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皆さん、理科基礎の選択科目は決まりましたか?
スタディコーチ(studycoach)にも、「まだ学校で扱っていないので、どう決めていいかわからない」といった中学生・高1のみなさんの声や、「選んでみたけど、共通テストで傾向が変わってしまい、どう対策すればいいかわからない!」といった受験生の方々の声がたくさん届いています。
そこでこの記事では、共通テスト理科基礎(基礎科目)の科目選択法から、各科目の傾向と対策まで現役東大生が一挙にご説明していきます!
共通テスト理科基礎で自分に最も合った科目を選びたい人も、もう選んだ科目で共通テスト対策を進めていきたい人も、「東大式」で効率よく勉強しちゃいましょう!
ライター情報
R.K
東京大学の文科三類に所属しています。地方から浪人を経て入学しました。現在は農学部への進学を目指しています。勉強に関する様々な情報をお伝えしていきます!
なお、理系の理科(発展科目)については記事「【東大式】共通テスト理科の科目選択法!最新の傾向/対策も!」で詳しく説明していますので、理系の方はこちらを参考にしてください。
まずは共通テストの仕組みについて説明していきます!
共通テストとは、センター試験の後継となる形で2020年から始まった新しい試験です。
多くの大学の一次試験に採用されているなど、非常に重要な受験のステップになります。
共通テストの理科の科目は、大きく2つのパターンに分かれています。
理科①:物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎の4つ(基礎科目)
理科②:物理、化学、生物、地学の4つ(発展科目)
そしてこれらをもとに、科目の選択方法が4つに分かれています。
また文系の方にはあまり関係ないですが、特に選択方法Cでは、同じ名前を含む科目を選択しても良いことに注意してください!
例えば、「①グループから物理基礎、化学基礎+②グループから化学」という選び方もOKです。”化学”基礎と”化学”で名前が被っていても良いということですね。
理科①・理科②ともに各科目に特徴があります。例え化学基礎と化学でも、傾向が変わってくるので注意が必要です!
特に文系の方々が選択することとなる理科①は、基礎部分しか扱わないために知識系の問題の割合が理科①より高く、途中で選択科目を変更するような事態は避けたいです。社会科目との兼ね合いも考えれば、余裕がなくなって第一志望を逃してしまう危険性もあります。
それでは、自分に合った科目を選ぶことの重要性がわかったところで、具体的な「東大式」科目の選択方法を確認していきましょう!
先ほども触れたように、理科①の選択科目はその名の通り基礎部分しか扱いません。
だからこそ、科目ごとの傾向に合わせて上手く対策できるかが点数の差に直結してきます。
2022年のデータでは、各科目の受験者は
となっています。暗記主体の科目が選ばれやすいと言えるでしょう。
それでは、まず「東大式」理科基礎の科目選択法で自分に向いている選択科目を確認したのち、各科目の特徴を詳しく見ていきましょう!
文系の学部(特に私大)では科目選択方法が自由なことが多いですが、まず大前提として自分の志望校の指定科目を確認しましょう!
まだ受験する学部学科が絞りきれていない方は、できるだけ後から志望校を変更できるように選択しておくのがオススメです。
志望校の指定科目・A〜Dの選択方法(4つ)を把握したところで、以下の図で各科目がどのような特性にあるのか確認しましょう。
計算要素の強さは順に物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎となっています。暗記要素の強さは順に地学基礎、生物基礎、化学基礎、物理基礎となっています。
単純にどれが簡単でどれが難しいということではないので、それぞれの科目の傾向と自分の適性を踏まえて科目選択できると良いですね。
以下の基準に沿って自分に向いている選択科目を確認していきましょう!
得意 → 生物・化学 がオススメ!
ニガテ → 物理・地学 がオススメ!
得意 → 物理・化学 がオススメ!
ニガテ → 生物・地学 がオススメ!
「自分に向いている科目が、受けたい学科で指定されている科目と違った……」という方も安心してください。
あくまで”積極的に選択したい科目”の指標なので、しっかり傾向と対策を把握して上手く勉強法を選べば、高得点も狙うことが可能です!
それでは、次は各科目の傾向や効率が良い勉強法を確認していきましょう。
自分に向いている理科の選択科目は確認できましたか?
それでは、各科目の傾向や詳しい対策方法をチェックしていきます!
