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最近の若い世代では、YouTubeなどの動画を1.5倍速や2倍速で視聴するのが当たり前になっているそうです。限られた時間でより多くの情報を得ることが“効率的”とされているのですね。
倍速視聴には、時間の節約や集中力アップなど、受験勉強にも活用できそうな利点があります。以下にそのメリット・デメリットをまとめてみました。
ここまで、倍速視聴のメリットとデメリットを見てきましたが、情報を“速く取り込む”ことだけが学習法ではありません。
実はこの方法、仏教で経典を書き写す「写経(しゃきょう)」に通じるものがあります。心を落ち着け、手を動かしながら、内容と向き合う——そんな静かな集中の中にこそ、深い学びがあるのかもしれません。
むしろ、「ゆっくり書き写す」という、一見時代遅れに見える方法こそ、学びの本質に近いのではないか。そんなことを考えさせられる経験があります。
私自身、ある資格試験の勉強でスクールのテキストを一字一句、鉛筆で書き写していた時期がありました。最初は「なんて面倒なことを始めてしまったんだ」と後悔もしましたが、続けるうちに、だんだんと“無の境地”に近づいていくような不思議な感覚を覚えました。
どれほど効果があったかは正直わかりませんが、結果として8割以上の正解率で合格することができました。少なくとも当時の自分には、このやり方が合っていたと感じます。
この“書き写し勉強法”がもっとも効果を発揮するのは、やはり暗記系の科目でしょう。特に世界史や日本史のように膨大な情報を記憶する必要のある教科では、書いて覚えるスタイルが向いています。
受験まで時間がある人、高1などの早い段階から取り組むのが理想です。
いかがだったでしょうか。
「覚えよう」と力むより、「ただひたすら写す」ことで自然に内容が染み込んでくる。これはまさに、道元禅師が唱えた“只管打坐(しかんたざ)”にも通じる、シンプルだけれど奥深い学びのかたちです。
受験勉強に疲れたとき、あえてスピードを落とし、「写す」という作業に身をゆだねてみてはいかがでしょうか?