目次
みなさん、国語は得意ですか?
国語は受験でも必須科目ですが、得点が伸び悩みがち。
「どう勉強したらいいかわからず、なんとなく試験日を迎えてしまっている」なんて人も少なくないですよね。
今回は、東大首席による「東大式」国語の勉強法を現代文・古文・漢文に分けて紹介します!
定期テストから受験まで広く使えるテクニックが詰まっているので、国語がニガテな人も、さらに得意にしたい人も必見です。
共通一次試験で全て取り扱う大学受験生はもちろん、高校受験を控える中学生の方にも有用なので、自分の受験校の特徴に合わせた分野を理解していきましょう!
また東大志望の方は、この記事をチェックした後に必ず記事「【東大式】東大入試国語の分析&現役東大生が教える設問別勉強法」もチェックしておきましょう!
ライター情報
R.K
東京大学の文科三類に所属しています。地方から浪人を経て入学しました。現在は農学部への進学を目指しています。勉強に関する様々な情報をお伝えしていきます!
「どうしても成績が上がらない」「読むスピードが追いつかない!」など、現代文に悩む学生は多いです。
しかし正しいやり方で取り組むことさえできれば、国語の成績をステップアップさせていくことは不可能ではありません!
今回お伝えする「東大式」現代文のポイントは3つです!
現代文に限らず、国語の基礎は単語です。
特にキーワードとなる単語がわからないと、どうしても文章を理解するのは難しくなってしまいます。
したがって、普段の勉強で知らない単語や漢字に出会ったら、必ず確認しましょう。その都度参考書や辞書で調べることで、知識を吸収していくことができます。日々の積み重ねが重要なのですね。
現代文でネックになるのが、読む・解くスピード。
しかし早く解けるようになりたいからこそ、最初はじっくり確実に取り組むのが効率的です!
時間をかけて深く問題と向き合うことで、思考力や読解力が鍛えられます。
参考書の問題や過去問も、まずは時間をかけてじっくり解きましょう。
そして徐々に得点率が上がってきたら、時間内に解く練習へ移るつもりで進めるのがオススメです。
実は現代文の設問は、「可能な限り文章全体を活かす」ように作られています。
良い問題ほど、設問1つ1つが文章の流れと繋がっているので、設問は必ず前から解いて流れに乗りましょう。
現代文対策のプロになればなるほど、解説を見透かしたように流れを素早く汲み取って解答できます。
流れ=誘導を意識し、「棒線部や空欄が出てくるたびに解く」のが早く&確実に解くためのポイントです!
特に選択問題では、頭の中で答えを思い浮かべてから選択肢を見る必要があります。先に答えをイメージすることで、微妙な選択肢の違いに惑わされにくくなるのです。
また記述問題でもこのポイントは効果を発揮します。詳しくは記事「国語の記述問題を得意にする2つの方法【東大式】」にまとめてあります。さらなる点数UPを狙いたい人は必読です!
