらも参考にすると良いでしょう。
ここまで、東大首席の漢文勉強法をご紹介してきました!
漢文学習の流れをまとめると、
ことでした。
その際、「漢文を外国語として見ること」「ストーリー展開を意識すること」が重要となります。 皆さんもこれらのポイントを意識して勉強を進めてみてください!
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こちらの記事では、東大首席が古文の勉強法をご紹介しています。
また国語が全般的にニガテな人は、まずはこちらの入門記事「【東大式】国語の勉強法!高校・大学受験本番で9割取るには?【東大首席】」をチェックしておきましょう。
国語の基礎力を鍛えるために必要なノウハウが詰まっています。
また東大志望の方は、この記事をチェックした後に必ず記事「【東大式】東大入試国語の分析&現役東大生が教える設問別勉強法」もチェックしておきましょう!
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