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「化学って覚えることが多いし、反応式もよくわからない…」「受験まで時間がないのにどこから手をつけていいのかわからない」と悩んでいませんか?
確かに化学は、教科書からして分厚いですし、「高3の受験ギリギリのシーズンまで学校の授業で学習し終わらない」と聞くと焦らざるをえませんよね。実際にスタディコーチ(studycoach)にも「どうしていいかわからない」という根本的な悩みの声が届いています。
しかし、その最大の理由は勉強法が間違っているからです。間違った方法で努力を重ね続けていては、ニガテになってしまっても仕方ありませんよね。そこで、この記事ではどんな人でも化学が得意になっていけるように、基礎から具体的な実践方法までお伝えしていきます!
この方法を使えば、独学からでもニガテ意識を着実に振り払うことができるでしょう。
また同じ化学と言っても、理論・無機・有機を同じ方法で勉強するのはオススメできません。そこで、分野別のオススメ勉強法についても解説していきます!
まずは化学の基本的な勉強法に対する考え方を改めましょう!
「覚えることが多いから、教科書を何回も読んで覚えよう!」
「範囲が広すぎてどこから手をつけていいかわからない…。とりあえず教科書の最初のページから始めよう!」
このような考えで勉強を進めてはいませんか?
実は、これらはあまりコスパが良くない方法なのです。むしろかえって化学のニガテ意識が悪化してしまう危険も潜んでいます。教科書は書き方が小難しくてわかりづらいこともありますし、面白くなくて途中で飽きてしまう方もいるでしょう。全て暗記しようとしても、終わりが見えず途中で挫折する人がほとんどですよね。完璧を求めれば求めるほど、キャパオーバーになりがちだと思います。
それでは思い切ってこうした方法を一度やめ、【東大式】勉強法に挑戦してみてください!
オススメする方法では、たくさんのことを淡々と覚える必要はありません。全ての分野に同じだけの時間をかけて勉強することもしません。これからご紹介する3つの点に集中し、実践していきましょう!!
先ほど「化学は覚えることが多い」という悩みについて触れましたが、実はこの考えこそが間違いです。
理解することで、暗記を減らせるのです!
例えば、よく出題される代表例として化学反応式が挙げられますよね。過マンガン酸カリウムとシュウ酸の酸化還元反応式は書けますか?
2KMnO4+3H2SO4+5(COOH)2→2MnSO4+8H2O+10CO2+K2SO4
正解は以上のような式になります。
しかし係数もバラバラでなかなか複雑な式ですので、覚えようと思ったらかなり難しいです。そこで、反応式の作り方を理解することで、何度でも簡単に再現できるようになりましょう!
まず、半反応式と呼ばれる式の作り方を理解します。そしてそれらの式を用い、「上記の化学反応式を作る方法」を理解します。本当に必要最低限のことを覚えておくだけで、この複雑な式が再現できるようになるんです!
今回の例では、丸暗記だけだと上の式を丸々を覚えなければならず、しかも応用も効きません。
しかし東大式なら、
だけを覚えてしまえば、反応式が書けるようになります!しかも「KMnO4-」や「(COOH)2」が関係する式に応用できるので、他要素も押さえてしまえば、一気に様々な式が書けるようになるのです。
今回は一例しか紹介しませんでしたが、かなり暗記量が減るのはお教えできたと思います!
これだけ聞くと「めんどくさそう」と感じるかもしれません。しかし一度理解すれば毎回覚え直さずに済むと思えば、とても楽だと思いませんか?
逆に、どんなに効率的に進めても、周期表や化学式といった最低限の暗記は必要です。そういった範囲は重要だからこそ、多くの語呂合わせや解説が参考書に乗っています。必要最低限のポイントだけ押さえつつ、効率的に「暗記をサボって高得点を狙う」東大式①を実践していきましょう!
次は、「実際にどうやって理解を深めていけば良いの?」「参考書の選び方はどうしたらいいの?」といった疑問についてお答えしていきます!
「入試問題は教科書に載っていることからしか出ないから、教科書を完璧にすればいい!」と解説する方も世の中にはいます。確かに間違いではありませんが、高3の少ない時間に全てを完璧にするのは、やはり現実的に厳しいですよね。
そもそも教科書の書き方自体少し難しかったり、語呂合わせのような覚え方を書いていなかったりと、教材として最適と言うことはできません。教科書は間違った内容を載せることがあってはならず、様々な有識者の監修のもと慎重に作られていますから、下手に簡略化できません。難しいのも仕方ないと言えます。
【東大式】では、教科書を読んで暗記に時間を費やすより、最初から問題集を使ってバンバン演習することをお勧めします!