現代文全般についての勉強法を説明してきましたが、ここからは現代文を評論と小説・随筆とに分けてさらに詳しく説明していきます。
まず評論の読解問題を解くには、大きく分けて語彙力、読解力、解答力の3つの力が重要です。これらの力をアップさせる方法を以下で紹介しているのでぜひ実践してみると良いでしょう。
・語彙力
語彙力は文章の理解力や解答の表現力に直結するので、非常に重要な要素です。積極的に新しい単語や表現を学んでいきましょう。
例えば、毎日の読書やニュース記事の読み込みを習慣化し、知らない単語や言い回しが出てきた時には辞書を引いて意味を確認することが効果的です。
また語彙力を鍛えるアプリもあるので、そういったものを活用して日常的にあらゆる単語や類義語、対義語などを学ぶこともできます。
・読解力
読解力を高めるには、文章の構造や主旨を正確に把握する力を身につけていく必要があります。
文章を読む際、段落ごとにまとまった情報を把握するように意識してみましょう。このように意識することによって、文全体を通しての主張や例証、論拠などの要素を見つけ出しやすくなります
・解答力
解答力は過去問や問題集を解くことで鍛えられます。解答の過程や解説をしっかりと確認し、自分の誤っている点や不足点を把握しましょう。
学校の先生などに添削をしてもらうのも良いかもしれません。
解答をする際には評論文中の具体的な内容に基づいて論理的に考えることが重要です。
主張や根拠を正確に掴み、それらに基づいた解答を書くように心がけてください。
共通テストの場合はここを根拠に選択肢から正答を選びましょう。
また解答を書き始める前に、何を書くのか頭の中でしっかりと整理して、構成を組むことを意識しましょう。
見切り発車で解答を書き始めると要旨のよくわからない文章になったり、解答欄が足りなくなったりしてしまいがちです。
評論と小説・随筆を分けて考えがちですが、試験で解くにあたって大きく意識を変える必要は特にありません。先ほど説明した3つの力が小説・随筆を解く上でも非常に重要なので、まずは同じことに留意して勉強に取り組んでみてください。
強いて評論と異なる点を挙げるとすれば、小説・随筆には感情表現や比喩表現がより多く登場するので、その辺りを正確に読み取る力を養えると良いです。
作者自身はさまざまな思いを込めてその表現を書いていたとしても、問題の作成者は文章全体の一環した主張など文脈から読み取れるものを正解として設定しています。そのため、下手に自分の感情や経験とリンクさせないようにしましょう。
以上の3つを意識して勉強すれば、現代文の成績アップに繋がることでしょう。
学校の定期テスト対策や、宿題の問題集にも通用するテクニックです!
またこちらの動画では、現代文の共通テスト対策を東大首席自ら説明しています。
共通テストならではのポイントにも多数触れているので、特に受験生はぜひチェックしておきましょう!
また漢字の勉強法については、以下の記事で詳しく説明しています。現代文の漢字は貴重な得点源ですので、「まだ完璧とは言えないかも……」という方はしっかりチェックしておきましょう!
・ゼロから覚醒 はじめよう現代文
こちらの参考書には、何が分かれば現代文が解けるようになるのかということがわかりやすく記されています。「だから」「しかし」など論理構造を示す接続語などについての情報も基礎からまとまっています。
まず一周読んでみてから、解説を確認しながら問題演習に取り組む形をとってみましょう!
・論理でわかる現代文 基礎編
こちらの参考書は、マーク式問題集の形をとっています。最初に現代文の書き方が記されており、それ以降問題に関しては別冊で取り組むという形です。
まず自力で問題を解いてみてから間違えてしまった問題に関して特に解説を熟読しましょう。丁寧に解説が記されているのでわかりやすいです!
現代文に特に不安がない場合は、共通テストやセンター試験の過去問にどんどん取り組んでいきましょう!
さて、次は古文です!
活用や品詞の多さから、国語の中でも「古文はコスパが悪い」というイメージを持っている人もいるのではないでしょうか?
しかし古文は、正しいセオリーで着実に勉強していけば、安定して高得点が目指せる科目です!
ここからは、古文で得点していくための勉強を3ステップで紹介していきます!
まずは文法書を1つ丸々覚えましょう!
古文文法は基本的に、「動詞の活用」「助動詞」「助詞」の3つが重要です。
この3つを最初に完全に定着させることが、古文の得点を安定させるコツとなります。
一度完璧に覚えても、忘れないように定期的に復習しましょう。
進め方としては、日々コツコツと「数ヶ月かけて1周する」よりは「数日で手早く1周する」のを繰り返し、記憶の穴を埋めていく方法がオススメです。
次は単語ですが、古文単語のほとんどが2つ以上の意味を持っています。これを全て覚えるのは非効率ですよね。
そこで、単語は「イメージで」覚えることを意識しましょう!
例えば、「をかし」なら「良い、みたいに”広く使えるポジティブな表現”」とイメージすることで、「趣がある」「かわいい」など異なる意味同士が繋がってきます!
しかもイメージで覚えることができれば、本文が読みやすくなるだけでなく、柔軟な”訳”を作る力も鍛えることもできます。
さらにイメージに沿ったゴロ合わせも作れると、一層覚えやすくなるでしょう。
このように、「イメージで覚える」勉強法には、たくさんのメリットがあるのですね。
また敬語については尊敬語、謙譲語、丁寧語のどれであるのかをしっかりと押さえるようにしましょう!