内容を熟読して、「やはり自分に一番合っていそうなのはこの科目だな」「2つめの科目にはコレがいいかも」と自分にとって最適な選択肢を決めていきましょう。
さらに実践編として、各科目の「東大式」おすすめの勉強法まで一気にまとめてご紹介します!
2021(初年度)、 2022年の共通テストの分析まで踏まえて解説していきますので、「もう傾向と対策は知っているよ」という人も今一度しっかり見直すことをオススメします。
またこちらの動画では、東大首席が各科目の説明を簡潔に説明しています。「ちょっと今は詳しく読んでいく時間がない……!」という方、「一度全容を掴んでおきたい」という方は、まずこちらの動画を視聴してみてください!
この記事では、動画の内容をさらに掘り下げて詳しく説明していくので、もっと具体的な対策法を知りたい方・共通テストの最新の傾向と対策を知りたい方はどんどん読み進めていきましょう。
まずは生物基礎について確認しましょう。
生物基礎は基礎科目の中で、最も知識系の割合が高い科目です。
「暗記は得意!」という方や、「受験の他の科目は得意なので、時間に比較的余裕がある!」という方にオススメの選択科目と言えます。
実は元々のセンター試験では「知識7割+思考3割」くらいの構成でしたが、2021年からの共通テストでは知識系の問題が少し減少し、代わりに表や計算から読み取る問題が増えました。2022年の共通テストもその傾向が強まりましたが、知識系の割合が高いことに変わりはありません!
そのため、生物基礎の共通テスト対策には、まずは教科書レベルの基礎知識を完璧にしましょう!
この際、用語の暗記以上に、背景のプロセスを正確に理解することを意識しましょう。例えば、DNAの複製過程や、免疫のシステムを繰り返し読んで把握することが思考力の基礎になり、新しいタイプの問題への対応力・応用力にも繋がります!
図やグラフから読解する問題については、複数の種類の図を確認しておくことが有効です!教科書には1種類の図しか載っていない場合も多いので、参考書や問題集を通じてたくさんの種類の図に触れ、読み取りに慣れておきましょう!
次の化学基礎は、生物基礎と同様にバランスが良い科目です。
生物との違いは、逆に思考系の問題の方が多い点。元々のセンター試験では「知識3割+思考7割」といった構成で、暗記する部分が限られている一方で、残りの7割の演習とのバランスを取らなければならないのが大きなポイントでした。
2021年からの共通テストでは、会話形式など目新しい問題は増えたものの、全体的なバランスとしては変わりません。
しかしながら、その場の読解力が問われる問題が増加しているので、思考系の問題の難易度が上がっていると言えるでしょう。
そこで化学基礎の共通テスト対策としては、教科書学習と問題演習をこまめに&交互に進めることをオススメします!
この後説明しますが、実は理科基礎は点数配分が少なく、時間・コストをあまりかけられない科目です。
こまめに教科書読解と演習を繰り返して、自分の理解度を確かめつつ効率よく進めていくことが重要となります。
化学基礎は特にバランスをとりながら思考力を鍛える必要があるため、教科書の章や単元ごとに読解と演習を反復すると良いでしょう!さらに、2022年の共通テストでは実験内容の読解も要求されたので、教科書や参考書に書いてある実験にも目を通し、慣れておくと安心です。
また、化学基礎は出題範囲の傾向も単元ごとに差がありますので、「時間をかけて重点的に勉強する単元」と「それ以外の科目」を段階的に区別して勉強計画を立てましょう!
次にご紹介する地学基礎は、暗記の量が最も少ない科目です。
基礎的な知識だけで細かいところまで暗記する必要はないため、思考力さえあればコスパ良く高得点を狙うことができます!
時間がない人でも効率よく全体の成績を上げることができるため、「社会科目に時間をかけたい!」という方や、「志望校の変更で、理科基礎が必要になってしまった……!」という方にもオススメです。
さらに、元々思考系の問題が多いため、センター試験から共通テストへの移行の影響が比較的少ないことも大きな強みだと言えるでしょう。
また2022年の共通テストでは大問の数が増えましたが、これは構成が変わっただけで実質的な量に大きな変化はありませんでした。共通テストはまだ始まったばかりで毎年の傾向にブレがありますから、入念に対策できるのはありがたいですよね。
共通テストの地学基礎対策は、まず「暗記が少ない分、暗記を完璧にする」ことが非常に重要となります!
