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みなさん、高校卒業後の進路について考えたことはありますか?どの大学を目指すにしても、入学後に後悔することがないように、自分が進学したい学部をしっかり考えておくことが重要です。
しかし、大学の学部の情報を入手するのは至難の業。大学のパンフレットやサイトを見ても、「本当に自分の勉強したい分野が勉強できるのかな?」「抽象的な内容しか書いていなくて、結局何をやっているのかよくわからない。」と感じることは日常茶飯事だと思います。
そこで今回は、現役東大生が多数所属するスタディコーチ(studycoach)が、東大の学部をご紹介します。本記事のテーマは東京大学の後期教養学部です。後期教養の現役学生が、進学選択の実情や授業、進路など、毎日の生活についてお伝えします。
東京大学への進学を考えている方は、後期課程の学部を一度はご覧になったことがあるでしょう。では、「後期教養学部(正式名称は「教養学部後期課程」)」がどんなところか、皆さんはわかりますか?名前を聞いただけではピンとこない、大学紹介のパンフレットでもあまり説明されていない、そんな謎に包まれた学部を、当学部の現役学生が詳しくご紹介します!
後期教養には、地域研究や社会科学などのいわゆる「文系」の分野を学ぶ学科から、生命科学や情報などいわゆる「理系」の分野を学ぶ学科まで幅広く存在しています。この学部に存在する学科は、以下の通りです。
教養学科は文系より、統合自然科学科は理系より、学際科学科はその名の通り文理融合的な内容になっています。教養学部のサイトでは、教養学部の各学科で扱う内容と高校で勉強する内容の親和性を表にしてまとめています。こちらもぜひ参考にしてみてください!
それでは、後期教養の学生はどんな大学生活を送っているのでしょうか?この記事では、授業と課外活動に焦点を置いてご紹介します!
この学部は、多様な学科が存在する分、一概に「こんな授業があるよ!」と紹介するのが難しいです。ですが、授業の共通点は以下のような形になります。
各学科の人数が少ないので講義よりも議論や発表を重視した授業が多いです。筆者が所属する学科では、毎週論文や本を読んで論点を上げ、ディスカッションをする授業が3分の2程度になっています。そのため、出席が重視されたり課題が多かったり、負担が重い分学びに富んだ授業が多いです。
本学部では「サブメジャー(副専攻)」を決めることができます。サブメジャーとは、自分が所属する学科以外の別の学科の専門性を身につけることができる制度です。サブメジャーについては、こちらのページも参考にしてみてください。
本学部では、「高度教養科目」という分野横断型の授業を履修することが必要になっています。「高度教養科目」には、地方創生やジェンダー、教育、死生学、倫理学などの多様な分野の科目が含まれています。
後期教養生は授業だけでなく、部活やサークル、インターンなども積極的に行っています。筆者の周りにはこんな課外活動をしている人がいます。
本学部学部の授業の負担は重いですが、それでもさまざまな課外活動と学業を両立して充実した大学生活を送っている人が多いです。また、留学をする人の中には1年間休学して5年間で卒業する人もいます。
学部選びの際に気になるのが、そこに進学するメリット・デメリットだと思います。ここでは、実際に本学部に進学した現役生の観点から、本学部の良い点と気をつけておくべき点をご紹介します。
東大には「進学選択」という制度があります。
東大には「前期課程」と「後期課程」が存在しています。
「前期課程」は1年〜2年次、「後期課程」は3年〜4年次です。東大では前期課程の入学時に、学生が文科一類・文科二類・文科三類・理科一類・理科二類・理科三類のいずれかを選択して受験します。進学選択とは、簡単に言えば「各学科が設定した基準点以上の点数があれば、3年次から自分が行きたい学部に進学できる制度」のことです。よく誤解されているのですが、「好きな学部を自分で選んで進学できる制度」ではありません!
各学科ごとに、各科類から何人進学できるか(「定員」と呼ばれます)が決められています。その学科の希望者を前期課程の成績順に並べ、上位の定員の人数分ががその学科に進学できます。このときに、その科類に進学できた人の最低点が「底点」と呼ばれています。自分が希望する学部に進学するには、前期課程での成績が「底点」を超えている必要があるのです。
本学部の各学科にも底点がありますが、近年の底点は公開されていません(2016年までの底点はこちらのサイトから閲覧することができます)。しかし、一般的に後期教養学部のうち人気学科である総合社会科学分科や、統合自然科学科の認知行動科学コースは例年底点が高くなり、進学が難しいことで知られています。
また、本学部には少人数の学科が多いので、必然的に定員が限られてきます。学科によっては、特定の科類から進学しにくいものも存在します。以下の表(2021年度東京大学入試募集要項より抜粋)は、「各学部に、各科類から何人進学できるか」を示しています。教養学部を例にこの表の見方を解説します。「指定科類」の部分に、文科一類・文科二類(39)と記されています。これは、「文科一類・文科二類の中で、本学部を希望した学生のうち上位39名は進学できます」という意味です。「全科類」の部分には(55)と書かれていますが、これは「『指定科類』で進学を決められなかった全ての科類の学生の中で、上位55名は本学部に進学できます」という意味です。この表を見てもわかるように、理科類から後期教養学部への定員は少なく、学科によっては進学が難しい場合もあるといえます。
卒業後の進路は、大学院への進学(文系学科約3割、理系学科約6割)と就職(文系学科約7割、理系学科約4割)に分かれます。進学する学生のうちの多くは、後期教養と同じく駒場にある総合文化研究科に進学します、就職先は幅広いですが、官公庁・教育・研究機関・企業・メディア・国際機関の割合が高くなっています。また、近年では外資系企業を含めたコンサルティング企業やシンクタンクに就職する学生も多くなっています。
大学院に進学する学生は、4年生の春頃から準備を始めます。大学院の多くは夏に入学試験を行うので、卒業論文を執筆しながら院試の準備を進めることになります。就職する学生は、3年の春〜夏頃から本格的に準備を始めます。この時期は大学の授業も本格化してくる時期なので、就職希望者には学業と就職活動の両立に苦労している学生も多く見受けられます。
ここまでご覧いただきありがとうございました!
今回ご紹介した内容をまとめると、以下のようになります。
大学で領域横断的にがっつり勉強したい方には、本学部はぴったりだと思います。東大には他にもたくさんの学部学科が存在するので、大学に進学したらどんな学部に進みたいか、今のうちから考えてみてくださいね。
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また今回の記事の執筆者は、スタディコーチ(studycoach)でコーチも実際に務めています!
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K・T
東大教養学部3年。社会学を軸に経済学・政治学も学びたいと思い、分野横断的な学びができる後期教養に進学しました。毎日山のような課題に苦しみつつも、友人と切磋琢磨しながら勉強をしています。少しでも多くの方が後期教養に関心を持ってくださると嬉しいです。