大学入試共通テスト模試について
大学入学共通テストの合格を目指す受験生を対象に、主要予備校が実施する「共通テスト模試」について、その難易度、特徴、評判を分析・解説するものです。
この記事を書いた人

慶應義塾大学経済学部経済学科3年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生~大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています!
主要5大模試の難易度マップ
複数の情報源(予備校公式サイト、受験情報サイト、現役予備校講師の分析)を基に、主要な共通テスト模試の一般的な難易度をマッピングすると、以下のようになります。これはあくまで一般的な傾向であり、実施回や教科によって変動する可能性がある点にご留意ください。
共通テスト模試 難易度
基礎レベル
(易)
標準レベル
やや難
高難易度
(難)
難易度は大まかに「駿台・東進 ≧ 河合塾 > 代ゼミ > ベネッセ」の順に評価されることが一般的です。駿台と東進は実際の共通テストよりも難易度が高い問題が出題される傾向があり、思考力や応用力を試す目的が強いと考えられます。一方、河合塾は本番に近いレベルと受験者層の広さから、自身の相対的な立ち位置を測る上での「基準」として広く認識されています。
勉強のこと気軽にご相談してください!
スタディコーチは、旧帝大・早慶生のコーチが
学習管理をして合格に導く塾です!
LINE追加で学習計画表と東大式勉強攻略ガイドを無料配布中!
共通テスト模試の深掘り解説
河合塾:全統共通テスト模試
基本情報
国内最大規模の受験者数を誇る、最もスタンダードな模試として知られています。多くの受験生が自身の学力の現在地を測るためのベンチマークとして利用しています。
特徴
難易度: 実際の共通テスト本番と同等、もしくはやや難しいレベルに設定されていると評価されています。基礎から標準的な良問が多く、癖のない問題構成が特徴です。
受験者数: 年間のべ260万人以上(公式サイト公表値)という圧倒的な母集団の大きさから、提供される偏差値や合格判定の信頼性が非常に高いとされています。
成績分析: 詳細な成績表が提供され、設問ごとの正答率や分野別の学力分析など、復習に役立つデータが豊富です。
注意点
受験者層が非常に幅広いため、最難関大学を志望する受験生にとっては、上位層の中でのより詳細な立ち位置を把握しにくい側面があるとの指摘もあります。
講師のひとこと
全てのレベルの受験生に推奨できますが、特に「まずは自分の全国的な立ち位置を正確に把握したい」と考える受験生にとって、最初に受けるべき模試と言えるでしょう。また、国公立大学や中堅〜難関私立大学を志望する幅広い層にとって、信頼性の高い判断材料を提供します。
駿台予備学校:駿台atama+共通テスト模試
基本情報
「良問の駿台」として知られ、伝統的に難易度の高い模試を提供しています。主に難関大学を志望する学力上位層が多く受験することで知られています。
特徴
難易度: 実際の共通テストよりも難しく、思考力や応用力を問う問題が多いとされています。特に理系科目の難易度には定評があります。
受験者層: 難関国公立大学や医学部、早慶などを目指すハイレベルな受験生が中心です。そのため、模試の平均点も低くなる傾向があります。
問題の質: 大学入試の傾向を深く分析した、質の高いオリジナル問題が出題されると評価されています。本番で想定される難問への対応力を養うのに適しています。
注意点
問題の難易度と受験者層のレベルの高さから、偏差値が他の模試に比べて低く出る傾向があります。結果に一喜一憂せず、できなかった問題の分析と復習に徹することが重要です。
講師のひとこと
旧帝大や医学部、早慶といった最難関大学群を志望する受験生にとって、実力を試す絶好の機会となります。標準的な模試で高得点が取れるようになった受験生が、次のステップとして挑戦するのに最適な模試です。
東進ハイスクール:共通テスト本番レベル模試
基本情報
「学力を伸ばす」ことをコンセプトに、年間の実施回数が多く、成績返却の速さにも定評があります。本番と同じレベル感を意識した模試とされています。
特徴
難易度: 多くの情報源で、駿台と並んで高難易度と評価されています。実際の共通テストよりも複雑な設定や、深い思考を要する問題が含まれることが多いと指摘されています。
成績返却速度: 試験実施から最短で中5日という迅速な成績表返却が最大の特徴です。記憶が新しいうちに復習サイクルに入ることができます。
充実した解説: 全問に対して詳細な解説授業(映像)が提供されるなど、受験後のフォローアップが手厚いことで知られています。
注意点
問題の難易度が高めに設定されているため、思うように得点できず、自信をなくしてしまう可能性があります。あくまで「本番に向けたトレーニング」と割り切る姿勢が求められます。
講師のひとこと
難関大学志望者であることに加え、「模試を受けっぱなしにせず、徹底的に復習して学力を向上させたい」という意欲の高い受験生に特に適しています。短期間で模試の受験と復習を繰り返したい場合にも有効な選択肢です。
勉強のこと気軽にご相談してください!
スタディコーチは、旧帝大・早慶生のコーチが
学習管理をして合格に導く塾です!
LINE追加で学習計画表と東大式勉強攻略ガイドを無料配布中!
