目次
今回は学部のシステムが面倒な東大、その中での文科三類を入試・入学後の生活の2点から詳しく解説していきます。
文科一類や文科二類との違いにも触れ、特に東大志望の受験生が迷いがちな「どの科類を受けるべきか」アドバイスするので、ぜひ最後まで読んでみると良いでしょう。
ライター情報
R.K
東京大学の文科三類に在籍中です。地方から浪人を経て入学しました。現在、農学部への進学を目指しています。勉強に関する様々な情報をお伝えしていきます!
東大には文科一類~理科三類の6つがあります。入試の時にどれかを選んで出願します。
最初は全員前期教養学部に配属され、一部の必修科目を除いて皆同じ授業を幅広くとることができます。
文科一類は法に関する授業が、文科二類は経済に関する授業が必修科目です。
文科三類には文科一類や文科二類のように特定の必修科目はありません。
その代わり言語の授業を他科類よりも多く履修する必要があります。
理科一類は工学系の授業が、理科二類、三類は生命系の授業が必修科目です。
2年の夏休みに進学振り分けが行われます。
主に、以下の進学パターンが多いです。
一二年時の成績によって希望学部を決めます。
このことは入試までに学部を決めなくていいというメリットと捉えることができます。
一方で進学振り分けは成績順に決まるため、行きたい学部・学科に行けるように入試後も良い成績を取り続けなければなりません。
各学科は科類によって進学できる人数が異なるので、行きたい系統に近い学科を選ぶことが重要になります。
東大公式によると、文科三類とは「言語、思想、歴史を中心にして人文科学全般の基礎を学び、関連する社会科学と自然科学の分野にわたって理解を深め、人間と文化的・社会的営為について広い見識を養う」場所です。
実際に主な進学先の学部・学科を見ていきましょう。
基本的に以下の通りとなっています。
文学部、教育学部をはじめ、教養学部が含まれるためかなり学問の裾野が広いのが文科三類の特徴です。
東大は一次試験(共通テスト)の点数900点を110点に圧縮したものと、二次試験の440点の合計550点満点で合否が決まります。
共テ(110)+二次(440)
試験日や試験科目について、文系はどの科類も同じです。
例年2月の25日、26日頃に二次試験を迎え、英数国・社会科目2種を受験することになります。
文系の各科類の倍率は以下の通りとなっています。
合格最低点・合格平均点は、これまでは文系の他の科類と比べると低い傾向にありました。
しかし2022年は合格最低点は文一・文二とほぼ同じで、むしろこれまで最も難関だった文科一類よりも高い結果となり世間を騒がせました。
各科類の最低点や平均点は進学先の学科の人気次第でもあるので、自分の行きたい学科に行きやすい学科を選ぶのが良いと言えるでしょう。
教育や言語などに興味がある人が多く受験します。
社会の選択科目は世界史・地理などを選択する人が多く、入試全体では数学で差がつくことが多い傾向があります。
文科三類は文一・文二よりも社会科学のとらなければならない科目が少なめです。
そのため文一や文二と比較して、好きな授業を多く取ることができます。
実は入学後もしっかり勉強する人が多いです。
なぜなら、文科三類からの進学の枠が大きい文学部以外を志望する学生が多いからです。
例えば教育学部や教養学部はそれぞれ定員の数が少なく、進学するためには高い成績が必要となってしまいます。
しかし「勉強ばかりしている堅苦しい人ばかり……」ということは全くなく、むしろ東大生の中ではかなり一般的な大学生に近い人が多いと感じています。
また一部ですが、大学に入ってから理系に興味を持ち、理系の学部に進学する人もいます。
そのような場合にはどのような進振りになるのかもこれから紹介します!
東大の進振りは文理の垣根を越えて進学することができる仕組みです。
とはいえ、文科から理科への進学には様々な条件がつくのでなかなか厳しいです。
ここからは実際に文科三類から農学部獣医学専修を志望している私の実体験を踏まえて、文科三類から農学部獣医学専修への進振りを具体例に説明していきます。
まず農学部獣医学専修は理科二類からの進学が主な学科です。
そのため文科三類からの進振り参加にあたり要求科目が課されます。
これは文科では必修化されていない理科生向け生命科学系授業の単位取得が進振り参加に必須、ということです。
文科から理科への進振り参加の場合、基本的にどの学科でも要求科目が設けられています。
生物基礎しか履修していない私にとってなかなか難しい内容でした。
しかし周りの理科生に助けてもらいながら単位取得できたので、要求科目の単位取得はおそらく何とかなります。
要求科目の単位を取得し、晴れて進振りに参加できると思っていても最大の難関が待っています。
それは、獣医学科の定員30名のうち27名分が理科二類用の指定科類枠であるということです。
つまり理科二類以外の全科類の人たちで残りの3名の枠を競うことになります。
獣医学科に限らず全科類枠はかなり少ないのが一般的です。
特に農学部の進振りは評点が特殊です。
他の多くの学部は単位取得した各科目の平均点を評点として用いるのに対し、農学部はその平均点に取得単位数(最大90単位)を掛けた値を用います。
一見、取得単位数を増やすほど有利に思われますが履修科目を増やしすぎると、多くの人はキャパオーバーになって平均点が下がりがちです。
そのため自分のベストな評点を手に入れられる塩梅を見極め、計画的に進振りに挑む必要があります。
結局私は進振りでその3名の枠に入ることができず、他学部・学科への進学希望もしなかったので現在は次の進振りで獣医学科へ進学を目指して降年中です。
降年とは2年生の途中から1年生に学年が戻ることを指していて、自主留年のようなものです。
降年中は次の進振りに向けて、最低90単位に到達するまで単位を取得します。
また同系統の総合科目を新たに履修し、既に単位取得している総合科目を追い出して成績を磨いていきます。
このように文科三類から理系の学部を志望することは降年という制度を踏まえても十分可能ですが、やはり多くの不安や困難が伴います。
そのため、興味関心の変化に伴うものは仕方ないとしても、「東大なら入学後に好きに進路を決められる」という安易な考えはやめておきましょう。
出願前あるいは文理選択前にしっかりと自分の進みたい学科の系統を定め、それに合った科類に進学できると良いですね。
対策法は文科何類を受けるにしても基本同じです。
勉強しなければいけない科目が多いので、高校の早い段階から計画的に学習を進めていくことが必要になります。
社会科目では特に論述の問題が多く、私立難関大学の二次試験などとは違って「知識量」より「理解」「記述力」が問われることが多いです。
ここでは書き切れないので具体的な東大の各科目の対策法についてはいろんな記事で扱っているのでこちらを参照してみてください!
【東大式】東大世界史の分析&現役生が教える独学攻略法2022 | スタディコーチ
東大日本史の勉強法を現役東大生が徹底解説!【東大式】 | スタディコーチ
【東大式】東大入試国語の分析&現役東大生が教える設問別勉強法 | スタディコーチ
【東大式】東大数学の頻出分析&現役生による最新攻略法2022! | スタディコーチ
スタディコーチ(studycoach)では、他にも科目別共通テスト対策や受験までの学習計画の立て方、各科目の基礎の勉強法について解説した記事を出しているので、成績を上げたい・合格したい方はぜひチェックしておくことをオススメします。
今回は東京大学文科三類について説明してきました。
同じ文科系でも前期教養学部で学べることはほとんど変わりませんが、学べる自由度や進路に大きな違いが出てきます。
後悔しないよう、今回の記事を読んでしっかり選択&対策していきましょう!
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