これらの区別がつき、それぞれの敬意の向く方向を理解できていれば、誰の誰に対する敬意なのかがわかります。
そうすると発言者や行為者を難なく追うことができるはずです!
実際に源氏物語の冒頭部でこのことを確認してみましょう。
いづれの御時にか、女御、更衣あまた①候ひ給ひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めき②給ふありけり。
こちらの本文について、①の「候ふ」は謙譲語、②の「給ふ」は尊敬語なので、①からはお仕えされているのは帝、②からは寵愛を受けているのは大勢いる女御、更衣のうちの一人であるということがわかります。
さて、文法・単語を押さえてようやく、基礎問題に集中する段階に入ります!
定期テストや共通一次レベルであれば、基礎問題をじっくりやり抜く方針で進めましょう。
基礎では物足りなくなったり、2次試験の対策が必要になってから、応用問題に手を付けるのが効率的です。
そして演習で意識してほしいのは、「ストーリーや背景を理解する」こと。
現代文で、一度読んだことがある小説や、知っているテーマの文章が出てきて解きやすかった経験はありませんか?
「展開が予想できる」「イメージ・共感できる」と、人はよりスピーディに内容を理解でき、高得点に繋げることができるのです。先ほどの東大式②「イメージで覚える」とも繋がってきますよね。
例えば、源氏物語が恋愛小説だと理解し身近な少女漫画のようなイメージを持てれば、文章も読みやすく&現代語訳も自然なものになりやすいので、高得点を取れる可能性も高くなります。
古文常識の参考書や有名な古文の和訳を読んでおき、問題を解く中で気になるポイントが出てくるたびに、参考書を確認してイメージを深めていきましょう!
ここまでご紹介してきた古文の勉強方法については、こちらの動画でも東大首席自ら解説しています。
本記事で説明した3つの勉強法に加え、動画ではおすすめの教材と進め方のヒントまでセットでご紹介しているので、「今日から行動して成績を上げたい!」という人は必見です。
こちらの記事でも「東大首席流 古文の勉強法」をご紹介しているので、チェックしておくと良いでしょう。
・富井の古典文法をはじめからていねいに 改訂版
こちらの参考書では、イラストが豊富なので古文の文法をわかりやすく学べます。説明が中心で問題数は少ないです。
古文をはじめて勉強する人、古文文法に苦手意識を感じる人どちらにもオススメです!
さて、現代文・古文と説明してきましたので、残る漢文を攻略していきましょう。
漢文も、「なんとなく感覚的に」解こうとしてしまう人もいらっしゃいますよね。そして感覚的に解いているからこそ、「答え合わせや解説を読んでもいまいち次に活かせない」「次も感覚的に解かざるを得ず、点数が伸びない……」といった負のループに陥ってしまいます。
しかし漢文も古文と同様に、正しい勉強法さえ確立できれば安定した得点源にすることが可能です!
それでは、現役東大生がオススメする漢文の勉強法を、大きく分けて2ステップで紹介していきます。
現代文・古文と同様に、まずは単語の知識をつけることを優先しましょう。
注意点は、漢文の文章は古文以上に句法と単語が混じり合っていること。漢字一字の役割が相対的に大きい漢文では、一字の読み間違いも失点に繋がり得ます。しかし、一字の持つ意味が広く、名詞・動詞と助詞が入り混じっているため、解釈の間違いや見落としが発生しやすいのです。
漢文での意味を知らなければ、日本語の意味で捉えて解釈ミスを引き起こしがちな漢字、熟語をいくつか紹介します。
まだまだ他にも覚えるべき単語はたくさんありますが、もしこのような漢文特有の単語を覚えられていない場合、おそらく現代日本語の意味で本文を読み進めてしまうと思います。
一つの漢字、熟語の意味を間違えたばかりに、内容を大きく捉え違えてしまうこともあるので単語はしっかりと覚えておく必要があります。
そこでオススメしたい勉強法が、「句法・重要単語がセットでまとまった参考書1冊を完璧にする」進め方です。
苦手な人ほど基礎を固めることが大切であり、普段使う参考書の選び方から注意する必要があるのですね。
さらに、文法問題に不安が残る人は、「演習しながら進める」形式の参考書をもう1冊準備し、並行して進めていくとよいでしょう。
漢文が読みづらい原因は、「漢文の文構造」にあります。
実は英語の構造と同じ「SVO構造」が中心であり、その順番への慣れが必要なのです。
したがって、国語ではありますが、むしろ割り切って外国語だと思い、週1以上のペースで漢文に触れていくことが重要です!
