明星学園の偏差値は60と、難関校に位置づけられます。近隣にはICUや中大杉並、成蹊といったトップクラスの進学校が存在しますが、明星学園はこれらの学校とは異なる独自の価値観と教育方針を掲げています。

合格の目安として、内申点は5科で20〜22、9科で36〜38程度が一つのラインとなるでしょう。ただし、明星学園は学力だけでなく、生徒の個性や自主性を重視する傾向があります。入学試験においても、単なる知識量だけでなく、思考力や表現力を問う問題が出題されることを意識しておく必要があります。

偏差値はあくまで一つの指標です。後述する校風や教育内容が、お子様の価値観や性格と合致するかどうかを総合的に判断することが、ミスマッチのない高校選びの鍵となります。

進学実績の最大の特徴は、やはり美術・芸術系大学への圧倒的な強さです。これは、学校全体が創造性や表現力を尊重する文化を持っていることの表れと言えるでしょう。美大進学を考えている生徒にとっては、同じ目標を持つ仲間や情報が豊富にあり、非常に恵まれた環境です。

一方で、MARCH以上の難関大学への進学者も毎年一定数いますが、学校として進学指導に特化しているわけではありません。いわゆる「面倒見の良い」手厚いサポートを期待するというよりは、生徒の自主性を尊重し、本人の希望に応じてサポートするというスタンスです。難関大学を目指す場合は、学校の授業に加えて、塾や予備校を活用しながら自律的に学習を進める生徒が多い傾向にあります。

明星学園の校風は、「自由には責任が伴う」ことを学ぶ場であると理解することが重要です。細かく管理される環境を好む生徒や、学習計画などを手厚くサポートしてほしい生徒にとっては、この自由さが逆に「放置されている」と感じてしまう可能性があります。

一方で、自ら課題を見つけ、探求し、行動できる生徒にとっては、これ以上ないほど成長できる環境です。服装や髪型を自分で決め、膨大な選択科目の中から自分の時間割を組み、行事を自分たちの手で創り上げる。このプロセスそのものが、社会で求められる主体性や協調性を育む最高のトレーニングになります。「誰かに与えられる」のではなく「自分で掴み取りたい」という意欲のある生徒に強く推奨できる学校です。

【この高校をおすすめできる生徒】

✔︎ 自分の興味や関心がはっきりしており、探求したいことがある生徒
✔︎ 校則などに縛られず、のびのびと自分らしさを表現したい生徒
✔︎ 他者と違うことを恐れず、多様な価値観に触れたい生徒
✔︎ 特に、美術・音楽・演劇などの芸術分野に進みたい生徒

【別の選択肢も検討したい生徒】

✔︎ 学習計画や生活面で、手厚いサポートや細やかな指導を望む生徒
✔︎ 周囲に流されやすく、自分で自分を律するのが苦手な生徒
✔︎ 学校全体で難関大学合格を目指すような、競争的な環境を求める生徒

明星学園高等学校は、「偏差値」という単一の物差しでは測れない魅力を持つ、非常にユニークな学校です。この記事が、皆様の納得のいく高校選びの参考となれば幸いです。