代々木ゼミナール:大学入学共通テスト入試プレ
基本情報
「講師の代ゼミ」として知られ、経験豊富な講師陣が作成する質の高い問題に定評があります。本番に即した標準的な難易度の模試と位置づけられています。
特徴
難易度: 実際の共通テストに近い、標準的なレベルと評価されています。奇をてらった問題は少なく、基礎から標準レベルの学力が正しく問われるオーソドックスな問題構成が特徴です。
問題の質: ベテラン講師陣による、長年の入試分析に基づいた良問が出題されると評判です。共通テスト特有の形式に慣れるための演習として適しています。
受験者層: 主に代ゼミ生や、標準的なレベルで実力を試したい受験生が中心となります。
注意点
河合塾や駿台と比較すると受験者数が少ないため、偏差値や合格判定のデータは、全国的な立ち位置を測る上では参考値として捉えるのが適切です。
講師のひとこと
駿台・東進の模試では難しすぎると感じるが、河合塾とは異なる視点の問題にも触れておきたいと考える受験生に適しています。基礎・標準問題の取りこぼしがないかを確認し、着実に得点力を固めたい層にとって有益な模試です。
ベネッセ:進研模試(大学入学共通テスト模試)
基本情報
主に全国の高等学校を通じて実施されるため、受験者数が非常に多いのが特徴です。基礎学力の定着度を測ることを主眼に置いています。
特徴
難易度: 主要な予備校模試の中では、最も基礎的なレベルとされています。教科書の章末問題レベルの基本的な問題が多く、高得点が取りやすい構成です。
受験者層: 全国の幅広い学力層の高校生が学校単位で受験するため、受験者全体の学力レベルは他の予備校模試と比較して緩やかになる傾向があります。
目的: 入試本番の得点を予測するというよりは、日々の学習内容が定着しているかを確認し、基礎的な弱点を洗い出すことに重きが置かれています。
注意点
問題の難易度と受験者層の特性から、偏差値が他の模試よりも著しく高く出る傾向があります。この模試の偏差値や合格判定を、他の模試の結果と単純に比較することは避けるべきです。A判定が出ても、難関大学合格を保証するものではない点に最大限の注意が必要です。
講師のひとこと
高1・高2生が、学校での学習内容の定着度を確認し、模試の雰囲気に慣れるために受けるのに最適です。受験学年においては、夏休み前までに基礎固めが完了しているかを確認する指標として活用できますが、秋以降の志望校判定の主たる材料とすることはあまりお勧めできません。
過去問はいつから始めて何年分解く?東大首席が徹底解説!
評判・口コミの客観的整理
各種受験情報サイトやSNS上の評判を整理し、ポジティブな意見とネガティブな意見を提示します。
ポジティブな評判
河合塾について
「受験者数がとにかく多いから、判定の信頼度が高い。自分の立ち位置を知るには一番良いと思う。」
駿台について
「難しいけど、解けた時の達成感がすごい。駿台模試の復習をしっかりやったら、過去問が簡単に感じるようになった。」
東進について
「成績がすぐ返ってくるのがありがたい。忘れる前に解説授業を見て復習できるから、効率が良い。」
ネガティブ・注意点の評判
河合塾について
「問題が素直すぎて、本番のひねった問題に対応できるか少し不安になることがある。」
駿台について
「E判定しか出なくて心が折れそうになる。メンタルが強くないと厳しいかもしれない。」
東進について
「本番のレベルとかけ離れて難しく感じることがある。特に数学。点数が取れなさすぎて参考にならない時も。」
よくある質問(FAQ)
A.
一概には言えませんが、多くの受験生は、年間を通じて異なる予備校の模試を3〜5回程度受験する傾向にあります。基準として河合塾の「全統共通テスト模試」を軸にしつつ、夏と秋に駿台や東進の模試で応用力を試す、といった組み合わせが一般的です。重要なのは回数よりも、一回一回の模試を徹底的に復習することです。
Q.
模試の判定(A判定、E判定など)はどれくらい信頼できますか?
A.
合格可能性を示す一つの客観的データとして非常に参考になりますが、絶対的なものではありません。特に受験初期の模試の判定は、現役生の学力がまだ伸びきっていないため、参考程度に留めるべきです。判定結果そのものよりも、判定に至った自分の弱点(どの分野で失点したか)を分析し、学習計画に活かすことが最も重要です。
まとめ
受験生のタイプ別に推奨される模試の選択
✔ このような受験生におすすめ
【河合塾】: まずは自分の実力を客観的に知りたい全ての受験生。特に、国公立・中堅〜難関私立大学を志望する層。
【駿台・東進】: 基礎力に自信があり、最難関大学を目指す受験生。応用力や思考力を試し、難問への耐性をつけたい学習意欲の高い層。
【代ゼミ・ベネッセ】: 基礎学力の定着度を確認したい高1・高2生や、模試の受験経験が少なく、まずは標準的な問題に慣れたい受験生。
✔ このような場合は慎重な検討を
【駿台・東進】: 基礎的な範囲の学習がまだ終わっていない受験生が挑戦すると、点数が伸び悩み、学習へのモチベーションを損なう可能性があります。
【模試の連続受験】: どの模試であっても、復習の時間を確保せず立て続けに受験することは推奨されません。学力向上には、解きっぱなしにしないことが最も重要です。
最終的に、自分自身の学力レベル、志望校、そして模試を受ける目的(実力測定、弱点発見、場慣れなど)を明確にし、最適な模試を選択することが、賢明な意思決定に繋がります。