また「前半にお話がきて、後半にその話から得られる教訓が書かれる」といったストーリーの流れを把握することもポイントで、ストーリー展開を予測して解く習慣をつけていきましょう!
以上の2ステップを着実に進められば、漢文がかなり解きやすくなります。そして国語の得点の安定へと繋げることができるのです。
・漢文早覚え速答法
こちらの参考書は分量が少ないながら、問題を解き進める形式のため高い定着度が期待できます。漢文演習の初めにささっと取り組みましょう!
・ステップアップノート10漢文句形ドリルと演習
こちらの参考書では、漢文知識の演習をすることができます。問題数が豊富な分、説明自体は薄めなので、上記で紹介した参考書など網羅方のものと併用すると良いです!
中学・高校の国語の定期テスト対策には、ここまでの勉強法に加え、「教科書ガイド」の活用がおすすめ。
特に古文漢文は単語の訳・活用、文章全体の和訳まで網羅されている本が多く、日々の勉強も効率よく進めることができます。
授業で扱った内容を深く学習していけば、定期テストだけでなく受験にも活きる国語力を育てることも可能です。
またこちらの記事では、東大首席が漢文の勉強法をご紹介しています。古文と同様に、結果を出している人の方法を素直に取り入れることは成績アップへの近道ですよね。
【現代文編】【古文編】【漢文編】で説明してきた通り、国語は覚えるべきことや養うべき力が多く、早い時期から地道に勉強し続けていく必要があります。
また一気に成績が伸びることは期待しづらい教科ゆえに、受験期に国語に力を注ぎすぎるのはコスパが良くないとも言えます。
そのため他教科の受験対策に追われない高1、2年生の間にコツコツと取り組んで実力をつけておき、受験生ではキープできる程度の勉強に留められるのが理想です。
これを目安にした各学年の国語への取り組み時間、大まかな習得しておきたい内容を以下にまとめておきました。
・高1
授業の振り返りを5〜10分程度で毎日やることに加えて、定期テスト対策をしっかりしましょう。
現代文なら該当の教科書本文について授業でなされた解説や用語、漢字などを復習し、古文・漢文なら該当の本文を書き下し、登場する単語の意味や文法を完璧に押さえるようにしてください。
毎日の復習で15分程度、定期テスト前には対策で一日30分程度勉強できると良いです。
・高2
まずは高1の時と同じように取り組みましょう。
それに加えて高2の間に古文・漢文なら文法や句法、単語が全てまとまった参考書を完成させられると受験生の時に焦らなくてすみます。
毎日1.5時間〜2時間取り組めると対応できると思います。
・高3
高2までの学習がしっかりできている場合、高3で新たなインプットは基本ありません。
高2までに培った国語力で過去問などに取り組んでアウトプットに重点をおきましょう。
他科目を優先した上で、残りの時間を国語学習に充てるようにすることをオススメします。
今回は「東大式」国語の勉強法をお伝えしてきました。
国語は、正しい勉強法さえ確立できれば、得意科目にできます!
ポイントをまとめると、
・現代文はじっくり確実に
・古文は「文法書を覚える」→「単語をイメージで覚える」→「ストーリー・背景を意識しながら演習」する
・漢文は「句型と重要単語をチェック」→「文構造やストーリーに慣れる」
というステップを踏むことが重要でしたね。
今日から実践し、どんな問題も解ける実力を効率良く磨いていきましょう!
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また今回の記事の執筆者は、スタディコーチ(studycoach)でコーチも実際に務めています!
スタディコーチ(studycoach)は現役東大生・早慶生のみが質の高い授業を行っており、高い指導実績と満足度を誇るオンライン個別指導塾です!
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