目次
「大学群」とは、日本の大学受験において、特定の共通点や類似性（偏差値、所在地、設立の経緯など）を持つ大学を便宜的にグループ分けした通称です。これは公式な分類ではなく、主に予備校や教育メディアによって使用されてきました。膨大な数の大学の中から、自身の学力レベルや志望に合った大学を探すための、一種の「地図」や「ガイド」として機能します。
本稿では、これらの大学群を網羅的かつ体系的に整理し、それぞれの特徴と注意点を明確に解説します。この知識は、受験生が自身の現在地を把握し、志望校を選定する上での羅針盤となるでしょう。
この記事を書いた人
慶應義塾大学経済学部経済学科３年生。
スタディコーチで勤務をしており、それ以前も小学生～大学受験生まで幅広い指導経験あり。
受験生の皆さんが損しないよう、お役立ち情報を日々発信していきたいと思っています！
大学群の本質は、その「非公式性」と「利便性」にあります。大学自身が「我々はGMARCHである」と公式に定義することはありません。しかし、この通称があることで、受験生や教育関係者は、大学のおおよその難易度や社会的評価を瞬時に共有できます。
比喩による理解： 大学群は、夜空に輝く無数の星々を、いくつかの「星座」としてまとめる行為に似ています。一つ一つの星（大学）には固有の輝きや特徴がありますが、星座（大学群）として捉えることで、広大な夜空（大学受験の世界）の中での位置関係や探し方が格段に分かりやすくなるのです。
勉強のこと気軽にご相談してください！
スタディコーチは、東大・旧帝大・早慶生のコーチが
学習管理をして合格に導く塾です！
LINE追加で学習計画表と東大式勉強攻略ガイドを無料配布中！
以下に、日本国内で広く認知されている主要な大学群を、国公立・私立に分けて一覧化します。
構成大学: 北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学
特徴: 日本の学術研究を牽引してきた最難関の国立大学群。各地域のトップに君臨し、研究施設や予算、卒業生のネットワークにおいて高い水準を誇ります。
構成大学: 東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学
特徴: 旧帝大の中でも特に最難関とされる4大学。文系の雄である一橋大学と理系の雄である東京工業大学が含まれる点が特徴です。（※京都大学の代わりに一橋・東工大を入れる文脈で使われることが多い）
構成大学: 筑波大学、横浜国立大学、千葉大学
特徴: 首都圏に位置する難関国立大学群。旧帝大に次ぐレベルとされ、研究力にも定評があります。
構成大学: 電気通信大学、東京農工大学、名古屋工業大学、京都工芸繊維大学
特徴: 工業・情報・農学などの分野で高い専門性を持つ、伝統ある国立大学群です。
構成大学: 金沢大学、岡山大学、千葉大学、広島大学
特徴: 各地方の中核となる上位国立大学群。旧制官立大学の流れを汲む歴史と実績があります。
構成大学: 埼玉大学、信州大学、静岡大学、滋賀大学、新潟大学
特徴: 金岡千広に次ぐレベルとされる中堅国立大学群。それぞれの地域社会で重要な役割を担っています。
勉強のこと気軽にご相談してください！
スタディコーチは、東大・旧帝大・早慶生のコーチが
学習管理をして合格に導く塾です！
LINE追加で学習計画表と東大式勉強攻略ガイドを無料配布中！
構成大学: 早稲田大学、慶應義塾大学
特徴: 私立大学のトップに君臨する最難関大学群。「早慶上理」「早慶上智」のように、上智大学や東京理科大学を含めて呼ばれることもあります。
構成大学: 学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学
特徴: 首都圏に位置する難関私立大学群。知名度、人気ともに高く、多くの受験生の目標とされています。（Gを抜いてMARCHと呼ぶことも多い）
構成大学: 関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学
特徴: 関西圏における難関私立大学群。GMARCHと並び称されることが多く、関西の受験生からの人気は絶大です。
構成大学: 成蹊大学、成城大学、明治学院大学、獨協大学、國學院大學、武蔵大学
特徴: GMARCHに次ぐレベルの首都圏私立大学群。それぞれに独自の校風と強みを持つ個性的な大学が集まっています。
構成大学: 日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学
特徴: 首都圏の知名度が高い中堅私立大学群。学生数が多く、全国的な卒業生ネットワークを持ちます。
構成大学: 京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学
特徴: 関西圏における中堅私立大学群。関関同立に次ぐグループとして位置づけられています。
大学群は便利な指標ですが、過度に依存することには注意が必要です。以下の点を念頭に置いて活用することが求められます。
| 用語 | 定義 | 大学群との関係 |
|---|---|---|
| 偏差値 | 特定の集団内での学力的な位置を示す統計上の指標。 | 大学群は、この偏差値が近い大学をグループ化したものです。偏差値が「個」の指標なら、大学群は「集団」の呼称です。 |
| 大学連携 | 複数の大学が公式に協定を結び、単位互換や共同研究などを行う制度。 | 大学群が受験業界の「通称」であるのに対し、大学連携は大学運営上の「公式な制度」であり、目的も性質も異なります。 |
大学群は受験世界の「地図」: 膨大な大学の中から自分の位置を把握し、志望校を探すための便利な通称である。
非公式な枠組み: 大学が公式に定めたものではなく、あくまで受験業界で使われる便宜的なグループ分けである。
多様な分類基準: 偏差値だけでなく、歴史的経緯や地理的要因など、様々な基準で構成されている。
過信は禁物: 大学群のイメージに囚われず、個々の大学・学部の特色や強みを調べることが、最良の進路選択につながる。
大学群の理解を深めた後は、以下の記事でさらに探求を進めることを推奨します。これにより、より解像度の高い大学選びが可能になります。