限られた基礎知識を元に思考していくため、その基礎知識が抜けていると点数に繋がらないのです。
一問一答形式の問題集や過去問を通じ、定期的に自分の知識を確認・復習していきましょう。
次に、教科書・参考書の図や表をしっかり読み込む練習が必要です。あまり傾向が変わらないとはいえ、共通テストに移行して思考系の問題で目新しい問題が出るようになっています。「油断していたら、知らない問題で慌ててしまい失点……」といった事態にならないように、、教科書+参考書1冊程度の図や表は見慣れるまで確認しましょう!
また過去問・問題集の演習を通じ、何度も繰り返し読み解く練習を重ねていくのが地学基礎で安定して高得点をとるためのポイントです。
最後に物理基礎ですが、文系のみなさんが物理基礎を選ぶ際には注意が必要です!
物理基礎で扱う”力の向き”や”波”といった基礎概念の数々は目に見えないものも多く、理解するためには「イメージする力」や「思考力」となります。
この「イメージする力」や「思考力」をすぐには身につかないため、人によっては非常に苦戦することとなるでしょう。
しかしながら、逆に「思考力には自信がある!」といった方は非常にコスパ良く得点できる選択科目でもあります!
まずは学校の授業の経験や、You Tube等にある映像教材から自分の「イメージする力」や「思考力」を確かめてみましょう!物理基礎は、このイメージや思考が得意な人にだけイチオシの科目と言えます。
共通テストの物理基礎も、他の基礎科目と同様に、実験やデータの読解をテーマにした問題が出題されるようになっています。思考力がさらに要求されるようになった他、2022年には「会話の中から実験を通じて考察する」問題も登場しています。
共通テストの理科基礎で高得点を取るためには、
の2つが必要となります。
ⅰ:「イメージする力」を鍛える方法についてはこちらの記事で解説しているので、物理に興味がある方はぜひ見ておきましょう。
図形のセンスも磨くことができ、数学の成績アップにも繋がるので、数学がニガテな方も必見です!
またⅱ:公式や記号の意味を理解することのメリットやポイントについても、上の記事で解説しています。
受験はもちろん、定期テストの物理で点数をあげたい人にもオススメです。効率よく得点アップを目指しましょう!
ここまで科目別の説明で度々説明してきましたが、理科基礎の共通テスト対策では「理科基礎の配点の低さ」に注意する必要があります!
実は理科基礎は、1科目あたり50点と他の科目より低い配分になっています。したがって、冒頭で説明したA〜Dのどの受験方法であっても「1科目あたりにかける時間・労力」を上手にコントロールできなければ、全体を効率よく成績アップさせることはできません!
あくまで最終的な目標は「共通テスト全体で得点アップすること」という認識を忘れず、コスパ良く勉強することを心がけましょう!
文系の受験生にとってやはり理科基礎はおまけ科目という意識が強いかもしれません。
そんな理科基礎について、いつから本格的に受験勉強をスタートすれば良いのかをここでは説明していきます。
大前提として、学校の授業などは内容を理解・暗記しようと真面目な姿勢で受けておきましょう。その上で理科基礎に対して特に苦手意識がない人は、本格的な対策は共通テスト1ヶ月前など比較的直前の時期に始めれば良いでしょう。
理科基礎は暗記がメインですが大した暗記量ではないので、試験直前期に絞ってあまり時間を割くことなく詰め込むのがコスパがいいです。
一方、理科基礎に対して苦手意識がある人は夏休み明けあたりからは対策をスタートさせましょう。
基礎事項を暗記して計算や思考を行う理科基礎に対して苦手意識があるということは、暗記や基礎的な理解が不十分な項目が多々あるということだと考えられます。
過去問だけではなく対策問題集を使って苦手の原因を明らかにするとともに、その苦手の克服に努めましょう。
今回は「東大式」共通テスト理科基礎の選択科目の選び方と、各科目の傾向と対策をお伝えしてきました!
理科基礎は選択科目によって傾向が大きく異なる科目です。自分との相性はもちろん、傾向を正しく把握し、いかに効率よく勉強していくかが成績に大きく影響してきます!
これから選択科目を選ぶ方も既に決めた方も、この記事を読み込んで最高の結果を手に入れましょう!!!
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