読むだけではわかった気になっても実際に解けないので、完璧に理解していなくても、早速解き始めましょう!
まずは基礎知識を十分にするためにも、一問一答のような基本問題だけで十分です。分野ごとに確認のつもりで演習を重ね、定期的に「短時間で」「何度も」演習していきましょう。
ここで重要なのは、わからなかったときは解答を見るのではなく、「参考書の中から答えを探す」ことです。解答を見るだけでは、理解ではなく暗記になってしまい、東大式①で触れたようにコスパが悪くなってしまいます。
参考書を読むときも、「答えを見つけて、はいオッケー」と終わらず、その周辺に書かれていることも読み、流れで理解していきましょう。こうすることで、覚えた知識が線でつながるのではなく、ネットのように繋がっていくことになるのです。
一問一答の基本問題を重ね、一通り分野別の勉強が終わったら、次は標準レベルの小問を繰り返しましょう。そして「標準レベルは大体わかる」と自信を持って言えるようになったら、過去問のような実践レベルの演習に進むようにしてください!
また答えを探すための参考書選びでは、「自分にとってのわかりやすさ」に注目しましょう!
写真やイラストが多かったり、説明が丁寧だったりと、様々な参考書があります。自分にとって一番吸収しやすい参考書を選ぶのが一番です。
どんな分野でも、勉強を始める際に困るのが「どこから手をつけていいかわからない」ことですよね。「教科書の初めから手をつけてみたけれど、中盤あたりで本番まで時間が足りなくなり、焦り始める……!」といった失敗は受験あるあるです。
そこで、東大式では「初めからどの分野にどれくらい力をさくか決める」ことをオススメします!受験科目の中でも、化学をはじめ理系科目は単元ごとに独立している傾向が強いので、単元ごとの学習が可能なのです。
そして特に頑張るべき単元は、ずばり理論化学です!その理由を今から説明します。
化学は大きく理論・無機・有機の3つの単元に分けることができますよね。しかしこれらは独立しているように見えて、密接に絡み合っています。
例えば、無機化学では様々な物質の製法などを問われることが多いですが、その反応物や生成物の質量等を求めるには、理論化学の理解が必要です。同様に、有機化学で分液ろうとを使って混合物から目的物質を単離する問題が出たりしますが、これも物質の極性といった理論化学の理解が不可欠です。
つまり、理論化学は無機・有機の問題にも関わってくる一番基礎的な単元と言えるのでしょう!だから先に理解しておかなければ、後々無機・有機で点数が伸び悩んでしまいがちです。どこから始めていいかわからないという人や、全てを完璧にするには少し時間が足りないという人は、まず理論化学の勉強から始めましょう!
さて、ここまで【東大式】①〜③までご説明してきました。
「教科書を読んで一から十まで丸暗記」しようとするのではなく、「全ての基本となる理論化学から始め、参考書・問題集で演習を繰り返す中で理解を目指す」ことがポイントでした。
理論・無機・有機の3つの単元は問題としては密接に関わってきますが、勉強の際にはそれぞれ最適な勉強法を選ぶ必要があります。
なぜなら、3つの単元はそれぞれ特性が異なるからです。
特性の異なる理論・無機・有機に対して同じ方法で取り組もうとしてもコスパが悪くなってしまいます。それぞれの特性に合わせて変えていく必要があるんです!
それでは、次は具体的にどう使い分けるか見ていきましょう!
人で例えると、理論化学はいわゆる「真面目な委員長」タイプです。理論中心になりますので、コツコツ理解することが大事になります。
そこで、わからないことに出会ったら、立ち止まって「なぜそうなるのか」考えてみましょう。先ほどのように参考書と照らし合わせたり、先生に聞くことも重要です。「なぜ」が解決された時、より理解が深まった状態になることができます。
より深い理解のためのポイントとしては、頻出の「原子・分子の構造」の理解に重要となる「静電気力」を押さえましょう!一見関係なさそうでも、概念から噛み砕いて理解すれば「なぜ」を説明することができ、記述問題や正誤問題の正答率が格段に上がります。
また化学反応式を覚えるのではなく、作れるようにしておくことも大事です。東大式①で触れた例のように、中和や酸化還元反応などの仕組みを理解して初見の問題でも反応式が書けるようになれば、難関大2次試験レベルにも通用します。
理解が特に大事だった理論化学に対し、無機化学は暗記の部分が大多数を占めます。
窒素や硫黄などの非金属や、銅、銀などの金属からなる化合物の性質、気体の色や質量、水への溶けやすさといった性質は、残念ながら覚えてしまうしかありません。気体の製法なども似たようなものもあって覚えるのは大変だと思いますが、製法名と生成する気体や触媒などは原理が非常に難しいので、例外的に理解しても暗記量はあまり減らないと言えるでしょう。
そうは言っても覚えるのが大変だという気持ちは非常によくわかります。私自身、「ハーバー・ボッシュ法ってアンモニアと硝酸どっちの製法だっけ……」と、よく忘れてしまうことがありました。
そこで暗記がニガテな方には、
をオススメします!
