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ライター情報
古橋慧士
海陽中等教育学校 卒業
東京大学文科三類 所属経歴
中高6年間を全寮制の学校で過ごす。
サッカー部に所属しながら学業に励み、高校時代には全国統一高校生テスト決勝に進出。2020年東京大学入試では、文科三類に首席で合格。
今回は共通テストの社会科目の選択方法についてです。2次試験で社会をに科目選択する人以外には、共通テストのみで使用する社会科目が必ず出てきます。その選択は深く考えずに行われがちですが、人によって向き不向きがあるので、意外に重要です。
そこで今回は、社会の選択科目の特徴をそれぞれご紹介していきます。
多くの人は、受験のことを深く考えていない時期に共通テストの科目を決めてしまいます。しかし本来、このような選択は慎重に行うべきですよね。ぜひこれを参考にし、科目を決定してください!
また、既に決定してしまった人も安心してください。各科目の特性を押さえれば、着実に点数を上げていくことも不可能ではありません。理系・文系どちらの方にも役に立つ内容になっているので、しっかり確認していきましょう!
多くの国立理系学部では共通テストで社会科目が1つ、文系学部では社会科目が2つ要求されます。そして、多くの場合、選べるのは、日本史・地理・世界史・倫理政経の4つです。
ただし、大学によって科目は違うため、必ず受験できる科目を確認しましょう!
まず、この中に自分の好きな科目がある人は、迷わずにそれを選びましょう。自分が楽しく勉強を進められることが一番です。ストレスの少ない受験勉強のためにも、好きな科目を選びましょう!
さて、「自分の興味のある科目が特になく、どれをとるか迷っている……」という人はどうすれば良いのでしょうか?
社会科目は、それぞれかなり問題形式に違いがあり、勉強方法も変わってきます。自分がどのような勉強が得意か、どれぐらいの点数を目指したいのかに応じて科目を選択しましょう。
一度選択科目を決めた後でも、高2頃であれば、勉強し直しても十分間に合います。実際、僕の周りにも、高3から社会科目を変更して、東大理系に合格した人がいました。
もし、今選択している科目がどうしても自分に合わないと感じるならば、科目変更を考えるのも1つの手となるかもしれません。
科目選択をする上で志望校の募集要項を確認することは絶対に必要です。
その中で、第一解答科目指定という聞き慣れない単語が出てくる場合があると思います。
戦略的にどの科目を選択するかを決めていくのに知っておくべきことなので、
どういった意味なのかを説明していきます。
第1解答科目指定とは、社会1科目のみを合否判定に用いる大学の場合に、第1解答科目の成績を反映させるということです。
例えば世界史と地理の2科目をこの順に解答して、点数が世界史70点、地理90点だったとしても、第1解答科目指定の場合は地理ではなく世界史の点数が合否判定に用いられます。
受験する2科目のうち、どちらを第1解答科目にするかは試験本番で問題を見て決められます。そのため2科目ともしっかりと準備をし、より得点できそうな方を第1解答科目とするのが定石です。
しかし勉強時間がどうしても足りない場合などには、あらかじめ1科目に絞って力を入れて対策することもできなくはないです。
社会科目を考えるにあたって、重要となる基準は
の3つがあります。
ぜひ、自分がどのような勉強が得意で、どの程度の点数を取りたいのかをイメージしてみてください!
まずは地理・世界史・日本史・倫政の4つの社会科目について簡単に表にまとめたので、大まかな特徴を確認しましょう。
また科目の受験者数、平均点(令和3年度第一日程)は以下の通りとなっています。
受験者人数は日本史、地理、世界史、倫政の順に多く、平均点も最高の倫政と最低の地理では10点近い点差があることがわかります。
ただし年度によって平均点は異なりますし、人によって合う合わないがあるので一概にどの科目が簡単、難しいと言えるわけではないです。
以下、これら4つの社会科目をそれぞれ詳しく紹介します。
ぜひ、科目選択に役立ててください!
(僕が選択していたのは地理、世界史でしたので、他の科目は友人の話を聞いての印象です。その点はご了承ください。)
また多くの場合、社会にあまり時間を割きたくない理系の方向けに共通テスト社会の選択科目について話したYouTube動画があるのでぜひご覧ください!
理系生で暗記よりも思考力を問う問題が得意だという人は地理を選ぶことが多いです。実際、歴史系科目のような細かい用語の暗記は最小限で済みます。
しかし、「地理に暗記は必要なく、感覚で解ける」ということではありません。ある程度の基礎的な事項の暗記・理解は必要で、これを応用して問題を解いていくという形となります。
この基礎事項の応用を練習する段階で、他の社会科目に比べて多くの演習が必要となります。もし、地理で8割以上を目指すとなると、基礎事項の暗記・理解とそれなりの過去問演習が必要となるでしょう。
また、地理は点数が安定しにくく、安定して9割以上をとるのは至難の技です。(実際、2次試験で地理を選択していた僕もセンター本番は9割を切ってしまいました。)
よって、共通テストである程度の点数が取れればよく、暗記をあまりしたくない生徒は地理を選ぶのが良いでしょう。(しかし、これは地理に暗記や基礎の練習が必要ないことを示しているわけではありません!)