例えば「塩素が水によく溶ける」という正誤問題を間違えたとします。ノートにバツ印だけでなく、「塩素は水によく溶ける」と書き直し、さらに塩素が出てきた化学反応や実験の例を簡単にメモしておきます。
これにより、後で見直したときに自分のミスを確認しやすいだけでなく、縦横に張り巡らせた知識が互いに「思い出すカギ」となり、ど忘れしても思い出しやすく&覚えたことを確認しやすくなるのです!
メモすることで記憶が曖昧な部分の自己チェックにもなりますので、暗記が得意な人がもっと得意になるためにも、ぜひ実践した方が良いでしょう。
このように暗記が重要な無機化学は、いろんな技術を用いながら、演習を繰り返して知識を身に付けましょう!
残る有機化学は、パズルのような「思考力が求められる問題」が多く出題されます。
例えば他の化合物との反応の違いから異性体を区別したり、分液ろうとなどで芳香族化合物を分離したりするなど、1つの知識では解けないために「丸つけしたら、ほとんど得点できていなかった……」と落ち込んでしまいがちな単元です。
この手の問題で大幅に失点してしまう本質は、
パターンに集約されます。基礎知識の暗記は他の単元にも共通していますから、つまり有機化学に特有のポイントは、「情報を整理して論理的に思考する」力なのです!
しかしいきなり「論理的思考力を身に付けろ!」と言われてもどうすればいいかわかりませんよね。ここで思い出して欲しいのは「有機化学はパズルみたいなものだ」ということです。
みなさん子供の頃にパズルをした覚えはありますか? 現在も趣味として嗜んでいる方もいるかもしれませんね。パズルを初めてやるときはかたっぱしから当てはめていって、しらみつぶしに正しいピースを探すと思いますが、慣れてくると「大体の位置の目安がつけられる」ようになると思います。
実は有機化学もこれと同じで、繰り返すうちに「この化合物はこんな性質を持っているから、大体こんな感じで見分けられる」とキーワードや目安が立てられるようになってきます!
基礎知識を確認する際は物質名から特徴を思い出していたのが、逆に特徴から物質の候補を絞れるようになるのです。この能力は、一つ一つパターンを暗記するよりも、演習を重ねる中で身につけるのが最も効率が良いでしょう。
具体的な演習方法は、【東大式】②で確認した方法を参考してみてください!
上手く目安を立てられるようになれば、最もサクサク問題が解け、楽しみながら得点源にすることも不可能ではありません!
最後に、現役東大生が厳選した化学の参考書・問題集をご紹介していきます!
詳しい使い方や最適なジャンルについては以下の記事で説明しているので、「参考書を最大限に活用したい!」「自分に一番合った問題集を選びたい!」という方は、ぜひチェックしておくことをオススメします。
今回は【東大式】化学の勉強法についてお伝えしてきました。
今回のお話をまとめると、重要なのは
ということでした。
化学がニガテな人も、このやり方なら大幅な得点アップも夢ではありません!
ぜひ今日から実践し、工夫を重ねて自分のものにしていきましょう!!!
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基本的な化学の勉強法を理解したところで、次は具体的に誰もが避けて通れない共通テスト対策に移りましょう。
また化学の二次試験対策はこちらの記事にまとめました。今回の記事を踏まえた上で読むと理解も進むでしょう!東大受験を目指す人、少しでも興味がある人はまずチェックしてみることが大切です!
また今回の記事の執筆者は、スタディコーチ(studycoach)でコーチも実際に務めています!
スタディコーチ(studycoach)は現役東大生・早慶生のみが質の高い授業を行っており、高い指導実績と満足度を誇るオンライン個別指導塾です!
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S・O
東京大学理科二類2年。 高校時代も塾に通わず宅浪で合格した経験を活かして、効率的な勉強法や自己管理のやり方をお伝えします!部活の引退が遅くても、地方公立からでも、第一志望を妥協せずに一緒に頑張りましょう!