地理は系統地理と地誌とに大きく分けて学ぶことができます。
学ぶ内容は系統地理が気候や地形、産業、経済など大枠であるのに対して、地誌はアフリカ大陸など特定の大陸、地域です。
そのため学習する際には系統地理であらゆる原理現象の根本を学んだ後に、
その知見を活かして地誌をやっていくと、系統地理の復習も兼ねられ理解が進みます。
教科書などをしっかりと読み込み、一通りの知識がついたら演習をとにかく重ねましょう!そして間違えた問題の解説から思考の流れを理解し積み重ねていくことが得点につながります。
世界史は範囲がかなり広く、暗記量が多いということから、共通テストのみでとる人は少ないです。
しかし、範囲が広いが故に細かい知識を問う問題は少なく、基本的な暗記さえすればかなり高い点数をとることができるという側面もあります。
問題はほとんどが単純な一問一答的なもので、一問一答の問題集が完璧になっていれば、9割以上は難なく取れるでしょう。また、一問一答問題は点数が安定しやすいため、試験本番に精神的な安定をもたらしてくれます。(特に社会は初めの科目であるため、初めに世界史を解くことでかなり安心できました。)
「多くの暗記が苦にならず、少し労力を使ってでも安定した高得点を取りたい」という人には世界史がオススメです。
世界史を学習する際にはまずは教科書などを使って通史を押さえましょう。なんとなく全体像を掴めた、という段階になってから細かい人名などは覚えていく方がスムーズです。
あまり気負わず時間をかけず、一通り教科書を何周か読んだ後は一問一答や共通テスト、センター試験の過去問をやり込んで苦手な時代や地域を重点的に勉強していきましょう。
日本史は世界史と同じ歴史科目であり、暗記が中心となります。一般的に、理系生で暗記に自信がある人は日本史をとることが多いです。
一方で世界史よりも範囲が短いため、細かめの知識や資料の読み取りを問う問題も一定数出題されます。
よって、世界史に比べると、満点近い点数をとるのは難しくなります。実際、文系では世界史で満点をとる人も多かったですが、文系でも日本史の満点は少なかったです。
「ある程度暗記が得意で、そこそこの勉強量でそこそこの点数を取りたい」という人には日本史がオススメとなるでしょう。
日本史も世界史と基本的には同じ流れで学んでいくことができます。
ただし先ほども述べた通り、範囲の狭さと引き換えに、細かな知識が要求されるので
年号や用語の暗記に特に力を入れるようにしましょう。
後回しにしてしまいがちな文化史も対策を忘れないでください!
倫理政経は受験者数も少なく、選択を避けられがちですが、一考する価値はある穴場です!
暗記量は日本史よりすこし少ない程度ですが、倫理には思想の内容を理解した上で読解を必要とするような問題もあります。
このように、倫理政経はある程度の暗記とある程度の思考力を必要とするバランスの良い出題となっています。ある程度の暗記と演習による思考力の強化で高得点を望めると言えるでしょう。
僕の学校では倫理政経の授業をとっている人は少なかったですが、独学で勉強して共通テストで高得点をとっている人も多かったので、その他の科目がしっくりこない人は倫理政経も選択肢に入れて考えてみることをオススメします!
政経については数値を覚える必要がありますが、細かい意味は後回しにして語句の持つ大まかなイメージをつかむところから始めましょう。
教科書などを使ったインプットと過去問などを使ったアウトプットを繰り返していけばコスパ良く高得点が狙えます。
基本的に授業は高校1年生の時から行われているので、なるべく授業内で知識を整理していくのが理想です。
しかし共通テストで受験する科目が定まっていない段階ではなかなか本腰を入れて学習できませんよね。
社会の本格的な受験対策は、取り組みによっては高校3年生から始めても十分間に合うので安心してください。
高3の春から秋にかけて教科書の大まかな内容を頭に入れ、秋から本番には共通テスト型の問題集や過去問で演習を重ねていきましょう。
徐々に増えてくる模試の復習もその都度怠らないようにしてください。
また高3になると忙しいとは思いますが、共通テスト社会には時事ネタが頻出するので新聞やニュースに目を通す時間も確保できると良いです。
以上が社会4科目の特徴でした。
この説明だけではわからないことも多いと思うので、ご自身の目で過去問や参考書を見てみることをオススメします。自分にあった科目を見つけることが大事なので、食わず嫌いはもったいないです!
社会科目の選択は共通テスト前の勉強を大きく左右するので、ぜひ、面倒くさがらずに選択を考えてください!
その際には
を基準に考えましょう。 途中で変更することも一つの手なので、しっくりこなかったら変えてしまうのも視野に、勉強を重ねていきましょう!!
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